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テラーノベルの小説コンテスト 第3回テノコン 2024年7月1日〜9月30日まで
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・アメ日帝とナチ日帝

・NL

・何でも大丈夫な方のみお願いします。






















「はぁ?星の光の話?」

苛立ち混じりの素っ頓狂な声で問いかける。

『何ですかその言い方・・・。ですから、さっきも言った通り、星の話ですよ。星の』

「何だよ〜、つまんね〜〜」

『あら、何か面白い話をしろと申したのは貴方では?』

ぎこちない笑みとピクピク動く眉間から父の苛立ちを感じた。

「ああ親父ごめんって!星の話だろ?マジに面白いぜ!うん!かなり大爆笑!」

『もう少しマシな嘘を付きなさい。』

「・・・星の光・・・ねぇ」

『何です?気になるんですか?』

「んー・・・まぁ少し」

『曖昧な判断は嫌いですよ』

「・・・なぁ親父、続き、聞かせてくれねぇか?」

『貴方にしては珍しい。こんな事にも興味あるんですね』

「ああ・・・まあ・・・」

『分かりました。続きを話してあげます。』

『星の光。実は面白い事に−−−−−−−−−』




















時計の針が六時を差した。

『おや・・・、もうこんな時間ですか。お開きにしましょう。アメリカ』

ゆっくりと椅子から立つ。その時の動きの全てから洗練された紳士性を感じざるを得なかった。指先の動きから足の回し方、俺とは全く違った。

「あぁそうだな。んじゃ、俺は帰るぜ」

『はい、お気をつけて』

ニコリと微笑む父の笑顔には何か含まれているような気がした。帝国時代から何ら変わらない父の本性、それが今の俺の基盤と成っているのはセンスのない皮肉だろうか。そんな事は頭の片隅に投げ出しときゃいい。少し、道草を食いに行きたいとこが出来てしまった。

「よっ・・・と、相変わらずの乗り心地だぜ」

キーをいれると俺の愛車は元気よく返事するようにエンジン音を鳴らした。ドカッと運転席に座り込み、Bluetoothで曲を流す。いや、今日はラジオの気分だな。夕日に見つめられながらラジオをかけ、車を出す。この時間帯のラジオには今日一日の出来事が全て詰め込まれていた。
















ラジオの放送を一通り聞き終える頃には目的地に付いていた。ここは何もねぇ野原。草花と木の住宅地だ。少し坂道を歩くと、ちょっとだけ盛り上がった土地がある。そこの近くの木にもたれかかった。

「お〜、中々の景色だな。」

ここら一帯は静かで穏やかな土地だ。水の音、揺れる植物、仁王立ちする木、全てが共存している。心を浄化してくれる場所。


どのぐらい前の事だろう。弟のカナダが、この場所を教えてくれた。あん時のアイツは「ここにはきっと妖精さんがいる」って可愛い事言ってたな。


目を瞑った。

瞼の裏に、あの日の光景が映し出される。



初めてあの娘と俺の国で出かけた日。

初めてあの娘とここに来た日。

初めてあの娘の国に行ってみた日。

初めてあの娘と俺が喧嘩した日。

初めてあの娘が泣いた日。

初めてあの娘が嬉し泣きした日。

初めてあの娘が俺じゃない誰と付き合い出した日。

初めてあの娘が俺と戦った日。

初めてあの娘があんな苦しそうな顔した日。


初めてあの娘の遺体を見た日。





あぁ、まるであの娘は星だ。




『星の光。実は面白い事に届くのには何百年とかかるんですって。だから、もし今この瞬間に星が消えても、その星が発する光が地球に来なくなるのは何百年後らしいですよ。』




この話を聞いて真っ先に君を思い出してしまった日。




なぁ、なんでだよ。

あの日、君の遺体を見た日。

なんで左手の薬指にリングがあったんだ。

なんでナチスとお揃いなんかしてるんだ。

聞いてないぜ?

俺も君を愛していたのに








あぁ、まるであの娘は星だ。


もう消えているはずなのに、今だに俺の中に光を届け続ける。

やめてくれよ。

依存してしまうだろ。

そんな事するなら俺を置いて行くなよ。

どちらか選んでくれよ。












なーんて・・・、無駄なのに考えてしまう。

俺も堕ちきったのか?

ならせめて

せめて


この想いを届けさせてくれ。




ポケットからライターと煙草を取り出し、咥えた煙草に火を付ける。

そのまま吸って吐いて繰り返す。



俺の中から出ているこの紫煙が


貴女への手紙代わり














「・・・誰か呼んだ?」

薄暗い所で、ただ少しの光源に照らされた女が問いかける。ここは現実の世界なのか、はたまた架空の世界か、それとも虚構の世界なのか。それはわからない。

『・・・呼んで無いが』

女の問いかけに相席していた男は答えた。

「そう・・・ですよね。先輩」

『・・・もう先輩じゃ無いだろ?』

「!ごめんなさい。ナチスさん。」

『別に謝る事じゃない。もう私達に出来ることもやる事も無いんだ。のんびりできるのがいい事だな。』

背凭れにゆっくりと体を預けた。

「ふふっ・・・さて、明日は何をいたします?」

『そうだな・・・。お前の好きな事で構わん、日帝。』

「じゃあ・・・二人っきりで話しましょう」

『ハハ、毎回それじゃないか』




二人の左手はお揃いのリングがあった。








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