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理科準備室は旧校舎の1階、普段は鍵がかかっているはずだった。
だが、その扉はわずかに開いていた。
中に入った瞬間、強烈なカビの匂いと、埃まみれの空気が襲う。
「悠斗!?」
だが返事はなかった。
準備室の隅――棚の裏に隠された古いトランクを見つける。
その中には、書類、名簿、そして1枚の写真があった。
写っていたのは、制服姿の女子生徒。
額に「失踪」の赤い判が押されている。
名前は――
「篠原 怜」
「……え?私……?」
そのとき背後から、**ギギ……ギィ……**とドアが閉まる音がした。