彼の顔には眉間にシワがよっていて俺を睨みつけた。
ーー千冬「彼に俺の自殺を手伝ってもらっていたんです。」
俺は何事もなく微笑んだ。微笑みたくて微笑んだんじゃない。口角が勝手に上がってしまうんだ。
感情は笑っていなくとも。
ーー三ツ谷「何考えてんだよ!!お前は生きれたのに!!!」
「なんで自殺なんか(((」
ーー千冬「違うよ。三ツ谷くん。」
ーー三ツ谷「…お前の会話、全部聞いてた。」
「全部、そう、全部だ!!!」
「自分を売ってでも死にたいのか??」
「いじめてきた憎らしいやつに!!!」
ーー千冬「死んだらもう何も関係ないじゃないですか。」
「それとも、三ツ谷くん自身が欲しいんですか?」
「良ければあげますよ。」
「それですっげぇファッションショーとかやっちゃったりして(((」
彼は俺を殴った。でも、痛みは感じなかった。
何も、感じなかったんだ。痛みでさえ感じることが出来なくなった。
ーー三ツ谷「ふざけるのも大概にしろ!!泣」
「お前はさっきから何を言ってるんだ!?泣」
「自分の命をなんだと思ってるんだ!!泣」
ーー千冬「……ごみですよ。」
ーー三ツ谷「は、?泣」
ーー千冬「自分の命はごみですよ。」
「結局俺が死んだところでこの世界が変わることは無い。」
「この世界に、なんにも関係の無いんです。」
「俺たちは未来の材料なんですから、こんなに沢山生命体がいるんです。」
「なんなら今ロボットとかもいて、人間がいる意味もなくなってきてて、」
「1つくらい居なくなっても誰も何も思いませんよ。」
ーー三ツ谷「俺は変わる!!みんな変わる!!!泣」
「みんなお前がいなくなったら悲しい!!辛い!!泣」
「お前がいなくなったら、生きてる気力がしない、泣」
ーー千冬「それはほんの一瞬だけですよ。」
「乗り越えればきっと変われます。」
「ほんの少しの間だけですよ。」
ーー三ツ谷「俺はずっと辛い、、、泣」
「俺は!!!ずっと、!!苦しい!!泣」
「たしかに死んだら楽になれるかもしれない。泣」
「でも、取り残された人の気持ちを少しでも考えたことはあるか?泣」
「取り残された人の気持ちなんて、分かるわけない。泣」
ーー千冬「………。」
ーー三ツ谷「………生きてて欲しいんだ、泣」
ーー千冬「綺麗事ばっか、笑」
「笑っちゃいますね、笑」
「どうせ誰も気が付きませんよ。笑泣」
ーー三ツ谷「本当は辛いくせに、」
「本当は助けて欲しいくせに!!泣」
「下手くそな嘘つくんじゃねぇよ!!泣」
ーー千冬「……泣」
「助けて欲しいと願ったところで何が変わりますか?w泣」
「何も変わらなかった、泣」
「死んだ方がマシ、泣」
ーー三ツ谷「命がどれほど愛おしい物か、泣」
「命は、愛おしいものなんだ。儚いものなんだ。泣」
ーー千冬「じゃぁ、それが綺麗に散って行ったら、感動しますね。泣」
「でも俺は綺麗になれない。泣」
「笑って、泣いて、死ぬ。それしか出来ない。泣」
「そこまでして俺を止める理由は何、?泣」
ーー三ツ谷「みんなお前のことが大好きだからだよ、泣」
「死んだらもう出会えない。泣」
「笑えない。笑い会うことが出来ない。」
「もう、二度と、、話すことが出来ない。」
「もう二度と、大好きだった笑顔が、見ることが出来ない。」
ーー千冬「……泣」
ーー三ツ谷「写真の中のお前は笑ってるのに、死んだお前は笑っていない。」
「今のお前は笑ってない。泣」
「生きてて欲しかった、泣」
そう俺を抱きしめた。またゼロからやり直そう。そう彼は囁いた。
ーー千冬「……泣」
ーー三ツ谷「愛してるよ。本当に。泣」
ーー千冬「ッッ、、泣」
もう信じないと決めた「愛してるよ」その言葉にまた期待してしまうから、もうやめてよ。言わないでよ。
もう俺に、愛を上げないで、もうこれ以上、
愛を俺に注がないで。
変に期待してしまうから。変に愛にそがってしまうから。
愛があるだけでこんなにも苦しいなんて、
1人よりも2人以上の方が辛いなんて俺は知らなかったよ。
孤独が幸せだと思ってた。でも違ったんだ。
孤独を俺は知ったように思っていて、本当は愛に縋って、愛に甘えていただけなんだ。
それの中の1人を選んで、勝手に孤独を感じていたんだ。
馬鹿だよ。俺は。どうしようもない馬鹿だ。
ーー千冬「……泣」
涙が止まることは無かった。
ーー三ツ谷「千冬。俺は、お前に謝りにここまで走ってきたんだ。泣」
ーー千冬「、、?泣」
ーー三ツ谷「1人にしてごめん、辛い思いさせてごめん。俺は、本当は、」
ーー千冬「え、?泣」
ーー三ツ谷「あいつらに盗聴器を渡したのは俺だった。泣」
「何に使うか分からないけど、盗聴器があったらくれと訴える生徒に渡したんだ。泣」
「部活で使うとか言っていたから騙されて渡したんだ。泣」
「俺だった、ごめん。。泣」
「許されることじゃない。泣」
「分かってる。本当に、ごめん、許されなくてもいい、、泣」
「ただ、謝らせてく((」
俺は泣きながら頭をぺこぺことさげ謝り続ける彼の頭を撫でた。ゆっくりだけど、撫でた。
すごく失礼なことなのかもしれない。それでも彼を撫で続けた。
撫でたとき、三ツ谷くんは目を見開いて俺を見つめた。
ーー三ツ谷「ち、ふゆ、、泣」
ーー千冬「もういいですよ。裏切られたなんて思わない。」
「それは、裏切ったわけじゃない。」
「人助けをしただけ。」
「誰もあなたを恨んだり呪ったりなんてしませんよ。」
「そこまで謝らなくたって、誰もあなたを憎んだりしませんよ。」
「 俺 は 許 し ま す か ら 。」
ーー三ツ谷「っ、、グスッ、うわあぁぁぁぁぁぁぁ、泣」
彼は声を上げて泣いた。そんな彼の姿を見たのは初めてで、少し驚いたけど、やっぱり、同じ男の子で、
同じ中学生で、ちゃんとした餓鬼なんだ。
俺と同じ、餓鬼なんだ。ちゃんとみんな、弱い男の子なんだ。
俺は彼の手を引き抱きしめた。彼は泣き続けてしばらくすると眠ってしまったみたいだ。
コメント
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千冬の心は綺麗よぉぉ!!というか全部!!髪の毛も目も性格もあ、あとそれと((