コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
翌朝、彼は目が覚めると同時に尿意を感じた。ぼんやりとした頭でベッドから起き上がり、身体を伸ばしながらバスルームへ向かう。部屋の静けさに、昨夜の不安や緊張が少しだけ和らいでいることを感じた。
バスルームのドアを開け、トイレの前に立った彼は一瞬ためらった。自分の身体が女性のものであることを思い出し、以前のように立って用を足すことができないことに気づいた。ため息をつきながら、彼は便座に座って用を足した。
「くそ…こんなことにまで気を使わなきゃならないなんて…」
小声で呟きながら、彼はトイレを済ませるとシャワーを浴びる準備を始めた。服を脱ぎ捨て、シャワーのスイッチをひねると、温かい水が彼の体を包み込んだ。彼は目を閉じて、しばしの間、ただ水の感触を感じながら立っていた。
ふと目を開けると、彼の目の前には鏡があり、そこには女性の裸体が映し出されていた。彼はじっとその姿を見つめた。女性らしい曲線、膨らんだ胸、細いウエスト。自分の手で胸を触れると、柔らかな感触が指に伝わってくる。
「本当に…俺の体なんだよな、これが…」
彼は心の中で自問した。シャワーを浴びながら、自分の身体を改めて確認する。胸のふくらみを撫で、腰のくびれをなぞる。そのたびに、今の自分が女性の身体であることを痛感する。
シャワーを終えて体を拭き、バスルームのクローゼットから下着を取り出した。レースのついたブラジャーとパンティが手に取られる。彼はそれをじっと見つめ、一瞬ためらった。こんなものを身に着けることに抵抗を感じていたが、他に選択肢がないこともわかっていた。
「仕方ない…」
彼は覚悟を決めて、まずブラジャーを手に取った。肩にストラップをかけ、胸をカップに収める。手の動きはぎこちなく、背中のホックを留めるのにも手間取った。ようやく着け終えたブラジャーは、彼の胸をしっかりと支えていたが、その感覚は違和感でいっぱいだった。
「これが普通になるって、考えたくもないな…」
次に、パンティを履く。滑らかな生地が肌に触れ、彼は小さく震えた。女性用の下着を身に着けることに、未だに抵抗を感じる。それでも、これが今の自分の現実なのだと、彼は自分に言い聞かせた。
下着を着け終えると、彼は鏡の前に立った。女性の身体に女性の下着をまとった自分が映っている。どこからどう見ても、そこには一人の女性が立っていた。彼は深呼吸をし、心の中の葛藤を押し殺そうと努めた。
「次のミッションに備えないと…」
彼はそう言い聞かせて、自分を奮い立たせた。次の試練を乗り越えるためには、この身体の違和感に少しでも慣れておく必要がある。彼は新たに服を選び、少しでも落ち着けるようにとTシャツとジーンズを手に取った。
服を着終えると、彼はもう一度鏡を見つめた。心の中には依然として女性の身体であることへの抵抗感が残っていたが、今は前に進むしかない。次のミッションがどんな内容であれ、それを乗り越えて元の体に戻るために、彼は心を決めた。