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すたーと
蘭Side
蘭『…ん』((ゴクッ
薬を飲み、ソファに寝っ転がる。
蘭『‥ふわぁ~…』
時計の針の音、自分の呼吸音。
それ以外何も聞こえない静かな空間。
その空間が心地よく、ウトウトとしていたときだった。
ピロンッ
蘭『ッ‥はぁ、なに』
携帯の着信音がなった。
誰だよ‥と思いながらも携帯を開く。
蘭『は…?』
メッセージの送り主は、春千夜だった。
蘭『いや‥有り得る?』
蘭『だって俺、浮気見せつけたじゃん』
メッセージの内容は、
会って話したい。言いたいことがある。
だった。
何を言われるのだろう。
今更、何を話すことがあるのだろう。
数分間、そんなことを考えていた。すると次は、電話が掛かってきた。
蘭『‥出るか』
蘭『‥もしもし』
春:蘭、この後会えるか‥?
蘭『なんで、俺予定あるんだけど』
出来るだけ、冷たく接さないと‥。
春:10分でいいんだ。お願い‥
蘭『‥今更なんだよ、お前竜胆と居たじゃん。』
春:そ、それは‥!
蘭『なに、いいよもう。』
春:お、お願い‥お願いだから‥
声が震えている。泣いているのか、?
蘭『‥、何を話したいのかわからないけど、会うのは最後にしよう』
春:‥うん、分かった
春『蘭‥!』
蘭『あぁ、三途』
春『…、名前で‥呼んでよ』
蘭『もう別れたのに?』
春『‥ごめん。』
本当はこんなこと言いたくなかった。春千夜って呼びたかった。
蘭『‥で、なに』
春『‥あ、あのさ‥』
春『俺まだ‥お前のことが好きで‥』
蘭『‥!』
蘭『なんで?浮気したでしょ、俺。』
春『嘘なんじゃないかって‥、思って‥』
バレてしまう。折角の計画が。
蘭『‥嘘なわけある?俺女と居たじゃん。』
春『だ‥だって‥信じられねぇよ‥!』
春『そんな、急に梵天辞めるとかおかしいじゃん‥!』
蘭『‥ずっと辞めたいと思ってた。我慢できなくなっただけ。』
春『‥それに、竜胆言ってた。』
春『明らかに体調おかしそうだったって。』
春『机の上においてあった薬も見たって言ってた。』
蘭『!』
やばい、見られた。バレてる。どうしよう。
春『俺‥このまま蘭のこと何も知らないままだったら後悔するよ‥』
春『俺‥蘭と居たい。幸せとか思い出とか沢山作りたい。』
春『‥梵天のみんなもそう思ってるよ‥』
泣きそうな顔で、悲しそうに言うから。その姿が見てられなくて。
蘭『‥俺、余命宣告された。』
春『え、?』
蘭『それだけ、じゃあ』
春『ま、待ってよ!!』
蘭『‥』
無視をする。気付いてくれて嬉しかったけれど、これじゃ駄目なんだ。俺が今までやってきたことが全部無駄になる。
春千夜Side
春『蘭‥!』
蘭『あぁ、三途』
春『…、下の名前で‥呼んでよ』
俺だけ、下の名前で呼んで、俺は愛されてなかったのかな。そう思う。
蘭『もう別れたのに?』
春『‥ごめん。』
付き合っていた頃の蘭とは違って、冷たかった。ただ、謝るしかなかった。
蘭『‥で、なに』
春『‥あ、あのさ‥』
春『俺まだ‥お前のことが好きで‥』
蘭『‥!』
蘭『なんで?浮気したでしょ、俺。』
春『嘘なんじゃないかって‥、思って‥』
蘭『‥嘘なわけある?俺女と居たじゃん。』
春『だ‥だって‥信じられねぇよ‥!』
春『そんな、急に梵天辞めるとかおかしいじゃん‥!』
あんなの嘘だって、信じてるから‥信じたいから、感情に任せて話してしまう。
蘭『‥ずっと辞めたいと思ってた。我慢できなくなっただけ。』
春『‥それに、竜胆言ってた。』
春『明らかに体調おかしそうだったって。』
春『机の上においてあった薬も見たって言ってた。』
蘭『!』
春『俺‥このまま蘭のこと何も知らないままだったら後悔するよ‥』
春『俺‥蘭と居たい。幸せとか思い出とか沢山作りたい。』
春『‥梵天のみんなもそう思ってるよ‥』
蘭『‥俺、余命宣告された。』
春『え、?』
なに、それ‥。そんなのあり得ない。蘭が死ぬ。人間は必ずしも死んでしまうけれど、その死がすぐ近くにあるってこと。
蘭『それだけ、じゃあ』
春『ま、待ってよ!!』
余命宣告をされたことに動揺が隠せなくて、足が震えた。体が動かなくて、蘭を引き止めることができなかった。
蘭『‥』
そのまま蘭は、俺の声なんて届いていないかのように、無視をして去ってしまった。
俺の言葉は蘭に届いていなかったのかな…。