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ちょっと変わってるあの娘。
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クラスの端にいる自分とは真反対の立場なのに。なんで構われないといけないのか。
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ほっといてよ。
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第2話 風の香り
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あの娘は毎日こっちにくる。
なんで構ってくるのかは分からない。
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その日はいつものように屋上に行ってお弁当を食べていた。
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花音「アオイちゃん」
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また来た。
最近昼休みまで構ってくるようになった。
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葵「ああ、5限は英語だよね…英語のワークなら机に入ってるから勝手に取っていいですよ…」
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花音「え?やだそんなつもりでわざわざここまで来ないから」
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そう言ってオレンジジュースを渡してきた。
昨日はブドウスカッシュ。
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雑用としてこき使ったお礼とでも思ってるのだろうか。
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葵「あの、お礼なら別にいいから……わざわざお金出してジュースとか…勿体ないよ」
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花音「だーから!そんなつもりでわざわざ買ってない!なんでそんなにネガティブなのよ笑」
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そう言って花音ちゃんが笑った。
この人は、純粋に笑ってくれてる。
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今まで獣扱いされて冷たい目線を浴び続けてきた。
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でもこの人は違う。
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瞳の奥が綺麗で美しかった。
そんな彼女の横にいていいのかな。
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風が吹くと甘いシトラスの匂いがした。