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1章:旅の始まり…
1話:稀な客
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「金をくれぇー‼︎」
ぽんッ、 …喜びの声が聞こえる。
「子供が欲しいわ」
ぽんッ、 …うぎゃぁと可愛い声が聞こえる。
「あいつを消したい!」
ぐちゃぁぁッッ、 叫び声が聞こえる。
…私のもとへ色んな人が来る。狙いは一つ。
私の能力だ。 忌子の私は、” 創造を具現化する能力” を授かった。
…これを知った両親は金目当てで「理想屋」という店を開いた。望みを言えば実現される、そんな夢みたいな店。人間なら誰でも来たがるだろう。
「いや、あの…」
「できるんでしょ!?!!!」
…稀に来る面倒くさい客に当たってしまった。
「伝説を本当にしてくれよ‼︎」
「ですから…」
知るかよ…。それになんの伝説だよ…。
「無理です!」
パシッッ!
とっさに振った手が彼の手に当たり、手袋が外れてしまった。
「あ、その模様…」
「み、見るな!!!」
その客が突然叫んだ。そのはずだ。
だってあれは…
「忌子だわ!!」「え⁉︎マジか!!」「きも」
周りの人がその客を囲むように悪口を吐いた。
「あ…あ、…」
“稀な客”は、外へ飛び出ていった。他の人間はきもい、二度と来るな、など嫌な言葉を平気で言う。まぁ、言いたくなるのもわかるけど。
「ねぇ…大丈夫?」
気づくと私は外に出て彼を追っていた。なんでだろう…?
「ご、ごめんなさい。私のせいで…」
「…。」
「それ、感情の印 だよね?忌子に生まれてしまったらつく、あざみたいな…」
「だったらなんだ!!君も、あいつらと…
人間と同じように俺を…、俺を…!!」
彼は半泣きだった。泣いてた。泣いてたのに、私はどうしていいか分からなかった。
だけど…
ベリッッッッ
「君、それ…」
私は頬につけていたテープを取った。
「私も、…忌子だよ。」
と、感情の印を見せつけてみた。
彼は信じられないという顔で、ぽかんっと口を開けている。
「二人目だ。」
そう、小さい声で、でもはっきり聞こえた。
…なんの事だろうか?
バシッ!
「ねぇ!君!」
「は、はひっ⁉︎」
「僕と一緒に、あと3人いるはずの”感生の子(かんじょうのこ)“を見つける旅をしようよ!」
…びっくりした、。ん?3人?感生の子?旅?
突然何いってんだ…、。
彼の目はキラキラしていて満面の笑みだった。
ってか
「わけわかんない…。………あ、」
とっさに口をふさいだ。
(言っちゃった…)
「…!あははは!」
彼はまた笑った。
「いや、ごめんw!いきなりだったよね、!」
その通りだ。だけど、なぜか悪い気がしなかった。それは、この生活にうんざりしていたからかもしれない。
じゃなきゃこんな事言わないだろう。
「別に、びっくりしただけで、行ってもいいけど」
「え⁉︎いいの⁉︎」
「…ちょっとした家出って事で」
「うるさ、」
これが、私と稀な客…彼とのヘンテコな出会い