──────いえもん視点──────
とりあえずの情報共有がすみ、一旦解散となった。俺は全員が解散した後にメテヲさんに疑問をぶつける。
「あれ、何の薬だったんですか?」
その問いに、さっきまで実験器具を取り出そうとしていたメテヲさんが立ち止まり、振り返る。そして人差し指を唇に置き、ニヤリと笑う。
「内緒〜」
まるで子供の意地悪のような振る舞いに呆れる。メテヲさんはあまり自分自身のことについては話さない。それが少し、…なんと言えばいいか分からない感情になる。
「それだけ?それならメテヲはもう行くね。いえもんさんはしばらくそこで休んでていいよ」
なぜ上から…と思ったが、そもそもここはメテヲさんの実験室であることを思い出す。わざわざ貸してくれていたことを思い出し、途端に申し訳ない気持ちになる。俺がベッドから降りようとすれば、それはメテヲさんが止めて来る。
「あー、動かなくていいよ、寝てな。じゃないとめめさんに怒られるぞ〜w」
メテヲさんが少しからかい混じりにいってくる。少し、む、としたが確かにそうだろうな、と思い、俺はそのままベッドに寝っ転がる。まぶたを閉じる。メテヲさんがアロマを焚いてくれたのだろうか?甘い香りがして、体の緊張がほぐれていく。そのまま夢へと誘われる。段々と力が抜けて──────
「やあ、こんにちは██くん。」
目が覚めるとあまりよく分からない空間に、ノイズがかかったかのような声が聞こえる。その人を見れば、俺とそっくりの姿をしている。しかし、顔は墨で塗りつぶされたかのように見えない。いや、ぼやけている?俺は理解する。これは夢なのだと。
「…あなたは?」
俺が尋ねると、そいつは首をかしげ、分からない、というジェスチャーをする。自分自身のような姿なため、そんなポーズをされると何となく腹が立つ。そんな俺を見た(?)そいつはそれを気にもとめない様子でさらに話し始める。
「俺?俺はお前だ。お前は俺だ。俺たちは同一人物であり、同一人物では無い。」
そいつは哲学的な何かを語り出す。同一人物なのに同一人物では無い、まるで難問な、なぞなぞを出されたような真相が見えない。俺はそんな感覚が嫌いだ。それを見透かしたかのようにそいつはまた、一方的に話す。
「んー…疑問はわかるが、今はまだ言えない。██が分かったら教える。ただ、安心して欲しい。俺はお前の味方だ。」
そう言ってそいつは俺の頭を撫でる。自分に撫でられている気がして嬉しいではなく、奇妙な感覚だった。そう撫でられると意識が暗転する。夢の中でさらに寝るのか…なんてしょうもないことを考えながら、その夢から俺は離れる。
目が覚めるとそこはベッドの上だった。頭がジンジンと痛み、思わず頭を抑える。
「い"ッッだぁ…ッッ!?」
頭がかち割れそうなほど痛い。耳鳴りが酷く視界が涙で歪む。激痛が脳をはしり、それと同時に、声にならない悲鳴をあげる。
「ぃ”~ ~ ~ ~ ~ ッッ!!??」
その声に気づいたかのようにたった今起こしに来たみぞれさんが大慌ててで俺によってくる。
「ちょッいえもんさんッッ!?大丈夫ですかッッ!?」
みぞれさんの大声が俺の鼓膜に響く。悪気がないことはわかっていても、その声で激痛が加速する。みぞれさんの行動は早かった。素早く雪を作り出し、俺の頭を冷やす。その後は部屋を飛び出していく。
冷やされたことによってだいぶましになった。しかし、痛いことには変わりない。
しばらくしてメテヲさん、めめさん、ガンマスさん、茶子さんなどを連れてみぞれさんが戻ってくる。
「んー…人間にはこの薬はダメだったのか…」
「…メテヲさん、あなたがやったんですか?」
メテヲさんが意味深な言葉をつぶやく。それを見逃すほどめめさんは甘くはなかった。すぐにその言葉に追求する。メテヲさんは少し迷惑そうな表情を浮かべる。が、その表情をしたいのは俺の方である。勝手に実験台にしたんだろうと考えつくのは容易であった。
「そうだよ?」
メテヲさんは悪びれもなくそう言い切る。しかし、その目に悪意はなく、俺をなんだと思うのか、と引く。それよりも頭痛が酷い。会話しながら二つの意味で頭が痛くなりそうだ。
「え〜酷いな…メテヲは闇属性を退けるために魔力をあげただけだよ?まあ、魔力が強すぎて耐えきれなかったみたいだけどねー」
「メテヲさん…とりあえず直してあげては?」
この発言にあのガンマスさんも呆れる。メテヲさんはへいへいと言いながらその辺にあるビーカーをつかみ、めめさんに手渡す。
「これは?」
「それは、いえもんさんが魔力に耐え切れないようとして作った魔力を減少させる薬。これを3滴くらい飲ませれば多分大丈夫だよ。」
「多分って…はぁ…まあ、このままだといえもんさんが苦しむだけですもんね。」
そう言ってめめさんはそのビーカーからスポイトで数滴取り出し、取り皿のようなものに垂らす。
「いえもんさん、飲めますか?」
俺は頷き、それを飲み込んだ。
ここで切ります!!ギリ?間に合いましたかね?まあ、とりあえず間に合ったでしょう(?)参加型を作らせていただきました!!ご報告させていただきます。改めまして、フォロワー様300人ありがとうございます。まだまだこの物語は完結しなさそうですが、これからも応援してくださると幸いです。
それでは!皆さん!おつはる〜
コメント
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天使と悪魔に好かれてる人間(?)…本当の人間の脆さをお分かりでない…流石人の心がない人です
メテヲさんw人間の脆さを舐めすぎでは?w