テラーノベル
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「…あのさ…、それ、」
僕は自然とwkiの目線を追う。その先にあるものが分かった途端、僕の顔はすぐに青ざめていった。
「っあ、…」
wkiの視線の先にあったのは僕の腕。血は少し固まって瘡蓋になっているけれど、ミミズ腫れしているその腕は、とても他人が直視出来るような物ではなかった。…あぁ、wkiに幻滅されちゃう、どうしよう。俯いているwkiの顔はよく見えなかったが、その頭は雨で少しだけ濡れていた。
「mtk、」
急に口を開いたwkiに僕は思わず身構える。でも、そのwkiの顔は心配そうに歪んでいるだけだった。…その瞬間、目の前が真っ暗になった。それがwkiの胸だと分かった瞬間、どうしようもなく顔が熱くなった。
「wki…!?」
僕は突然のことに驚きを隠しきれなかったが、wkiは気にせず、優しく僕の頭を撫でる。その手が、思っていたよりも冷たくて、温かかった。そんな温もりを感じながら、僕はいつのまに流れていた涙を止めることもできず、ただwkiに体を預けた。
やっぱりwkiの体は少し冷たくて、雨の匂いがした。でも、それが今の僕には心地よくて。…外の雨は止んでいて、少しだけ湿った空気が僕の頬を撫でた。
「mtk、…ごめん。俺、、mtkの事、大切にできてなかった。でも、俺、mtkの事誰よりも考えてて、mtkの抱えてる孤独も分かってる…ー」
そう言われた途端、僕はwkiの体から身を離した。wkiが、こんなにも「孤独」という言葉を簡単に口から出して、しかも「分かってる」って言うなんて、考えてなかったから。僕は、分かってる、なんて言われたいわけじゃない。共感が得たい訳でもない。ただ、寄り添って、温もりを与えて欲しかった。… だから、僕は思わず、口を開いてしまった。
「え、?何言ってるの…ホントに、分かってる、って何、?wki、」
今の僕には、怒りや悲しみよりも先に、大切な人を失ったような、何処かへ行ってしまったような喪失感しか感じることができなかった。だって、あの、wkiが。唯一僕を暗闇から助け出してくれた人なのに。最初に、「外の世界も楽しいよ」って連れ出したのはwkiなのに。…結局、誰も僕のこと分かってくれないんだ。…あれ、矛盾してるよ、…馬鹿みたい。
結局は強がり?でも、分かって、と言うと独りになっちゃうから、自分に言い聞かせてきたんだ。分かって欲しくないんじゃなくて、【分かったようにされる】のが嫌なだけだった。…wkiは、ホントに僕のこと分かってない、、「孤独」に対して「分かってる」なんて言葉、間違ってる。隣に人がいようと、愛してる、と言われようと、孤独は一生付き纏う。だからこそ、孤独を蔑ろにしてはいけない、それを、wkiは分かってないんだ。
「…wki、なんか、答えてよ、」
「mtk…、俺、なんか間違ってる、?ホントに、心配してて、」
そう言うwkiの顔は今にも泣きそうだった。…、wkiが僕のことを心配してくれてて、気を使ってくれていることは分かっている。…でも、大きな所がズレていた。その違いは、僕には大きすぎた。
「wki、ごめん。…もう、良いよ。」
「mtk…?ねぇ、mtk!!!!!!」
バタン、
玄関のドアの鍵を閉める。その手は、震えていて、冷たかった。
…ねぇ、wki。なんで、…お前を、好きになっちゃったんだろうね。最初に、俺を外の世界に連れ出してくれた、大切な、大切な、
【僕の親友】。
…今まで、外の世界を見てこなかった僕の世界には、wkiしか居なかった。だから、wkiにばかり依存してた。wkiが、大好きだった。優しくて、暖かくて、僕を大切にしてくれる…そんな奴。でも、大きな所がズレてて。好きだけど、大好きだけど、僕が壊れてしまわないために、それだけのために、突き放した。「僕が」wkiを、傷付けた。
なんで、こんなにも、胸が痛むのでしょう、?
なんで、涙が流れてくるのでしょう、
ねぇ、ごめん。僕は、臆病だ。…もし、少しずつズレが大きくなっていって、自分が壊れてしまったら、wkiに会うためのこの笑顔も、「大丈夫だよ」って言う声も、作れなくなっちゃう。…今度こそ、幻滅されちゃう。
僕は、たった今、大切な親友を失ってしまった。…僕のせいだけれど。なぜか、流れてくる涙は止まらなくて。部屋には、まだ、wkiの匂いと、温もりが残ってる気がして。今はただ、誰かの温もりに包まれていたかった。そうでもしないと、凍えてしまいそうだった。
「wki…、ごめんね…許して、、だから、もう一度だけ、抱き締めてよ…」
ねぇ…、もう、笑えないよ。wkiが居ないと。
ねぇ…、もう、生きてる意味なんて、無いよね?wkiが居ないと。
ねぇ…、もう、「生きて。」なんて言う人も居ないよね?…wkiしか居なかったから。
今すぐにでも、止めに来てよ。「死ぬな」って。「大好き」って。でも、もう、、、誰でもいいや。こんな感情、閉じ込めてしまえば良い。
だから、僕は。…ー
「ねぇ…、おじさん。僕とイイコトしない?」
「…ふ、笑…馬鹿みたい。」
知らない男に抱かれた。腰は痛いしお腹は気持ち悪いしで良いことはあまりなかったけれど、無駄なことは考えないことにする。…抱かれている最中だけは、wkiのことを思い出さずに済むから…、少しの苦しみなんてものは、僕が我慢すれば丸く収まることだから。
数日後…
いつものように、繁華街でそういう目的の男を探す。そうすると、黒い帽子を深く被った青年を見つけた。…もしかしたら、芸能人関係の人かもしれない。
僕は顔を直ぐに営業スマイルに切り替え、話しかけた。
「…お兄さん僕と、イイコト、しよ?」
そう言うと、彼は一瞬肩をビクつかせたが、すぐに頷き、僕をホテルへと連れ込んでいった。ホテルへ着くと、彼は初めて場所なのか少し戸惑っていたので、僕が部屋を選んだ。部屋に入った途端、急に後ろから抱き締められた。僕は少し動揺したが、今まで、部屋に入る前のエレベーターで口吻されたり、路上で襲われたりと色々あったので、こうゆうのにはもう慣れた。
僕は、相手をその気にさせるために甘い声で誘う。
「…ね、早く…?」
「ッ…」
ドサ、
彼は、一瞬躊躇したが、直ぐに僕を押し倒した。その顔はよく見えなかったが、興奮だけでなく、どこか悲しみを纏っている様に見えた。僕は、自らの手で彼の帽子を外す。その瞬間、彼は急に顔を近づけてきた。…驚いて瞑った目をもう一度開けると、そこには見慣れた顔。…wkiだった。僕は、今目の前に居るのがwkiと分かった瞬間、wkiの体を突き飛ばした。
「な、んで、?wki…!?」
「mtk…、こっちの台詞だよ、なんでこんな事…!」
「…うるさい、wkiに関係ない、」
「…関係なんて、無いよ。分かってる。ねぇ…俺の何処が駄目だった?俺のせいで、mtkは、」
「関係ないんだってば!!!…wkiは…、wkiのせいじゃない、全部、僕が決めたことだから。」
「…じゃあ、…何でそんなに悲しそうに笑うの…?あの頃のmtkはもう居ないの?」
「今の僕じゃ、嫌いだよね。こんな、知らない男の人捕まえて、夜を過ごして。…下手に笑って。気持ち悪いよね、」
「…あの日、俺が居なかったから、寂しさを紛らわすために…」
「っもう、言わないで、…薄々、分かってたんだよ、最初から。この寂しさを、埋められるのは、wkiしか居なくてッ゙…温もりだって、誰のものでも良いわけじゃなかった。…wkiじゃないと、ッ゙耐えられなかった…だから、離れようともしたけど、頭の片隅には、ずっとあの時の温もりが残ってて、っ゙それでッ、やっぱり僕、wki居ないと駄目だなぁ、って…」
…これが、今の僕がwkiに言える本音。…最初から分かってた。分かってたけど、色んな人と体を重ねるたびに、虚しさだけが増えてって。でも、忘れるために心の声を押し殺してきた。だから。もう…、前みたいに上手に笑えなくなっちゃった。 でも、寂しさを埋める存在を探してきて、気付いたんだよ。【孤独】は、埋めるためのものじゃない。心の穴にぴったりはまる物を探し続けて、ちょっとでいいから、自分と向き合う時間を作るためのもの。僕は、怖かった。何も分からない、世界で一人。それが、…寂しがり屋の僕には怖かったんだ。
「mtk…、俺、mtkの事、大好きなんだよ…あの時、俺、泣きながら帰ってさ、「嫌われたかな」とか、そんな単純な感情じゃなくて…、俺、「mtkが間違ってる」って、ッ゙思っちゃって…っ゙俺は今まで、正解か不正解か、で生きてきた。でも、そんな簡単じゃないって、mtkが教えてくれたんだよ。正解とか、関係なくて。思ったように動いて。それでも、絶対に人を傷付けることだけはないようにして、そういう、mtkの生き方が分かった瞬間、俺、守りたい、って思ったんだよ。俺にとっても、mtkが一番の親友で、俺の大切な人。mtkじゃ無いと駄目なのは俺の方だよ。」
あぁ、駄目なのに。wki、お前の事、大好きだけど、怖い。
この感情が、何なのか、分からない。何で、お前はこんなにも俺に優しくするの。
「何で…」
「何で?…愛してるから。大好きだから。」
「僕、すぐ不安になっちゃうのに。どうして、そんなに沢山の言葉をくれるの?」
「別にいいんだよ、不安になっても。何十回でも、何百回でも、言うよ。愛してる。」
「信じられなくても良い・・・?」
「良いよ。信じてくれるまで、言い続けるから。それでも不安になったら、ずっと、側にいる。mtkが寂しくないように、…俺に出来るのは、温もりを与えることだけだから。」
「…僕、ずっと、どんなことも必ず終りが来る、って考えちゃって、前に進めなくて。…だから、怖いの。」
「終わらせないから。永遠に。」
…優しすぎる愛は、時に不安を生み出す。誰にでも言ってんじゃないかって。僕は欲張りだから、平等なんて嫌だ。…僕だけに、僕だけの愛がほしい。…でも、そんなの、無いんだ。…怖い、好きになればなるほど、【嫌われたくない】って、嘘の仮面を被っちゃって。「仮初の自分なのに…気付いてよ」って期待して、傷ついて。僕だけが惨めになんてなりたくない。…もう、二度と繰り返さないって決めたから。
「…ありがとう。でも、僕なんかに【永遠の愛】は勿体ないよ…僕は、wkiの愛に答えられない。…返せない。ごめんね。」
「…そんなの、気にしないよ。一方的でも、何でも良い。mtkが一人で、苦しんでるのを何もせずに見てるのは嫌だ。」
「…、…!ッ゙ふっ、ぅ…ひゅ、」
あ、これ、駄目だ。思い出すな、思い出すな、思い出すな、!思い出して良いことなんてない、落ち着け。…お願いだから、wkiの前だけは…!
「ッ゙…!ぐ、ぅ…ヒュッ…はッ゙、ひゅ、…う゛ぁ、」
「mtk⁉mtk!しっかりして、!…どうしようっ、落ち着いて。頑張って、今救急車呼ぶから、!」
「…っ来ないで、!…ッ嫌、カヒュ、!ゴホ、ゲホ」
「mtk?…しっかりして、俺だよ、!」
なんで、此奴が居るの、?嫌だ、来ないで。嫌ッ…!…ー
【mtk…、大好きだよ。絶対、一人にさせないから。】
「え?笑あの時の、ホントに信じてたの?…嘘に決まってんじゃん、第一、お前重いんだよ。「愛してる」って言ってんのに、いつまでも寂しい、って言うし、面倒くさい。…誰にも迷惑かけないように、一生一人で暮らしとけば、?笑、あ、無理か。一人だと病んじゃうもんね?笑」
…元彼に言われた言葉。あの時から、自分を簡単に出せなくなった。本当の気持ちを言うと、皆、離れていっちゃうから。だから、本当の自分の声を押し殺してでも、嫌われないよう、努力した。…そうすると、皆から、「優しいね」「良い子だね」って言われて。本当は嬉しいはずなのに、どんどん苦しくなって。そこからだった。夢に出てくる元彼の顔。あの言葉。起きるたびに冷や汗をかいていて、呼吸が浅くなっていたのを覚えている。でも、wkiと出会ってから、wkiと元彼の顔が重なって見えることがあった。その度に、乱れそうな呼吸を抑えて耐えていたけど、今回は無理だった。頭では違うと分かってるのに、、目の前に奴が居る。…そう、見える。聞こえるはずのない声までも聞こえてくる。
「、ッ来ないで…、」
「お前に愛を与えてくれる人が居るって?、ホントに信じてんの?、どうせお前には無理だよ。あっちもお前の本当の姿知ったらすぐ離れていくぞ。…はやく、居なくなればいいのに。お前のことなんか、誰も求めてない。【お前に、幸せになる価値なんて、無い。】…ー」
「ッ゙ぅあ、は、ひゅ…」
嫌だ、、怖い、ねぇ、怖い。結局皆僕を置いていくの、?本当の僕に価値はないの、?もう、【本当】なんてもの、忘れれば良いの?
コメント
2件
ああ〜〜もうこの作品だいすきすぎます!!!!😿😿💕💕