「オレを信じてればいいって、いつでも言ってるでしょ?透子はオレを信じて側にいてくれればいい」
そう。
この頼もしくて誰より私を想ってくれるこの樹が大好きなんだ。
だから私はこの人と一生一緒に生きて行きたいって思ったんだ。
私を絶対幸せにしようとしてくれるこの人だから。
絶対信じられると思ったんだ。
だから私もこの人を幸せにしたいって思った。
それだけ幸せを私にくれるこの人と、一緒に幸せを感じたいって思った。
「やっぱり好き。大好き」
目の前にいる樹にその言葉と同時に勢いよく抱き付く。
やっぱり一度認めた想いは溢れて止まらない。
樹がくれる言葉が増えれば増えるほど、私のこの想いもどんどん大きくなる。
「でも・・・オレはそんな言葉はもう透子には言えないかな」
すると、静かに頭上で聞こえる樹の声。
「えっ・・・?」
思わずその声に反応して抱き付いたまま、顔を上げて樹を見上げる。
こんなに私が樹に好きだと伝えたから嫌になった・・?
今まで伝えなかったのに、今更こんなにも気持ち伝えて重く感じた・・・?
もうその言葉は樹は言ってくれないってこと・・・?
私への気持ちはもうそこまでじゃないってこと・・・?
私だけがこんなにも樹が好きなだけ・・なの・・?
ようやく素直になれて包み隠さず全部樹にこの気持ちを伝えたいのに、樹は受け止めてくれないの・・・?
やっぱりもう遅かった・・・?
こんなにも気持ちを伝えたくて仕方なかったのに、この樹の言葉を聞くだけで一瞬で不安になる。
樹の表情がどんな風になっているのか、急に怖くなってまた俯いてしまう。
樹の次に言い出す言葉が怖くなる。
だけど、もう樹と離れたくなくて、もう樹を手放したくなくて、ギュッと更に樹に抱き付く力が強くなる。
どんな言葉を言われても、例え樹が私よりも好きじゃなくなっても、それでもいい。
今度は私が樹に伝え続ける。
ずっと私がどれだけ樹を好きなのかを伝え続ける。
また樹が同じように私を好きになってくれるように。
私なしじゃいられなくなるように。
絶対もう樹を放さないから。
何を言われても絶対樹から離れないから。
「透子?オレはもうそんな言葉だけじゃ透子への気持ち収まらないんだよね」
「えっ?」
樹が口を開いて伝えた言葉に反応して思わずまた顔を上げる。
「透子・・・。愛してる」
そして樹は、そんな極上に甘い言葉を私に囁いた。
「樹・・・」
私への気持ちが無くなったワケじゃなかった。
やっぱり樹は私よりももっと大きな気持ちを返してくれる。
こんなにも幸せになれる愛の言葉を伝えてくれる。
どんな言葉よりも甘くて、どんな言葉よりも優しくて。
どんな言葉よりも幸せな言葉。
もっともっと樹への気持ちが大きくなる特別な言葉。
「今までもずっと、そしてこれからもずっと。いつでも、どんな透子でも、愛してる」
そんな幸せな言葉を囁きながら、今までで一番優しく樹が微笑んでくれる。
やっぱり私はこの人じゃなきゃダメだ。
この人がこんなにも愛しくてたまらない。
「樹・・。私も愛してる」
誰よりも、どんな時も、ずっとあなただけを。
「知ってる」
そしてまた樹は優しく愛しく微笑んで、私に極上に甘い口づけをくれた。
こんなにもどうしようもなく愛しくて仕方のない人。
こんなにも想いが溢れて私はどうなってしまうんだろう。
こんなにも幸せで私はどうなってしまうんだろう。
こんなにも私を夢中にさせる愛しくて大切な人。
ずっとずっとこの想いを受け止め続けていて。
ずっとずっとその想いを私も受け止め続けるから。
きっとずっとこの愛しさは止まらないから。
きっとずっとあなたを愛し続けるから。
そして顔を見合わせて樹と微笑み合う。
「透子。なんで泣いてんの!?」
「だって、幸せすぎて、なんか気付いたら」
あまりにも嬉しくて、あまりにも幸せで。
気付いたら涙が流れていた。
あまりにも樹への想いが溢れすぎたから。
あまりにも今この瞬間が幸せすぎたから。
「これから結婚式なのに。綺麗なメイクが崩れちゃうよ?」
そう優しく笑いながら、私の涙を指で拭ってくれる樹。
「ホントは透子が愛しすぎて、このままどうにかしたいくらいだけど、さすがに今は我慢しとく」
「もう・・」
そんな冗談を言ってくれる樹に、つい笑って、涙も止まる。
「うん。大丈夫。そんな崩れてない。綺麗なままの透子」
そしてそんな私の顔を見て、大丈夫だと伝えてくれる。
「ホント?」
「透子はいつだって綺麗だよ」
「もう、そういうことじゃなくて」
「いや、ホント。大丈夫。そのままで」
「信じるよ?」
「オッケ。これから透子見せつける場所に行くんだから、大丈夫じゃなかったら、ちゃんと直してもらう」
「わかった。なら信じる」
「じゃあ、行こうか。皆が待ってる」
「うん」
抱き合っていたその身体を離し、今度は樹が私に片手を差し出してくれる。
そしてその手にそっと自分の手を重ねる。
優しく、だけど少し力強く、ギュッと握り返してくれるその手。
この大きな手を、この重ねた温かさを、きっとずっと忘れない。
この愛しい想いを絶対忘れない。
私の手を力強くしっかり握ってくれて、そして力強く引っ張っていってくれるその頼もしさに。
これからもずっとついていくだけ。
共にこんな風にどんな時でも手を取り合って。
お互いの愛しさをこれからも伝えていこう。
お互い助け合っていこう。
ずっとこうやって永遠にこの愛しさが続くように。
ずっとこうやって一緒に生きていけるように。
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