テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
#赤水
ゴリちゃま
2,204
16
向日葵@活動再開
21
40
目を覚ました頃には人数が減っていた、きっと眠っている間に敵が自陣に仕掛けた地雷で死んだのだろう、勝手に動くからこうなるんだ。
「すまなかった、自分が隊長であるという自覚を持たないといけないのに」
「……」
「罠のあった付近には近づくなよ、生き残るだけでいいんだ」
新兵はまだ誰かが死んだことも罠にかかったことすらも言っていないのに理解されたことに驚いていた。
「あんたが起きてさえいれば仲間はな」
「こんなことで死ぬくらいなら兵士に向いてなかっただけだ、一般人と大差なかったんだろ」
太陽が落ちた夜のような静かさを纏う、ここに来て1日で死んでしまった兵士は運も実力もなかったのだから一般人と変わりないじゃないか、そう言ったのだが集団で生き続けた皆はこの発言を間違っていると思わなければいけない、そう思い批判した。
「そんな言い方ないだろ!戦争なんだから仕方のないことだ」
「どう塗り替えようが死んだ奴らは番号だけの名を残して、誰にも記憶されず死んだ、ここにいるお前達は死んだ四人の顔すらも覚えていないだろう」
今から見に行こうが顔はぐちゃぐちゃだ、戦争で死んだ人間は何も残せず忘れ去られていく、誰かの記憶に残ることもなくだ。
「そ、それは問題じゃない!監督責任はあんたにある!」
「監督責任だ?死地にいるんだ、責任権力立場の何もかもを意識して動いてたらすぐ死ぬぞ、抗うこともできずにな」
この男は仲間を失う瞬間、前の隊長の指示ミスに気づきたった一人で逃げ出し生き残った、自分が皆と同じでいようとすることよりも生の執着を忘れずにいたから生きているだけなのだ。
「少しでもおかしいと思ったなら逃げ出せば良かった、話は終わりだ!もう皆は聞いているはずだから説明は省く、奇襲の前日には移動を始めるからそれまで待機だ!」
「……なんなんだよ」
「酷い場所に入れられたもんだな」
隊長は死ぬことの恐ろしさを軽く教え、逃げることへのペナルティーはないことも遠回しに伝えていたが、一般人の感性をしていない隊長の言葉は一般人である新兵の耳にはキチガイの説明としか捉えられないだろう。
(戦争が終わってもこんなのが世を建て直していくなら、世も末ってもんだな)
地面の薄汚い土に汚れた大量の缶詰をそばに置き、ベッドに座って一つ一つ雑巾で汚れを取っていく。
隊長になれた理由は飛兵も操れることや、魔に対するカウンターを誰よりも上手に使えたことからだ、だというのになぜか歩兵として生き続けているおかしな人間だ。
コメント
1件
読み終えました。第2話、隊長の冷徹さが痛いほど伝わってきました。「死んだ奴らは番号だけの名を残して、誰にも記憶されず死んだ」という台詞が特に印象的で、戦場の残酷な真実を突きつけられた気がしました。新兵たちが「♡♡♡」と感じるのも無理はないけど、前の隊長の指示ミスで一人逃げ出した過去があるからこそのリアルな価値観なんでしょうね。飛兵も操れるのに歩兵を続ける理由も気になります。続きが楽しみです。