テラーノベル
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pnside: rd「 」 pn『 』
『〜〜♪』
「ぺいんと〜〜?」
『ん?』
「こっちおいで」
『うん いいけど…?』
ぎゅ ッ ヾ
『へッ? なになに…?!』
「かわいいよ」
「ちょっと話したい事があって」
『なに…?』
「______________….、」
『…』
「ごめん変なこと言って」
『ううん 話してくれてありがとう』
「…コーヒー淹れるよ」
『ほんと?ありがとう』
彼が言ったことはまさか彼の口から出るとは思えないような言葉で一瞬時が止まったようにすら感じた。
俺は結局その場で返事をすることが出来なかった。
きっと彼なりの考えでしばらくの間抱えていたことなのだろう。
rdside
「ぺいんと〜〜」
『ん〜?』
「体調どう?」
『大丈夫だけど…?』
「今からちょっとドライブ行かない?」
「ドライブデート…的なね?」
『え!! いいね 楽しそう!!』
『すぐ準備するね!!』
「うん」
最近は寝不足が続いている。
撮影、デート、記念日の事しか書かれていなかったカレンダーにはいつの日か病院という言葉が増えていてそれを見る度に俺の心は締め付けられる。
俺は彼女のいなくなった後の生活を想像出来なかった。
もちろん想像したくないけれど余命宣告されてしまっている以上それを俺らが覆すなんて無理に等しいこと。
だから俺は彼女に相談した。
「ぺいんとの宣告されてる頃に心中したい」
一緒に死んでしまえば…なんて最低な事を考えでそれを彼女に言ってしまったのだ。
彼女はどんな気持ちで俺の話を聞いていたのだろう。
『らっだぁ?』
「あぁ ごめんごめん、 行こっか」
『ドライブとか楽しみ〜〜!!』
「…そうだね」
pnside
心中
らっだぁの言い分としては、どうせ死ぬのなら最期はぺいんとが一緒にいて欲しい。
ということだった。
俺が死んだ後で自分は生きていける気がしないのだと。
俺はらっだぁに生きていてほしいと思っていた。
もちろん心中したいという意見も俺が逆の立場なら考えていたことなんじゃないかとは思うけれど彼の命を俺が無くしてしまってはいけないというのが俺の答え。
きっとらっだぁは納得してくれない。
「そっか、わかった」なんて言って終わらせるんだろうけど内心ずっと彼の中で渦が巻かれたままになると思う。
だから俺は________することにした。
らっだぁはこんなこと承知してくれるはずがない。
でも俺はどのみち半年の間に死ぬ。
最期くらいこの大きな我儘を聞いて欲しい。
彼の匂いが充満する車内で俺は夜景を眺めた。
『今朝の話….なんだけどさ』
「…あぁ うん」
『いいよ』
「…えッ?」
『心中しよう』
「いいの?」
『うん』
『らっだぁがそうしたいんでしょ?』
「それは…うん」
『らっだぁがいいならいいよ』
「本当に?」
『俺だって最期はらっだぁに見られて死んでいきたいって言ったじゃん?』
「うん…そう言ってくれたね」
『らっだぁも同じ気持ちで心中したいって言ってくれたんじゃないの?』
「そうだよ。最期はぺいんとと居たい」
『…ありがとう』
らっだぁの声は震えていて嘘をついてしまったことに申し訳なく感じた。
けどお互いの幸せの為にはこうするしか無かった。
こんな恋人じゃお墓参り来てくれないかな、
でもらっだぁには幸せでいて欲しい。
らっだぁに余命宣告されたことを打ち明けたばかりの頃は不安な気持ちでいっぱいだったけれど今はそんなことない。
あれからしばらく経って、自分がどうしたいか考える余裕ができた。
きっと俺自身もあまり自分の命に執着していなかったんじゃないかなと思う。
小説だったら心中はメリーバッドエンドという部類に分けられるのだろうか。
俺はハッピーエンドが好きだし俺らもハッピーエンドで終わりたかった。
おじいちゃんになるまで2人でいたかったけど。
…今日はもうこれ以上考えるのはやめよう。
『…見て!! 綺麗だね』
「ほんとだ めっちゃ綺麗」
『俺らの好きな色だね 笑ヾ』
横浜の夜景はいつ見てもきらきらしていた。
その後も1時間くらい都内をぐるりとしてから帰宅して俺らはいくつかの会話を交わして眠りについた。
𝙉𝙚𝙭𝙩 ︎ ⇝ ♡1000
コメント
1件
余命宣告されてからのこの期間がなんかじわじわと迫ってくる感じがもうすでバドエンなんだが😭😭😭一体全体どんな我儘を考えたのちゃん😭😭😭