テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
3,208
ーーーーーーーーーーーー
『紅猫師』――それは先祖代々から受け継がれてきたお役目で、幽霊を退治する人のことを指す。
そして、その代々受け継がれてきたお役目を今、受け継いでいるのは、『べる』さんだ。
そして……………その ゛べるさんだけ ゛知らない事がある。
それは…………きっと教えない方がべるさんのためになるかも知れないことだ。
ーーーーーーーーーーーー
あふぇさんはひとまず、それだけ言って口を閉じた。
そして、少しまぶたを降ろす。
………………私にだけ秘密のこと、か。
それに、言わない方が私のためになるかも知れないこと?
どんな秘密を隠し持ってんの……っ。
それがもし、命を関わることだったら?
あふぇさんと瑠璃ちゃんが重荷をずっと抱えている状態だったら?
知りたい、知りたいよっ。
もっと『知りたい』と言う気持ちが強くなっていく。
そして私がうずうずしているうちに………あふぇさんがまた、まぶたを開け、口をゆっくり開いてくれた。
「お兄ちゃん……っ」
瑠璃ちゃんが服のシワをぎゅっと握りしめた。
「………こう、ねこ、し?????」
おどろくさんは、目を丸くして、頭をはてなにしているのだった。
ーーーーーーーーーーーー
秘密にしていたこと………それは……本当にあってはいけないことだった。
………仲間同士の紅猫師とそのパートナーが、ある意見のすれ違いで内戦を起こしたんだ。
火炎、魔法、土砂崩れ。
もう、何でもありの戦いだった。
(……………一応、補足をすると………紅猫師ってすごいスキルを持っていて、属性とかも色々で、強さとか弱さとかの力の差が激しいんだ。第二話でも言ったとおり、紅猫師って大体何か技が使えるんだよね。べるさんは例外だったけど。で、ちなみに僕たちとかのパートナーは運動神経が生まれつき大体良いから、格闘技とかで戦ってたらしい)
いつも、泣き声、叫び声、怒鳴り声。
ちまたでは地獄の戦いって呼ばれてるぐらいだ。
そして…………3年かけてその内戦が幕を閉じた。
だけど………やっぱり被害は大きかった。
ほとんど、動ける人は居なかったし、死んだ人の数も数えたくないぐらいだった。
それに、ずっと人々を仕切っていたものすごく強いスキルをもつ人間も………この世から去った。
そして、この内戦からほとんど紅猫師たち人間は勢力をなくし、紅猫師を受け継ぐ人間が少なくなってしまっていたんだ。
ーーーーーーーーーーーー
これが、僕たちが秘密にしていたすべてだよ。
と、あふぇさんはつぶやいた。
…………えっと……………私の先祖とあふぇさんの先祖が争いを起こしたってこと?
同じ、幽霊を退治するお仕事なのに?
………………払う人間が逆に払われる方になってどうすんの………っ?
私は、あふぇさんと瑠璃ちゃんの悲しそうな顔を見て拳をぎゅっと握りしめた。
………別に、言われなくても言われても、昔のことだから、私には関係のないことだし、あふぇさんが言ってた私には言わない方が私のためになるって言うやつは別にどうしたってこともないはずなのに………。
私たちの事に置き換えてしまって、胸が圧縮されるように痛む。
不意に、顔をうつむけてしまう。
もし、それが相方(パートナー)との絆を引き裂くものだったらって、考えるだけで怖い。
あふぇさんと……そんな感じに絆を引き裂かれたら…………私、多分、居ても立っても居られないと思う。
けど………それは、他の仲間を裏切る行為になるんでしょ?
………………言いたくなくて、聞きたくなかった理由が私にも、少し分かるかも知れない。
ごめんね、言わせちゃって………、って、私は心のなかで謝る。
けど………内心どこかで聞けてよかったって思ってしまっている。
二人で一つのパートナーなのに、重荷を一人で抱え込まないで…………って思ってしまっているんだ。
……………そして、そう思う理由がもう一つある。
それは…………………
「危ないっ!!!!!!!」
あふぇさんが突然私たちを守るように前に出てきた。
そして、あふぇさんは冷や汗がダラダラと出ているように見える。
そしたら、おどろくさんも私たちを守るようにして立つ。
瑠璃ちゃんは、2人の背中から何かを睨みつけている。
「へっ?な、何!?」
私は、何でそんなに慌てているのか分からなくて、左右を見回す。
そしたら…………………猩々緋色の目をした、おどろくさんと目が合ったのだった。
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!