*展開早め
「お揃いのブレスレットでも作るのは、どう!?!?」
シェリーは大きく息を吐いて興奮気味に話した。
「…お揃いのブレスレット…?」
「普通になんかあげるよりさ!お揃いのやつあげる方がよくない!?!?」
「…なかなかいいんじゃない。どんなブレスレットを作るかにもよるけど。」
ヴィーはシェリーに視線をずらした。
「それはね〜えっへん!こういうのとか!どう!?!?」
シェリーは近くにあった紙に何かを書いて自信まんまんに俺らに見せた。
そこには、ハート型のデザインに亀裂が入っていて、二つに別れられるブレスレットが記されていた。
「…え?これは…あの…ちょっと…」
俺が口ごもると、シェリーは首を傾げてまた紙を見た。
「えー、すっごくいいと思うんだけど」
「ハートが割れているのが縁起悪いし、ハートなんて使ってしまったら好きってバレてしまうわ。まだ告白の段階でもないし、却下。」
ヴィーが冷たく言い放つとシェリーが口をあんぐり開けて、怒って頬を膨らませた。
「えー!!いい案だと思ったのにー!!ヴィーひどおおおおい!!!」
シェリーが不機嫌に叫ぶ。
確かにヴィーに意見に賛成だったから、少しだけ感謝した。
「そう言うヴィーはいい案あるの〜!?!? 」
シェリーがジタバタ暴れ出してしまってキリがない。
シェリーを落ち着かせないと、と考えついたところで、アストロが控えめに話し出す。
「確かにシェリーの案はいいね。でも、形を変えたら、もっといいかも。」
そう言ったアストロは紙にスラスラ書き始めた。
「ほら見て、クッキー型。これでコスモと半分こできるよね。」
おお、とその場で歓声が上がった。
やっぱりこのチームにはアストロが必要不可欠だ、とおもいしらされる。
「じゃあ、さっそく作ってみよ〜う!!!」
「え、そんな急に!?」
シェリーは上機嫌でせっせと用意しだす。
「そんなこと言ったって、材料は!?!?」
「紐で繋げるビーズはあるし、大丈夫大丈夫!!!!」
あまりにも計画性というものがかけている。
「今じゃなかったらいつやるつもり?ベリーボーイ。あなたは勇気も行動力も足りない。」
くす、と馬鹿にするように笑ったヴィーに イライラする。
「…俺は勇気があるって証明できる…」
そう言ってシェリーが集めたビーズに手を伸ばした。
「オッケー。こっちはクッキーの部分を作るから、コスモに合うようにビーズを選んでて。」
そう言ってアストロはほほえむけど、これは俺が作ったって言っていいのだろうか…。
「そういえばさ、スプラウトはコスモのどう言うところに惹かれたの?」
「え”っ」
コスモのビーズを選んでいる時にシェリーに聞かれる。
「いやあ、好きなのは知ってるけど、気になって!こう言う話、大好きで!!!」
シェリーは目をキラキラ輝かせた。
「……………秘密…」
「ここまでしてあげているのに、簡単な問いにすら答えられないの?」
ヴィーがしかめっつらでこっちを見る。
それはそうだ、この言動が無責任とはわかってるけど…。
「…やっぱり、弱虫」
「言う!!言うから!!ごめんって!」
こうなればやけくそだ。
「…小さくて可愛くて…いつも俺のこと気にかけてくれたり…頬に手を置いて笑う笑顔がほんと好きで……っ」
自分で言ってて恥ずかしくなってきた。
「ほんとにコスモにぞっこんだね」
「うっ、うるさい…!/// 」
まさにぞっこんだ。図星で恥ずかしくなった。
「…前、一緒に厨房にいたとき、俺が足滑らして転びそうになったんだけど…コスモが咄嗟に俺を庇おうとして一緒に倒れちゃって…俺が慌ててごめんって謝ったらコスモは笑顔で大丈夫だよ、スプラウト怪我はない?って俺を心配して くれて…そのときのコスモの甘い香りが忘れられなくて…。あと、それと… 」
話し出したらもう止まらなくて、はっとした。
「ご、ごめん…聞かなかったことに…」
「えーーーー!!!なにそれ!!胸きゅんきゅんしちゃうね!!!!二人にそんなことがあったなんて!!!」
「割と着眼点が気持ち悪いわね… 」
「あーーーもうっ!!忘れてくれ!!!」
「忘れるわけないじゃん!!!こんな胸きゅんエピソード!!!」
「胸きゅんエピソードじゃないから!!!」
がやがや言い合っている間に本命のブレスレットは完成した。
俺には赤を基調としたビーズで、コスモは茶色。
喜んでくれるかな…なんて女々しいことを思った。
「じゃあこれは二人デートの帰りに渡すってこと?」
「そうね。もう時間もないし、デートについては後日話し合いましょう。」
「じゃあまた〜」
「またね〜」
バタン、とドアが閉まってさっきとは大きく違う静かな空間になってから俺は大きくため息をついた。
告白…いずれするのかな…。
コスモと結ばれたいとか言っておきながら、告白するのは信じられないほど恐ろしかった。
コスモが俺のことを友達としか思っていないなら、告白されたときすごく不快にさせてしまう。
だっていままであなたをそう言う目で見てましたって言っているようなものだから!
でも俺は本当にコスモのことが好きだし、なんならだれよりも幸せにできる自信がある。
付き合えたら、の話だけど。
俺は心にもやもやを残しながら、眠りについた。
コメント
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更新待ってました〜っ!!!!! スプラウトが可愛すぎてもうっ!!なんというか!!大好きです!!😫🫶💗