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怪盗パロ

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怪盗パロ

1 - 盗まれたものは?

♥

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2023年04月04日

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彰冬の怪盗パロです!

怪盗彰人×財閥の息子冬弥














(冬弥side)




“今夜0時、青薔薇のダイヤモンドをいただきに参ります。    怪盗 シノノメ”




そんな予告状が届いたのは今日の朝のこと。玄関に置いてあったのを使用人が見つけてから、家は大騒ぎだった。

青薔薇のダイヤモンドは青柳財閥に代々伝わる宝だ。青薔薇の形をしたダイヤモンドは、本物の青薔薇を超える美しさを持っている。

そんな大切なものがあの有名な怪盗シノノメに盗まれようとしている…大騒ぎするのが当然だ。

でも俺は違った。正直、そんなものはどうでもいい。俺はこの家が嫌いだった。毎日毎日ピアノのレッスン。同年代の友達と遊ぶこともできない。言うことが聞けなければ暴言を吐かれる…。こんな生活もううんざりだ。

誰でもいい、この生活から連れ出してくれる人はいないんだろうか…なんてな、どうせそんなやつは現れない。俺は一生、この生活を続けるんだ…。








(彰人side)

ウチは代々怪盗の家系だ。たぶん誰もが1度は聞いたことがあるぐらい名は知られてる。親父は画家として活動するために引退。今はオレが怪盗シノノメとして盗みを働いている。

そして、今回の獲物はあの青柳財閥の家宝「青薔薇のダイヤモンド」だ。本物の青薔薇のよりも遥かに超える美しさらしい。そんなもの狙わざるをえない。決行は2時間後。よし、もう一度プランの確認をしておこう。




〜23時45分〜

青柳家に侵入成功。やはり見張りが多い、だが…

🥞「舐めてもらっちゃ困るな」

モブ「うわっ……!」

🥞「悪ぃな笑」

見張りの服を奪い着替え、顔も変える。

🥞「すみません。少しお手洗いに行ってきます。ここは任せます」

モブ「了解だ。早く帰ってこいよ。」

🥞「はい、失礼します。」

そして青薔薇のダイヤモンドがあると言われる部屋の前に立つ。

🥞(思ったより簡単に盗れそうだな)

ギギギ…と音をたてて扉が開く。

🥞「……!」

青薔薇のダイヤモンドは想像を遥かに超える美しさだった。ドアを開けて部屋の中に入らずともわかる輝きがそれを物語っていた。

🥞「じゃ、いただくか……!」

☕️「…そこにいるのは誰だ」

🥞「っ…?!」

今までそこに人がいることに気がつかなかった。青薔薇のダイヤモンドを前にして、つい気が抜けてしまっていたのか…?

🥞(くそ…ここまできたっつうのに…)

☕️「もしかして、怪盗か…?それなら、持って行っていいぞ。」

🥞「…はっ?!」

☕️「俺はそんなものに興味はないからな。好きにしてくれて構わない。」

🥞「…なんかの罠か?」

☕️「違う」

🥞(本当か…?)

すると、先程まで雲で遮られていた満月の光が窓から差し込み、その男の顔を照らした。

🥞「…っ!!」

その男はまさに美しいと言わざるを得ない顔立ちだった。切れ長で灰色の目、左目の下の泣きぼくろは、そいつの色気をより際立たせている。

🥞「へぇ…」こりゃあいい発見をした、と思った。こんなに美しい青年は、世界のどこを探してもいない。

🥞「……丁度いいや、」

☕️「…?」

🥞「プラン変更だ。お前、名前は?」

☕️「え…あ…冬弥、だ。」

🥞「冬弥、か。いい名前だ。じゃあ冬弥、お前を今から連れて行く。」

☕️「え、?」

🥞「青薔薇のダイヤモンドより、お前の方がよっぽどいい。」







(冬弥side)

🥞「青薔薇のダイヤモンドより、お前の方がよっぽどいい。」

そう言って怪盗は、俺を抱き上げる。窓を開けると、美しい満月が見えた。

☕️「え、あ、待っ…」

そしてそのまま、窓から飛び降りた。

☕️「っ…」

思わず目を瞑る。俺は高いところが苦手だった。

🥞「お前、高いところ苦手なのか?」

☕️「あ、ああ…」

🥞「ふーん… じゃ、オレの顔見とけよ。」

恐る恐る目を開けてみる。するとそこには、先程までは見ることのできなかった怪盗の顔が、月明かりに照らされていた。そいつは美形で、蜂蜜のような黄金色をした目は、見ていると惹きつけられる。

☕️「…怪盗は、本当になんでも盗んでしまうんだな…」

🥞「まあ、そうだな。」

☕️「…どうやら、俺の心も盗まれてしまったみたいだ。」

🥞「それは……お互い様だろ」

☕️「え、?」

🥞「あーやっぱなんでもねぇ」



おわり

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