交換条件2日目
独房は相変わらず静まり返っていた
その静寂の中に笑顔で待ち構えるymdがいた
今日もヘラヘラ笑っている
ymd)よーっす
tk)相変わらずうるさいな
ymd)え?平常運転やで?
tk)俺とお前の基準が違いすぎんだよ
ymd)www
ymd)あ、ちなみに今日監視入る日やから
tk)…え?どういうこと?
ymd)看守がチェックしに来るだけや
tk)は?聞いてないんだけど
ymd)だって言ってへんもん
tk)最低…
ymd)バレんかったらええねん
tk)見つかったら俺は終わるんだよ
最悪だ…
急に告げられたことに驚きと動揺を隠せない
ymdはバレなかったら大丈夫と言ってたもののこの独房には隠れる場所がどこにも無い
tk)隠れ場所にできそうな所すら無いんだけど
ymd)ちなみに、あともう少しで看守来んで
tk)ヤバいヤバい…
ymd)…1個だけなら方法あんで
tk)どうするつもりなんだ?
ymd)ここ隠れる
そう言い指さされた所は雑に畳まれた布団だった
1人用にしては少し大きめのサイズだ
tk)まさかここに入って寝たフリするのか?
ymd)おん
tk)いや、バレるだろ
ymd)2人入っても案外バレへんで
看守アホやしな
tk)そういう問題?
刻一刻と時間が過ぎる
独房の外から少し足音が聞こえた
おそらく看守だろう
意を決してymdに頼む
tk)一緒に隠れて?
ymd)…!分かった
ymd)ここ入れ
tk)ん、サンキュ
布団は想像以上に大きく2人が入ってもバレなさそうだった
安心しているとymdが急に体を寄せる
少し顔を上げるとymdの顔が近くにあった
tk)は、近…
ymd)なんか気にすることでも?
tk)べ、別に無いけど?
ymd)せっかく見つけた話し相手やからな、
絶対に渡したくないねん
だからちょっと我慢してや
tk)え?
そう言い、強く抱きしめられる
心臓の鼓動がお互い聞こえるぐらいまでに近づいている
少し赤らめた顔をうずめて動かないようにじっとする
少しすると独房の扉が開く
足音と共に看守が入ってくる
だが、少しこちらを見た後すぐに出ていってしまった
扉が閉められたのを確認し、布団から出る
ymd)もう行ったで
tk)助かった…
ymd)な?看守アホやろ?
tk)確かに…
よく看守続けれてるな
ymd)まあ、ピンチも乗り越えたことやし、なんか話そうや
tk)分かった
お互い安心しきって話を続けた
今日も昨日と同じようにお互いのことを話す
ymd)俺めっちゃ野菜嫌いやねん
tk)ちゃんと栄養とってんのか?
ymd)まあ、このymd様にかかれば野菜なんか食べんでも生きていけるし?
tk)苦しい言い訳だな
ymd)そういうお前はどうなんだよ
tk)俺は野菜ジュース飲んでるから
ymd)似たようなもんだろ
tk)は?俺はちゃんと野菜とってるから
ymd)やっぱムカつくわ〜!
今日もちょっとした会話から小さな喧嘩が始まる
その間にも時間は過ぎていき、昨日よりも遅く解散することになった
ymd)もうそろそろ帰るん?
tk)ん…まあ?
ymd)昨日よりも話したな
tk)ちょっと盛り上がりすぎたかもな
ymd)じゃあまた明日な
tk)うん…じゃ
昨日よりも30分ほど遅れた時間に独房を出る
扉を閉める瞬間に見えたあいつの顔はどこか寂しそうにも見えた
それを横目にアジトへと向かう
帰った頃にはアジトの人影も少なく、ひっそりとしていた
自分の部屋に戻って荷物を置いてベッドに横たわる
そしてそのまま寝てしまった
あいつを殺すまであと5日
コメント
6件
めっっっっっちゃ好き!!さすがです!!! もう投稿されてるのみるだけでテンション爆上がりしちゃう...
56すのやめてはよ付き合え。 一緒にふとん入ってるとこ最高すぎる…( ´ཫ` ) いいね1000押しといた( ᐛ )