mtp注意⚠️
文字が太くなったりしてます。気にしないでね。
家でこっそり準備をする。
元貴が好きなゲーム、元貴の好きなパンとコーラ、ありったけのお金を詰めた財布。
そして…ナイフも。
公園で元貴を待つ。
酷く、焦っていた。元貴を巻き込んだ。元貴が裏切るかもしれない。
色々な考えが頭に巡る…
でも、元貴は来た。
「元貴…がついてくる必要はないんだよ、元貴は何もしてないじゃん。」
「何言ってんの?」
「お前と僕…」
「人殺しと、ダメ人間の旅だよ。」
Г…! 」
「…元貴、」
「俺らは人生を捨てる事になる。」
剥がれた化けの皮を思いっきり喰った。
「…うん、そうだよ。」
「一緒に、ね」
今ならどこにだって行けるよ。
「だからさ、」
「遠い、遠い、誰もいない場所で2人で死のうよ。」
もうこんな世界に価値なんかはないから
と呟く君。
「人殺しなんて、そこらじゅうに湧いてるじゃんか。」
「お前は何も悪くないよ。
若井は、何も悪くないから。」
実は償いなんて嘘だ。
あれは間違いだ。
俺の人生のたった一つの間違い。
間違いがあって当然だ。
神様は君だけなんだ。
それ以外全部、ゴミクズだ。
クラスメイトなんて、家族なんて。
君と死に場所を探し歩いた。
今だけは、まだ死ねなかった。
俺らはみんな選択の自由があるから。
「結局のところ俺はさ、誰かに愛された事なんかなかったんだよな。」
俺はつぶやいた。
君は驚いたような、少し悲しんだような顔をしていた。
「僕もだよ。誰かに本当に愛されたことなんて…なかった。」
元貴の事は俺が誰よりも愛してるのに。
一方通行の想いって、こんなに辛いんだ…笑
「…そっか(笑)嫌な共通点だね。」
そんな信頼というにはあまりにも細すぎる共通点で、俺らは簡単に信じ合っていたんだ。
「・・・流石に中学生2人のお小遣いだけじゃ、2日くらいしか持たないな、、俺お腹減ってきた~」
お小遣いなんてあまり貰ってなかったからな。このままじゃ、自殺どころじゃないじゃねぇ…どうしよう…ウーン
「…若井。」
「ん?」
「盗み…しちゃおう。」
「僕が言い出したから僕が盗んでくるって」
と元貴は言ったが、結局俺がおじさんからお金を盗んできた。
元貴に手を汚させる訳にはいかない。
まだ、純白なその手を。
そもそも、
俺は“元貴と一緒に死ぬつもりはない”から。
元貴と泥にまみれて笑った。
言葉に価値なんかはないけど、元貴だけは真実なんだ。
線路を歩く姿がまるで映画のカットみたいで…
これがドッキリなら本当に笑えるよ、笑
蜜の匂いが奏でる道を走る。
「はあ、はあ…」
「あ、元貴…眼鏡何処にやったの?」
「あ~、走ってる時に落とした…かも」
「え?!取りに戻る?」
「いや、いいよ」
「今となっちゃどうでもいいや。」
「これは、あぶれ者の小さな逃避行の旅だ。」
君の眼鏡は吹き飛んで。
俺らはここに居る証明を探している。
これから俺は将来を捨てる。
汚れた心だってわかってる。
今ならどこにだって行ける。
5日目、小さな森の近くでの野宿。
何故か心地よかった。
俺は疲れていたのか少し眠ってしまった。
「バイバイ・・・なんて…」
愛おしい人の声が聞こえた。
聞いたことある。…歌詞
確か元貴が作っていた…
“L.P”
「…何考えてんだろ、ぼく…」
「…いつか、漫画で見た誰にも好かれるあの主人公ならさ、、」
「汚くなった、穢れた僕達のことも救ってくれるのかなぁ…」
…っ、やっぱり元貴は諦めきれてないんだ。
この世界を。
「そんな夢なら捨てたよ。」
元貴は驚いた顔をする。起きていたとは思わなかったのだろう。
「…だって、現実を見ろよ。いままで、シアワセの4文字なんてなかった。」
「今迄の人生で思い知ったんだよ…」
「自分は何も悪くねえ、と誰もがきっと思ってるっ…!」
「そう…だね」
元貴は泣きそうな顔をした。
何でよ…
でも、今ので決心がついた。
安心して、
元貴は死なせないから。
蝿と共に生きて、
蝉と共に死んで、
秋空の海と共に僕らは舞う。
最終回を目指せ!
常識を全部笑え!
“彷徨う夏の海に、蜃気楼の先に、俺が描いた結末がある”
「~~~?」
「~~~!」
鬼達の怒号が迫り来る。
そんな中で俺らはしゃいで、笑いながら走っていた。
「はぁ…っもとき、笑」
「どーしたの…っ、わかい笑」
ふと、俺は立ち止まる。
「!、なん…、っで、どうした、?」
そして俺はナイフを取り出した。
「!…若井っ、ここで死ぬ気?」
「…うん。」
「でも、死ぬのは俺1人だけだよ、もとき。」
「…は」
「元貴が今までそばにいてくれたから、ここまで来れたんだ。」
「俺1人じゃ、もう死んでた。」
「ありがとう、元貴。」
「っ…なんっ、で?!一緒に死ぬって言ったじゃん…!僕をおいていく気?」
「…その気持ちだけで十分だよ、俺は救われた。ありがとう。」
「…っ俺は元貴が好きだから!」
「え」
本当に最後の最後だ。
お願い元貴、本音を聞いて。
一方通行でごめん。
困らせてごめん。
好きになってごめん。
巻き込んでごめん。
でも、愛してる。
これは本当だから。
「だから、いいよ」
「もういいんだ、」
「死ぬのは俺だけでいいよっ…」
さよなら。
俺は人生を捨てた。
汚れた抜け殻を纏った。
これから俺は後悔で眠る。
人生はコメディ
人生はコメディ
人生はコメディ
人生はコメディ
人生はコメディ
でも、
「…微笑」
大好きだよ、愛してるよ。
元気でね。
これにて「あの夏が飽和する」終了となります!
遅くなって申し訳ございません、泣
これまで見てくださった方、いいね、コメント、本当にありがとうございました!
次回作もお楽しみに!
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