先に1話を見てください !
こちらは番外編です !
俺が産まれたのは奇跡だと言われた。
逆子で産まれてくるのは紛れもなく厳しい状態。だなんて医者に診断されていたらしい。
18になった今、俺はこの高校を卒業する
そして今日、お世話になった大事な大事な高校の担任に大事な挨拶…をしに行く。
「…りうら先生…!」
「…うぉ、乾くん、!笑」
真っ赤で綺麗な瞳と髪色をした目の前の彼は大神りうら先生。
裏ルートで手に入れたんだけどりうら先生は38歳らしい。ちょうど20歳差。
「りうら先生、今までお世話になりました…!」
「…っ、俺こそ。お世話になったよ、乾くんには…笑」
「あの、りうら先生。今から2人きりになれたりします?」
きっと声が震えていてダサいんだろうな、
それでもりうら先生はずっと変わらずに真剣に話を聞いてくれる。
俺が問いかけた時「うーん」って悩んでたけど頭の回転が早いりうら先生はすぐに回答してくれた。
「俺、他にも生徒が挨拶しに来るかもしれないからちょっっっと遅くなるかもしんないんだよね。」
「乾くんさえよければだけど、待っててくれる?俺も話したいことあったし。」
俺より少しだけ身長が高いりうら先生は少しだけ屈んで俺の目線に合わせてくれる。
それに少しだけ固まっているとたくさんの?を浮かべたりうら先生がこちらをずっと見つめてくるからすぐに返事をしてあげる。
「あ、全然それで大丈夫です、では…!」
そう言って走ってしまう。
嗚呼、だめだ。やっぱり調子が狂ってしまう…
びっくりした。
まさか乾くんから呼び出しを受けるなんて思ってもなかった。
高校を卒業するということは社会に羽ばたく生徒がほとんど、大学生もほとんど社会と対して変わらないからな。
そして俺と先生と生徒という関係じゃなくなることを良いことに告白をしてくる生徒が多くてやんなっちゃう。
俺はあの人しか居ないっていうのに告白されたらあの日のことを思い出してしまうじゃないか。
「…乾 無人くん…か。」
乾くんはお寿司が好きでなによりえんがわが大好きだとのこと。
音楽とアニメが好きでオタク気質なところがあるのが乾くんの特徴。
だめだなぁ、どうしても重ねてしまう。
「と」と「こ」が変わっただけで俺が昔彼を呼んでいた名前になる。「ないくん」って。
面白いし、笑った姿も彼に本当にそっくり。
髪色をピンクにしてピンクのカラコン入れたら本当にないくんになっちゃうんじゃないか。って。
もしかしたら俺のことを迎えに来てくれたんじゃないかって、神様がないくんを転生させてくれてまた俺のもとに行くような運命に仕向けたんじゃないかって期待しちゃう。
「…ねぇ、ないくん。少しだけ目移りしてもいいですか…?」
なんて男子トイレでぼそりと呟いて鏡に映し出された俺を見つめる。
泣いている姿だなんて女子から見たら幻滅でしか無い、いやまぁ幻滅されたらそれはそれで嬉しいけどな。
一応、俺も年上だしかっこいいりうらでありたい…し。
「にぃ〜っ」
『あー!!泣いてる!!ほら「にぃ〜!」だよ!!』
『うん、笑ってる姿が宇宙一可愛いしかっこいい。』
いつかにかけられた声が思い浮かぶ。
笑わなきゃ。生徒に心配かけるのだけはご免だ。
「っし、ファイト。りうら。」
なんて言って男子トイレを出た。
生徒が一通り挨拶をし終わったところで乾くんを探す。
「…あれ、どこだ」
学校を探してもどこにも居ない。
乾くんならこの教室から出ないで待っていると思ったんだけどなぁ…笑
「…あ、あの人そういえばモテてたわ。」
なんて思いだしたらぱっと思い浮かんだ場所に行く。
だめ、他の人のもとにいかないでね。ないくん。
「っ、屋上…!」
屋上の扉をばぁん!!と大きな音を立てて扉を開けるとそこに広がっていた光景は俺の想像しているものじゃなかった。
「あれ、1人…?」
「りうら先生!!ごめんなさい、少しだけ席外してました。」
しゅんっと小さくなる彼を抱きしめたくなる気持ちを抑えて言葉を続ける。
「いいよ、全然大丈夫。 ここでお話しちゃだめ?」
「…ぜひ…!」
なんて言うと今度は嬉しそうに目を輝かせる。
ほんっと、わかりやすい…。そういうところもないくんみたい。
…なんて他の人と比べるなんてだめか。
「…あの、先生。その、つ…つきあっ…て…ください」
「っ、…俺と?」
顔を真っ赤に染めて告白をしてくる乾くん。
下を向いたり目線が何処かにお散歩してるわけでもなくずっと俺のことを見つめてくれる。
嗚呼、本当はだめなのに。やっぱりあの時みたい。
『りうら、付き合って…ください…!!』
『え、りうら…!?/、』
「…っ、りうら先生が好きなんです…俺の気持ち本気です。」
『本気、ちょー本気だよ、りうら…/、』
「男…とか関係じゃないですか、ぶっちゃけ今って、笑」
『男だけどりうらを好きになっちゃってさ…、ごめんね。』
だめ、だめだよ。
なんで今ないくんが出てきちゃうの。泣いちゃうじゃん。
返事もうまく言えない、声が出ない。声を出そうとしたら鼻のあたりがつーんと痛む。
涙が出ないことだけが幸い。
「…返事、はいらないです。叶わないことくらい知ってます、し。」
「先生交際していた方居たんですよね、ごめんなさい、耳に入っちゃったことがあって…」
やめて、謝らないで。
俺はどっちを愛せばいいの、どっちも大好き…、ないくんも乾くんも似過ぎだよ。
神様、教えて。俺は誰を愛して誰を好きになって誰だけを見ればいいんですか。
なんて考えた時、また1つの映像が頭の中で再生される。
『ねー、ないくん?りうらが他に好きな人が出来た時、どうする?』
『えー?笑 俺だったら…うーん、難しいね、笑』
『ごめんごめん、なんか気になっちゃって…笑』
『俺は…そっちの方を優先してほしいって思うかな。』
『ほら、多分その時のりうらの1番はきっとそっちだろうし、俺はもう2番になっちゃったんだろうなーって思う。』
『だからそのときはもう俺のことなんて忘れてりうらには思い切り幸せになってほしいなー、笑』
『…、本当は忘れてほしくないしずっと側に居てほしいけどね、もしもそうなったときは、笑』
『そんな未来なるわけ無いじゃん、ないくんが一番だよ。』
『んへへっ…、ありがと。りうら。』
『んーん、ごめんね変なこと聞いちゃって。』
「りうら、先生…?」
『りうら…?』
「…っ、なん、で…泣いちゃうんだろ…っ、笑」
懐かしいことを思い出した。
よく俺はあんなことを聞いていたなって思う、褒めるのは違う気がするけど褒めてあげたい。
あれを聞いていたから俺は今前に進めるよ、ないくん。
…ないくんが言ったからね、『幸せになってほしい』って。
「…、いぬい、くん…っ。」
「俺と付き合って…くれますか…っ、?笑」
そう言った時、乾くんも酷く泣いていた。
きっと神様がくれた2回目のチャンスなんだよね。
次こそは俺がタヒぬまでずっと側に居てもらうから。
「お願いします…!!」
「んーも、泣いちゃう〜…!笑」
抱き合って、涙と笑みが交わる。
お互いが酷い顔をしていたのだろうな。それでも、それでも涙も笑顔も消えることはなかった。
「ないくんって呼んでもいい?」
「逆に俺はりうらって呼んでもいいですか?」
俺と君との恋はRe:startしたみたい。
end
コメント
4件
やばいですもう感動物語すぎて涙腺崩壊ですよ!
おいおいッ!!!番外編あるんかよッ!!!( ( 嘘だろッ、…..40近くでこんなに可愛い奴おらんだろッ!!!!!😭💕( ( 産まれたのが奇跡って、…...絶対🍣くんやないかいッ!!!!🙄🙄( ( まさか、🍣くんより身長が"少し''高いなんて思いませんでした…..🫢🌀 まぁ、ど~せ🍣くんに身長抜かされて拗ねるんでしょうね、笑笑( (