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その日は珍しく朝から晴れた6月の中旬。チャイムの音と同時に彼女はこっちに向かってくる。毎日。
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_なんで構って来るんだろう。 教室の空気と化した自分に。毎日毎日話しかけてさ_
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第1話 変なあの娘
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花音「ねえ!アオイちゃんー!今日提出の英語のノート見せてくれなーい?!ほんとにごめん!毎回!」
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1限終わりの休み時間。
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今日は英語のノートかよ。
葵「ああ、全然いいよ…これ、字汚かったらごめn」
花音「まーじありがと!あのホントすぐ返すから!!まじて助かった!」
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花音ちゃんはクラスに仲良しが居るのに、なぜ自分なんだろうか。
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結局は雑用として使われるんだ。
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昨日は数学のワーク。
一昨日は掃除当番の代わり。
その前は日直の代わり。
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普通誰でも陰キャには近寄りたくないだろう。居るだけで教室の空気が濁る空気汚染機だ。
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雑用として使うために仕方なく話しかける。それだけならまだ分かる。
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しかしその娘には 一つだけおかしな所がある。
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それは、
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昼休み屋上で隠れながら弁当を食べている自分をみつけ毎回2人分のジュースを持って笑顔で駆け寄ってくる事だ。
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誰も笑顔を向けてくれなかった。
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ただ貴方だけが、その笑顔を向けて。