「はーい!じゃあこれから各科を教官に紹介してもらうよっ!」
「はーい」
「えっと…よろしくお願いします」
契約書にサインもした(なんかされた)し、もう俺に逃げる道はないのか…
諦めるしかないのだろうか…
「ねぇ、誘惑科はまだ帰ってこないの?拷問科は拷問中だし」
「うーん…じゃあ殺人科からにしよっか!リリー先輩よろしく」
「はーい」
立ち上がったのは、長い白髪を靡かせている女性。
肌がすっごい白くて怖い…!
「私の名前は有栖院リリー。この組織の殺人科教官であり、組織を立ち上げ、金銭の管理をしていますわ。吸血鬼でして、活動時間は夜ですのよ」
「へぇ…?」
吸血鬼だそう。有栖院なんて、漫画ぐらいでしか聞いたことない苗字だ…この人絶対お金持ちじゃん。
それにしても殺人科って物騒だな。
「殺人科の仕事は、文字通り殺人。といっても、罪のない方を殺すわけではないのです。悪い奴ら…社会のゴミを殺っちまうのです。けれど、生捕の任務の時は、拷問科に引き渡すのですわ」
「…」
「まぁ、言葉だけでは伝わらない部分もございますわね。じゃあ、体験…」
「大丈夫です!!」
「そんな、ご遠慮なさらなくても…」
「ほんとに大丈夫ですから!!」
「そうですか…」
強く言いすぎたかな。しゅんとしてしまった…
なんだか悪いことをした気分なんですけど!!
「じゃあ次どれ聞きたい?」
「じゃあ魔法科で…」
「おけ!」
すると、次は魔女が被っていそうな帽子を被っている赤毛の少女が立ち上がった。無表情で、今にも消えてしまうそうな…いや、本当に生きているのか疑ってしまうほど怖い。
「私の名前…彼岸花。生きてたときのは覚えてない。ごめんね。魔法科は、魔法を研究したり、新たに発明したり…たまに現場に行かされることもあるけど、他の科よりは比較的少ないよ。一番安全かも」
「へ、へぇ…」
魔法科、意外といいかもしれない…でもこの人やっぱり幽霊なんじゃん!!
でもこういうところに入ったら、やばい仕事させられるとかありそうだから怖い…
というかこの人自体も怖い!!
「どう?入ってみる…?」
「あ、遠慮しときまーす」
「そう…」
またしゅんとして座っちゃったよ!!それなんか悪いことした気分になるから本当にやめてー!!
「じゃあ次は…掃除科いこっか」
「面倒だな…」
あ、さっきの怖い岸さんだ。
「掃除科…ここでいう掃除は意味多重なんだが、まあ簡単にいうと社会のゴミを掃除するってところだな。とある日には、頭から血を被ることになる日もある。もちろん返り血な。あとは死体をバラすとか…」
「もういいです!」
「…あっそ」
またしゅんとして座っちゃったよ!!
みんなこのノリなんだ。
それにしても、掃除科、一番やばいのでは?いや、一番は拷問科かな…?今拷問中だって言ってたし。
「それにしても誘惑科遅いなぁ。また余計なことでもしてたりして…」
「あの、さっきから気になってたんですけど、なんで名前で呼ばないんですか?」
「え?だって名前で言ったら蒼くんが分かっちゃうじゃん、名前。自己紹介で初めて知って欲しいの!」
「そうなんですか…」
強いこだわりだな…
ガラ…
ドアが開いた。
もしかして誘惑科さんが帰ってき…
「拷問、終了しました」
拷問科さんがきました。
続く
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