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〇〇「アラスター・・・八つ当たりするなら、相手を間違えてるんじゃない?」
アラスター「間違ってなどいませんよ。簡単に乗ってくれて、気晴らしにはもってこいです」
私たちのピリついた雰囲気を悟ってか、視界の端で”始まった始まった”とみんながロビーを出て行くのが見えた。
私たちがこんな風に軽口を叩き合い、小競り合いに発展するのはそう珍しくなかった。
私が得物である二丁拳銃を呼び出して構えると、アラスターもにやりと大きく笑って臨戦態勢に入る。
ほんの小競り合いでも、相手がアラスターともなればビリビリと空気が緊張する。
お互いがいっそう笑みを深めたその一瞬の後、戦闘開始だと互いが間合いに踏み込んだ。
アラスター「・・・先程までよりホテルの損傷は激しいようですが?」
〇〇「そっちがふっかけてきたくせに・・・いいでしょ、直すのは私なんだから」
互いの気が済むまで大立ち回りをした結果、
壁の穴はいくつか増えてカーテンは裂け、事態は完全に悪化した。
ぶつぶつと文句を言いながらホテル中を直す私と、隣に立って軽口を叩くアラスター。
これも、いつも通りの光景だった。
アラスター「それにしてもまた、かなり腕を上げられたようですねぇ」
アラスター「戦い甲斐があって、非常に喜ばしい限りです」
〇〇「よく言うよ・・・ちっとも本気出してないくせに」
アラスター「さぁ?どうでしょうねぇ・・・にゃははは!」
この地獄中を恐怖に陥れた、ラジオデーモンと呼ばれるこの上級悪魔。
ただの小競り合いとはいっても、一度も彼を下せた事なんてなかった。
何度も何度もこんな風に戦ってきたというのに、ただの一度もだ。
アラスター「誇れば良いのですよ。この私と戦って、死なずにいられるだけの力があるのですから」
アラスター「初めてお会いしたときにも、そう言ったでしょう?」
〇〇「・・・ふふ、そうだったかもね」
思えば、こんな風にホテルに馴染んでアラスターと話すようになってからもう長い。
彼の台詞を聞いて、ふとここに来る前の暮らしが脳裏をよぎった。