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んんっ、アツシ❤️イイ男✨ もぅ、親心みたいなもんですかね😌俺にもあんな頃があったなぁ〜みたいな🤭 優しい最後が素敵でした✨
アツシさん編、ありがとうございます🥹💕アツシさんから見る、純粋で可愛いりょうちゃん、私も好きです! 続きのお話も楽しみにしています✨
ふへふへ
アツシさんの続き。
だんだんと落ち着きを取り戻した彼に話しを聞いてみるとやっぱり恋愛絡みでうまくいっていなかったようだ。
ダメなのがわかっていても諦めきれない彼の恋の相手はボーカルの大森くん。
テレビ局で少し話した時の事を思い出す。さすがミセスをここまでの人気バンドに押し上げただけあって一目でカリスマを持っているとわかる魅力的な青年だった。
彼に片想いかぁ、確かにそれはつらいな。
彼の寛容性にもよるがバレてしまえば人間関係がどうなってしまうかわからない。下手したらバンド崩壊の危機になってしまう。
ただ、話しをよく聞いてみるとすでにゲイバレしていて酔った勢いとはいえ最後までしてしまったという。
涼架くんはゲイだという事で大森くんに避けられていると落ち込んでいるようだが、正直俺の経験上本当に偏見のある人なら反応はそんなものではないはずだ。こればっかりは『生理的に受け付けない』というたぐいの問題点だから。
もしかして…と思う事はあるが、こればっかりは本人以外誰も知りようがない事だ。
しゅんと落ち込んでしまっている彼にたずねると、俺の事はとても気に入ってくれているという。
それなら…。
「じゃあさ、まずは友達からはじめないかい?」
自分でもびっくりするようなセリフが口から出ていた。
でも、なんだかこの子をこのままほおっておけないと思ってしまっている自分がいたから。
俺はこのまま口説き続けるから涼架くんがいいと思ったらその時は恋人になってくれるかい?と提案する。
「俺、本当に涼架くんの事気に入っちゃったんだ」
これは本心からの言葉。
でもなんとなく彼が俺と恋人になる事はないだろうとも思っていた。
「もし大森くんとお付き合いするようになったら潔く身を引くから安心してね」
そう言うとやっと彼は安心したように笑ってくれた。
かわいいなぁ。
そんな彼の笑顔に俺も自然と笑顔になっていた。
その数日後、彼らが近くのスタジオでレコーディングしていると聞き、コネをフル活用してこっそり現場を覗きに行かせてもらえるようにした。
俺を見つけた涼架くんは驚いてしどろもどろになっていた。そんなかわいい彼に今日の約束を半ば無理やり取り付け仕事へと追い払う。
そうしているところに後ろから声がかかった。
ちょうどいい。
今日会いたいと思っていた本命の大森くんが向こうから話しかけてくれた。
「ウチの藤澤に変なちょっかいかけるのやめてもらえませんか」
彼は静かな声でこちらをにらみつけてくる。
俺が軽く返すとすごい勢いで噛みついてくるがこちらが正論で返すと言葉に詰まってしまった。
やっぱり…。
涼架くんの事で煽るようにからかってやると唇を噛み締め俺を射殺しそうな視線が向けられる。
若いなぁ。ホントにわかりやすい。
「俺は今本気で涼架くんを口説いてるとこなんだよ。俺の恋人になってくださいってね。それが何か悪いかい?」
俺のその言葉に大きく目を見開いて焦ったように視線が泳ぐ。
彼のそんな青さがかわいらしくも思えるが、しかしちゃんと釘を刺しておかなければ。
「スタートラインに立とうともしない君になにか言われる筋合いはないよ」
きっとノンケの彼にとって涼架くんを好きだと認めるのは勇気のいる作業なのだろう。それは同情する。
でも、彼がぐすぐずしているせいで涼架くんが傷ついているのも事実だから。
ここまでしてやって何も動けないようなら、遠慮せずに涼架くんをもらってしまおう。
ほら、さっさと覚悟決めないと俺が涼架くんもらっちゃうよ。
そう心の中でつぶやきながら大森くんに手を振ってその場は去る事にした。
それからしばらくして涼架くんから大森くんと正式に付き合う事になったと報告があった。どうやら俺が大森くんの背中を蹴り飛ばしたのは効果があったようで、大森くんも今では感謝していると伝えてくれた。
「本当に色々ありがとうございました」
そう言ってきっちりと頭を下げる涼架くんにいやいや、と頭を上げさせる。
「そんなのいいんだよ。うまくいってよかったね」
「はい」
と恥ずかしそうに笑うその笑顔にほっこりと癒される。
「もちろん俺はもう涼架くんを口説いたりしないから安心して。でもさ、これからも友達ではいさせてね」
「いいんですか?」
そう言って嬉しそうに笑う彼に俺も自然と笑顔が浮かぶ。
俺の彼への想いは恋愛のそれだったのかはわからない。でも愛しい、幸せになって欲しいと思ったのは事実だから。
「大森くんにも今度一緒に飲もうって言っておいてよ」
あの時俺を刺し殺しそうな目で見ていた大森くんを思い出す。自分の中の激情に振り回されて必死になっていた彼にもとても好感を持ったから。
彼なら涼架くんを幸せにしてくれると思った。
う〜ん。久しぶりに青春を思い出したなぁ。若かりし日の自分を思い出して感傷にふける。
あんな激しい思いで人を好きになれる事が羨ましくもあり、恐ろしい。
あんな恋愛はもう見てるだけで十分だ。
ああ、歳とっちゃったなぁ。
今度は同じくらいのペースで好きになれる相手が見つかるといいなと思いながら、とりあえず今は嬉しそうにのろけている涼架くんをほほえましく眺めている事にした。
アツシさんのオマケ終わりました。 ちゃんといい男のまま終わってくれたかな?
自分で作ったオリキャラで何書いてんだよって感じですが、アツシさんからみたらもう涼ちゃんは純粋にかわいい存在だったのかなと。
実はアツシさん。これの続きの話にも登場しますので、また楽しんでやってくださいね☺️