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これは狼ゲームが始まる2ヶ月前のある日の出来事だった
赤村ショウマは仕事帰り今日はどの女性に会おうかなどと考えていた
(花屋のお姉さんはもう少しでイケそうな気がするけど最近ペットショップでバイトしてるあの子も中々可愛いかったんだよな〜……ん?)
ふと路地裏を見ると男2人が小柄な女の子を取り押さえていた。
(………面倒ごとだろうけど、女の子がだいぶ嫌がってるみたいだしね〜ここは助けてあげないとな♪)
そう考えたらショウマは行動が早かった
所持していたスマホを取り出して男2人を撮影する
するとシャッター音で気付いたのか振り返る
「あー!無理矢理はイケナイなぁ〜お兄さん達コレ警察に出したら強姦で逮捕だね。どうする?」
すると男達は顔を青ざめて「まだやってねーよ」と捨て台詞を残し、女の子を突き飛ばして逃げていった
「全く。女性に乱暴しようとした挙句に突き飛ばすとか、俺だったら考えられないな〜……」
倒れた女の子にショウマは慣れた手つきで体を起こさせる
「大丈夫かい?お嬢さん」
「っ!!……………だっ、大丈夫です!!助けていただいてありがとうございました!!」
ショウマと顔を合わせると女の子はいきなり顔を青ざめて勢いよく頭を下げてその場を去ってしまった
「おっと………触るのは逆効果だったか……まぁ襲われそうになったし仕方ないか……残念、結構可愛い子だったんだけどなぁ」
ユキナリはその日妹の我儘に付き合っていた
「にぃに!双子コーデしようよ!」
「双子コーデって……別に良いけど何で?」
「気分だよ。それに私ちょーっとやってみたい事があったんだよね」
「?」
ユキナリはこの時に気付くべきだったのだ
妹の悪戯っ子のような邪悪な笑みの真意についてを………
<数十分後>
「何で女装なんだよ!?」
「だって、にぃには絶対似合うと思ってたんだもん!私の力作に何か文句がある?」
「ない………デス」
しかし、兄は妹の圧に屈したのであった
その後双子コーデ……姉妹?コーデをして出掛ける霜月兄妹だった
そこで終われば良かったのだが、神はユキナリにことごとく試練を与えたいようだ
「ねぇ?君可愛いね!」
「俺たちと一緒に遊ばない?退屈させないよ」
まさか自分が男にナンパされる日が来ようとは思わないだろう
「すみませんが1人じゃないので失礼します」
そのまま通り過ぎれれば良かったのだが、1人の男がユキナリの腕を掴む
「まー、まー、んなつれないこと言わないでよ」
「ッ!?ちょ!?どこ触ってるんですか!?」
「言っただろ?退屈はさせないって」
(まずい!!ここは素直に男と明かすべきか?!)
グルグル思考を巡らせているとカシャッっというスマホのシャッター音が裏路上に鳴り響く
視線の先には面白そうにニコニコしていた赤髪とスーツが特徴的な男性だった
「あー!無理矢理はイケナイなぁ〜お兄さん達コレ警察に出したら強姦で逮捕だね。どうする?」
男は現場の証拠を抑えた写真を見せて更に煽る
流石にマズイと思ったのか男達もその場から立ち去る
ユキナリは突き飛ばされて尻餅をついてしまう
「いてて……」
上を向くと手が伸ばされており。手を差し伸べてくれた人の正体は先程助けてくれた赤髪の男性だった
「大丈夫かい?お嬢さん」
(あー……この人も俺が女だって勘違いしてるみたい……って、この声……どこかで……)
ユキナリはチラッと男の顔を見ると血の気が引いたように青ざめた
(なっ!?ショ、ショウマさん……?!)
察した方もいると思うが霜月ユキナリは逆行している
あの時の悲劇を起こさない為にもユキナリはユウヤに立ち向かった
「なら、友達になろう。ユウヤさん!」
「う?とも?だ……ち………違う!!違う!!だって………違うっ!!」
まぁ結果的にリンタロウとミサキさんのお母さんは助けられず俺は精神崩壊したトモヤによって刺され生死を彷徨っていた
変わろうとしても、変えようとしても無理だったのだ
もちろん前世の事ははっきり覚えている訳でそれは目の前にいる彼、赤村ショウマさんも同じだ
彼は狼ゲームの参加者の1人でユウヤのいじめの主犯だったそうだ。最期はミサキさんに撃たれて亡くなってしまった
あのときの彼の豹変は今思い出してもゾッとしてしまう
あまり関わらないようにしようと思いお礼を告げると即ダッシュしてその場を去った
「あれ?君はあの時の!!」
「何で!?!?!?」
まさかまた狼ゲームで再開することになろうとは……