テラーノベル
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「やっぱ、寝れないな…」
熱があるからといって、すぐに寝れるわけがない。
保科がいたら、すぐに眠れるだろうか
「…呼んだら、来てくれるのか、?」
「そんな訳、ないか、笑」
保科もそんなに暇じゃない。
少しでも看病をしてくれたんだ。感謝すべきだ。なんなら、色んなものを置いていってくれたんだ。…尚更、こんなこと思うもんじゃない…
「でも、ボクは今…病人だし、」
もしかしたら、もしかしたら、ここまで運んで貰って、さらになんて、おこがましすぎるけど、でも、もしかしたら、少しだけ。
「少しだけ…、罪悪感があったりしないかな、…」
罪悪感…何に、対して?
早く治せと言ったことか。
はは、自分で言っといて、意味わからないな、まぁでも、もしかしたら
早く治せって言った身からしたら、罪悪感を感じるのかもしれない。
罪悪感でも、申し訳なさでも、なんでもいい、ボクのことを少しでも思っているのなら、
「…、嬉しい…な。」
あぁ、ボクはとんだ勘違い男だ、
保科がボクのことを想っているはずないのに…
「はは、惨めで、最低だ、笑」
罪悪感で、ボクに会いに来てくれるなら、それほど嬉しいことはない…
「あーあ、来てくれるわけもないのに、馬鹿だなぁ、笑」
しかも、来たら来たで、緊張して眠れる気がしない。
「我儘だな…、ボク。」
「…眠れないし、なにか、しようか」
なにをすればいい?
ゲーム、だめだ。頭が痛くてできたもんじゃない。
…掃除?
いや、仮にも病人だぞ。出来るわけ…
「いつも、なにしてたかな…」
休日、平日。どこを思い出しても、頭を最初によぎるのは、保科の顔…
あぁ、わかった。
いつも保科と話してたんだ。
ボクから絡みに行って、口論になって、そして結局決着はつかずに次回に持ち越しになるんだ。
それが凄く楽しくて、心地よくて。
ずっとその時間が続けばいいと思う。
相手は、保科は、きっとボクのこと嫌いだろう。それくらい、ボクにだってわかる、こんなやつ、誰も好きにならないだろ。
「…、あいたいな、泣」
𝙉𝙚𝙭𝙩 ︎ ⇝♡500
コメント
2件
見るの遅くなっちゃったけど今回も最高でした。次回も楽しみにしてます!