テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
[エピローグ:僕らの新しい物語]
涼架side
文化祭が終わり、季節はゆっくりと秋へと移り変わっていた。
あれから、私の日常は大きく変わった
いじめグループは、若井にみんなの前で恥をかかされたこと、そして涼架が毅然と言い返したことに加え、クラスメイト達も若井の行動を目の当たりにしたことで、もう二度と彼女に手を出さなくなった。
私は、無理に笑う必要もなく、誰かに怯えることもなく、心から安心して学校生活を送れるようになっていた
昼休み、私は若井君の手を握り二人で音楽室へと向かっていた
若井君は、新しいギターを手に入れていた
壊されたギターと全く同じモデルだ
私が『どうして弁償させてくれなかったの?』
と聞くと、彼は『あれは涼架が俺を救うためにくれたお金だろ?それ使ったら、俺は君の居場所作ってやれない』と笑った
彼の優しさは、いつも私の想像を遥かに超えていた
「この曲、聴いてくれる?」
若井君は、そう言うと新しいギターを抱え、私の前に座った
彼が奏で始めたのは、軽やかで優しいメロディだった
それは、かつて若井が涼架の偽りの笑顔の裏にある悲しみを表現した曲とは全く違う、温かくて希望に満ちた曲だった。
「これは…?」
私が尋ねると、若井君は照れくさそうに笑った
「君と俺の新しい物語のテーマソング。
タイトルは…『シンデレラはいらない』」
彼の言葉に、私は心からの笑顔を見せた。
もう、私はガラスの靴に縛られる必要はなかった
誰かにいじめられ、ただ耐えるだけの
シンデレラは、もういらない。
若井君という王子様が、私の物語を書き換えてくれたからだ
若井がギターを弾き終えると、涼架は彼のそばにそっと寄り添い、彼の肩に頭を預けた。
「ねぇ、若井くん」
「ん?」
「私…若井君が隣にいてくれるなら、もう怖いものなんてないよ」
涼架の言葉に、若井は彼女の頭を優しく撫で、愛おしそうに微笑んだ。
「当たり前だろ。君の居場所は、俺なんだから」
窓から差し込む秋の柔らかい光が、ギターを抱えた若井と彼の隣で幸せそうに微笑む涼架を優しく照らしていた。
二人の物語は、今、始まったばかりだった。
ここまで、読んでいただきありがとうございました♪
コメント
5件
このお話大好きなんですよ(*´▽`*) また 最初から読み返します💛💙
いやこの物語ほんとに大好きです😫💕 りょつぱが付き合うのかな、? とか思ってたけど2人仲良くほっこり 終わっててめっちゃ好きです🫶🏻💕 これからも何十回何百回読み返します!
いやぁ〜、付き合ったらなぁ、なんちゃってw(すいませんでした)