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あれは、澄み渡るような空が美しい日だった。
俺はあの夏、叶うことの無い恋をしたのだろう。
??「、、、さん」
??「,,,,,あ、、さん、、!」
??「蒼!!」
その声に気づいた途端、俺は飛び起きた。
??「やっと起きたんですか,,,,,」
蒼「、、、なんだ、凛か、、」
凛「なんだ,,,,,じゃないですよ!!」
凛「寝るから起こせって行ったの貴方ですよね!?約束守っただけなんですけど,,,,,!?」
蒼「もうちょい静かに起こしてくれよ、、」
こいつは凛。友人だ。敬語は癖らしく、付き合いがある俺にも敬語だ。
凛「はぁ,,,,,、、、また、夢を見たんですか、、?」
蒼「、、、あぁ」
夢、というのは、俺が昔から時々見る、長い髪をしている、仲良しだった可愛らしい少女の夢だ。俺はその子が好きだった。
凛「急に、いなくなっちゃったんですか?」
蒼「あぁ、俺が交通事故に遭って、記憶が混濁してる時、会いに来てくれたのは憶えてる。」
蒼「でも、もう顔も思い出せない,,,,,」
ある日、俺は交通事故に遭った。かなり酷い事故で、ほぼ無傷だったのは奇跡だった。しかし、後遺症でそれ以前の記憶がほぼ無くなってしまった。
蒼「好きな女の子だったってのは分かるんだが、顔も名前も、声も、全部もう分からない。」
蒼「また、会えたら良いのにな,,,,,」
凛「、、、ホントに好きだったんですね」
凛「なんか貴方がそんなになるのは珍しいです。何時も飄々としてるのに。」
蒼「ゆーてお前そんな俺のこと知らないだろ」
凛「,,,,,幼なじみでも無いんですから。普通は当たり前でしょう?」
蒼「、、、それもそーだな」
蒼「さて、そろそろ帰るか。」
凛「今日お父さん、帰ってくるんでしたっけ」
蒼「あぁ、仕事、休暇取れたらしくてな」
蒼「休みは珍しいから。」
凛「でも、久しぶりに家族水入らずですね。」
凛「楽しんでください。では。」
蒼「あぁ、また学校で。」
茜色に染まる空を眺めながら、俺は凛と別れた。
蒼「、、、似てる、気がしたんだけどな」
第1話 終わり