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ガラガラガラ…
先「ほらー席につけー1限始めるぞー」
進藤先生が教室に入ってくるなり、私たちに声をかける。
今日も爽やかだね、先生。
みんなはそれぞれ解散して椅子の音を立てて席につく。
先「まず1限だが、宿泊学習のしおりを配る。それを確認したら2限からは緑風館に集合だ」
緑風館。
それは特別教室より広く、体育館より狭い場所。
ここは保護者説明会や、学年総会などに使われるくらいの広さ。
1学年が集まってちょうどいいくらいの広さだ。
先「じゃあまず席移動していいから班ごとにわかれろー」
先生の言葉で夕海と樋口さんがこちらに寄ってくる。
私たちは机を動かし、班を作った。
蒼くんと雪くん、大丈夫かな…。
ちらっと双子を見てみる。
雪「夕海ちゃん、こっちの席に座ってね」
雪くんが蒼くんの前の席を指す。
蒼「じゃ、樋口さんはそっちで」
私の目の前に樋口さんが座った。
蒼くんの声は私に向けられたものと違って、冷たかった。
楓「ありがとう。ここ失礼しますね」
2人とも学校では普通に振る舞っている。
私が挙動不審にならないようにしなきゃ。
夕海の目も心配そうに双子を見つめていた。
蒼「凛、おきろ」
凛「ん…」
蒼くんが涼風くんの肩に手を置く。
涼風くんは眠そうな目をこすり、しぶしぶ机を動かしてくっつける。
隣は夕海だが、あまり気にしていないようだ。
これが無関心ってやつですか。
楓「はい、じゃあみなさんこれどうぞ..」
しおりが班長の樋口さんからみんなに配られる。
樋口さんは班長で先生に呼ばれ、
私と隣の席の蒼くんはしおりを見てあーだこーだ話していて。
雪くんと斜め前の夕海は2人でしおりも開かず楽しそうに喋っている。
涼風くんはしおりそっちのけで寝の態勢。
しおりが雪くんの机にまではみ出してますよ、涼風さん。
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