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次の日、授業が終わった後、俺たちはStar Life Instituteでそれぞれどのような研究をしていくのかを話し合うことになった。医学の道とは言ってもいろんな道がある。俺たちの夢のため、そして研究室の課題を解決するため、どのようにこの国での時間を過ごすか考えていた。「俺はやっぱり、星散病の治療薬の開発かな。」

「ヒロトは絶対そう言うと思ったぜ。」

ヒロトはもうすでに決まっていたことのように話していた。玲子さんが生きていた時から治療法についてずっと考え、美紀さんと話し込んでいたのを聞いたことがある。

「ごめんな、二人とも。俺はこの研究に専念したい。」

「いいよ。それはお前の悲願だろ。」

ヒロトはありがとうとうなずいた。

「じゃあ、俺は心理的、社会的に奇病を持つ人たちの支援ができないか研究してみるよ。」

「それならオリビアが専攻しているから一緒についていったらいい。」

「ありがとうございます、ジュリアンさん。」

そして視線は一気に俺の方へ集まる。

「コウタはどうする?」

「俺は……お前らがやらないことで大事なものがあるからそれをやる。」

「え?」

俺は一冊の本を手に取った。

「俺たち三人で病院を開業するんだろ?それなら経営方法や入院患者の食事管理、看護師への指示方法。この辺をやっておく。」

「コウタ……!」

まぁ、俺は昔から二人の前に出て先導するのではなく、裏でサポートするタイプだったから、こういう役回りは都合がいい。

「ありがとう!!」

「頼りにしているよ!」

ヒロトとアキラは俺に飛びついてきた。

「ちょ、苦しいって。」

キャサリンさんたちは俺たちのことをほほえましく見守っていた。

 次の日から俺たちは授業と並行しそれぞれの研究をしていくことになった。ヒロトは改めて星散病の原因、メカニズムを徹底的に調べ上げていた。それによりわかったことをここにまとめておく。

・星散病は遺伝性の疾患であり、特定の遺伝子の突然変異によって引き起こされる。親から子供に遺伝することが確認されている。

・生まれたときから頬に星形のほくろがあり、これは星散病の初期症状として知られている。

・特定の遺伝子は、体内の細胞が異常なタンパク質を産生する原因となる。この異常なタンパク質が星屑の生成を引き起こす。

・二十五歳に近づくにつれ、体内の特定の細胞が異常なタンパク質を大量に産生し始める。このタンパク質は、体内で星屑と呼ばれる結晶状の物質を形成する。

・星屑は細胞内に蓄積し、細胞の機能を阻害する。これにより、全身に様々な症状が現れる。

・体内で作られた星屑は、体外に排出されるために嘔吐や出血を引き起こす。これにより、患者は次第に衰弱していく。

・最終的に、星屑が体内に大量に蓄積されると、二十五歳の誕生日を迎えると同時に体がすべて星屑に変わり、はじけ飛ぶ。この現象は「星散」と呼ばれる。

以上七点だ。これらをふまえヒロトは異常なタンパク質の産生を抑える薬と、体内から効率的に星屑を排出する方法の研究を進めることになった。

ヒロトはStar Life Instituteの研究室で、星散病の原因解明と治療法の研究に没頭していた。彼の机には、玲子姉さんの写真と共に、研究資料や実験ノートが広げられている。日々の実験やデータ収集を通じて、少しずつ星散病の謎を解き明かしていく。

「先生、この細胞サンプルを見てください。星散病患者の細胞内で特定のタンパク質が異常に増えていることがわかりました。」

ヒロトはキャサリンさんに最新の研究結果を見せながら説明した。キャサリンさんはデータを確認しながら頷く。

「素晴らしい発見よ、ヒロト。このタンパク質が病気の原因になっている可能性が高いわね。次はこのタンパク質を抑制する方法を見つけなければならないわ。」

ヒロトは研究室の仲間たちと協力し、新しい治療法の開発に向けてさらに研究を進めていった。

まずは、タンパク質の異常を抑える薬剤の探索から始めることにした。彼は文献を調査し、既存の薬剤がどのような効果を持つのかを調べるため、多くの時間を費やした。

「この薬剤は細胞内のタンパク質の産生を抑えることが期待できるかもしれません。」

ヒロトは仲間たちに説明しながら、新しい薬剤の試験を行う準備を進めていた。

実験は慎重に進められた。ヒロトは細胞培養の技術を駆使し、異常なタンパク質を持つ細胞に薬剤を投与してその効果を観察した。数日後、結果が出た。

「先生、このデータを見てください。薬剤を投与した細胞で、異常なタンパク質の産生が減少しています。」

ヒロトは興奮気味にキャサリンさんに結果を報告した。

その後ヒロトはキャサリンさんに許可を取り、動物実験の準備に取り掛かった。動物実験はより多くの変数を考慮しなければならないため、実験デザインに細心の注意を払った。彼は動物に薬剤を投与し、その後の健康状態や異常なタンパク質の変化を観察した。

「結果が出ました。動物でも薬剤の効果が確認できました。」

ヒロトは仲間たちと共にデータを解析しながら、次のステップへと進んだ。

次に、ヒロトは薬剤の副作用や長期的な影響についても研究を進めた。彼は文献を調査し、過去の研究と比較することで安全性を確認しようとした。

「副作用についても慎重に調査していますが、今のところ重大な問題は見つかっていません。」

ヒロトはキャサリンさんに報告した。

「よくやったな、ヒロト。次は臨床試験の準備を進めよう。」

キャサリンさんは励ましの言葉を送った。

ヒロトは臨床試験に向けて、被験者の選定や試験デザイン、倫理委員会への申請など、多くの手続きを進めていった。彼の努力は少しずつ実を結び、星散病の治療法が現実のものとなりつつあった。

 アキラは心理学と社会福祉学の授業を受けながら、病気に苦しむ人々を支援するための研究を進めていた。彼はオリビアと共に地域のカウンセリングセンターを訪れ、患者との対話を通じて、心理的支援の方法を学んでいた。

「アキラ、このセンターでは多くの患者が孤立感や不安を抱えているの。彼らが心を開ける場を作ることが大切よ。」

オリビアはアキラに助言しながら、カウンセリングの実践を見守っていた。

アキラは患者との対話を通じて、彼らが抱える悩みや不安を理解し、共感を示すことを心がけていた。彼は優しい口調で患者に話しかけ、彼らの心を少しずつ開いていった。

「今日はどうでしたか?」

アキラはカウンセリングを終えた後、オリビアに質問した。

「とても良かったわ。患者さんたちがあなたを信頼して心を開いてくれるのが分かったわよ。」

オリビアは微笑んで答えた。

アキラはその後、地元のNPOと協力し、病気を抱える人々とその家族を対象としたワークショップを開催することにした。彼はワークショップの参加者たちと交流しながら、彼らが抱える問題やニーズを詳しく聞き出した。

「病気を抱える人々が孤立しないように、コミュニティを作ることが大切です。家族や友人とのつながりを強めることで、支援の輪が広がります。」

アキラはワークショップの参加者たちに語りかけた。

参加者たちはアキラの言葉に耳を傾け、彼の支援プログラムに期待を寄せていた。アキラは彼らのフィードバックを基に、プログラムを改良し、より多くの人々が支援を受けられるように工夫した。

「皆さんの意見を反映させて、より良いプログラムを作り上げましょう。」

アキラは参加者たちと共に、前向きな気持ちで支援活動を進めていった。

アキラは心理学と社会福祉学の研究を通じて、病気に苦しむ人々の心の支えとなる方法を模索し続けた。彼は自分の経験を生かして、多くの人々に希望と安心感を提供することを目指していた。

 俺は病院経営と栄養学を学び、将来的に病院を開業するための研究を進めていた。医療の質を向上させるため、効率的な経営方法と栄養管理の重要性を学んでいた。

まずは、病院経営の基本を学ぶため、大学で経営学の授業に出席していた。教授は医療機関の運営に関する理論や実践を教えてくれた。

実際に病院でのインターンシップに参加し、病院の各部門を見学し、医療スタッフとのインタビューを通じて、現場の課題や改善点を把握していった。

「病院の運営には多くのプロセスが関わっているんだ。診療から事務処理、さらには患者のケアまで、全てが連携している必要がある。」

俺はメモを取りながら、病院の経営者から学んだことをまとめていった。

インターシップに参加しながら栄養学についても知識を深めていった。この国の栄養学は素晴らしい。日本にも取り入れられることがある。さらにいろんな国の栄養学の文献をあさり俺は幅広い知識を身に着けていった。

ヒーローは夜空に散る

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