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俺の母方の家系は他の人とはちょっと違う
何が違うって?
それは一族全員霊感がある事。
何せ陰陽師の家系だとか。
もちろん母親も霊感を持っている、何故か父親も、、。
だから俺だって霊感を持ってるはずなのに幽霊が見えない。
兄ちゃんは見えてるのに、、、。
だけど5歳の頃俺にも一瞬見えた時があった。
俺が母方の方で管理している神社近くに大きな山がある。
たまにじいちゃんと一緒に行っては山菜やらを取ってくる思い出深い山だ。
小さい頃の俺にとっては普段とは違う体験だったのでうきうきしながらじいちゃんのあとを着いて行ってた。
その日もじいちゃんと一緒に山へ入っていき、
いつもの場所で山菜を取っていた。
俺が夢中で山菜を取っているとじいちゃんが見つからなかった。
当時5歳だった俺は泣きながらじいちゃんの事を呼んだ。
最悪な事に辺りは霧に包まれた。
じいちゃんを探す為に半泣きの状態で山をうろちょろしていた。
迷子になってどれぐらいたっただろうか、、。
俺は泣き疲れたのでその場にしゃがみこんだ。
俺はこのまま家族の元に帰れないのではと思っていた。
すると後ろから声がした。
振り向くとそこには着物をきた髪の長い男の人が立っていた。
その人は俺にガラス玉をくれて俺に、
「そのガラス玉は何がなんでも手放さずにいてね」
そう言ってその人は俺の前から姿を消したと同時に霧も晴れた。
その後は俺を探していたじいちゃんに無事保護されたことはいいけど今後の山へ入るのは禁じられた。
家に帰って家族に今日のことを話した。
みんな一生懸命話す俺の話を真面目に聞いてくれた。
俺はあの人から貰ったガラス玉を見せた。
するとこの場に居た霊感を持つ人全員が吐き気や目眩に襲われた。
当時の俺は何が起きているのかはよく分からなかった。
あれから13年が経過した。
未だに俺はあのガラス玉を持っている。
なんか捨てられなかった。
何年ぶりかに母方の実家に行く事になった。
ばあちゃんもじいちゃんも元気で良かった。
俺はふとあの山で起こった事を思い出した。
でも山に入るのはダメだからその周囲を散歩することにした。
懐かしい。
あの頃と同じだ。
数分辺りを歩いた。
気がつけば例の山の麓だった。
なんか呼ばれてるような気がする。
入っちゃダメだってわかっていた。
だけど、ちょっとだけなら、、、ね?
山に入るとよくじいちゃんと来ていた場所に行った。
懐かしい気持ちでいっぱいだった。
もうちょっと奥に行ってみることにした。
大丈夫だよね?
数分歩くと辺りが濃い霧に包まれた。
どうしよう、、。
今は16時、、ヤバい。
俺があたふたしていると
「久しぶりだね」
後ろから聞き覚えのある声がした。
後ろを振り向くと、あの人がいた。
あの人も変わっていなかった。
「ずっとガラス玉持っててくれてありがとう」
俺にそう言った。
するとその人は俺の腕を引いた。
「こっちにおいで」
引かれるまま俺はついて行った。
着いた先にあったのは立派な社だった。
立派だけどちょっと古い、、廃神社と言われる場所だった。
彼はヒスイと言った。
ヒスイ様は俺に玉房結びの赤い耳飾りをくれた。
それをつけると喜んでくれた。
時刻は18時をまわっていた。
俺が帰ろうとした時ヒスイ様は
「何処に行こうとしてるの?」
何処って家ですけど、、、。
「家はここだろ?」
本当に意味がわからない。
家がここ?
神様かなんかなの?
次の瞬間、俺は建物の中にいた。
「今日からここがお家だよ」
嫌だ。
寒くないのに震えが止まらない。
違う、、コレは本能だ。
ヒスイ様に近ずいてはならない。
「どうしたの、寒い?」
心配したように近ずいてきた。
怖い
近ずかないで
そう声にする前に俺はヒスイ様に抱かれ布団がある一室に連れてかれた。
そこに俺をおろすと
「ちょっと待っててね」
そう言ってヒスイ様はどっか行った。
今のうちに逃げようとした。
だけど逃げられない、逃げたら状況がもっと悪化すると思った。
ヒスイ様がご飯を持ってきてくれたうえに食べさせてくれた、、。
何故か?
それは俺も聞きたい。
でも相手の機嫌を損ねたらダメだって小さい頃からばあちゃんやおばさんらに言われてたから
「正直、逃げると思ってたのに偉いね」
ヒスイ様はニコニコしながら俺にご飯を食べさせてくれていた。
ご飯を食べ終わるとヒスイ様は着替えを持ってきてくれた。
白くて綺麗でアクセントとして赤いラインがまたオシャレだった。
俺は着物を着る機会が普通の家よりあったので一人で出来ると思ったけど思ったよりこの着物は構造が難しくヒスイ様に着させてもらった。
「やっぱり凄く似合ってるよ!」
そう言って褒めてくれた。
俺はヒスイ様のお嫁さんになったらしい。
寝る時に教えてくれた。
次の日、俺は親に電話したいと言った。
「ダメだよ、でももっとしたら電話させてあげる」
ヒスイ様はそう言った。
その日は結婚の義を行った。
綺麗な白無垢を着せられた。
結婚の義は俺がヒスイ様の血を飲むこと。
そうしたら俺は不老不死になるんだって。
歳も自由に変えられる。
白無垢を着せられた時にはもうなんも感じなかった。
俺の運命はあの頃に決まっていたんだ。
もう家族に会えない、、。
そう思ったら涙が出てきた。
ヒスイ様はあたふたしていた。
「どうしたの!?何処か痛い?」
ヒスイ様は泣いている俺を見てそう言った。
あぁ、この人は優しい人なんだ。
そう思った。
ヒスイ様と結婚して1ヶ月がたった。
この生活にも慣れてきた。
俺はヒスイ様に庭ではなく外に、、俺が住んでいた世界に行きたいと頼んだ。
最初はダメだと言ってたけど根気ずよくずっと言ってたら承知してくれた。
ただし条件がある。
(1)必ず使いの者を二人以上つけること。
(2)人について行かない。
(3)何かあったらすぐにヒスイ様を呼ぶこと。
(4)神社から出ない。
らしい。
俺は条件を守り外に行った。
久しぶりの外だ。
外は晴れていて暑かった。
今は夏だろうか?
家からラムネを持ってくれば良かった。
しばらくすると階段から喋り声が聞こえてくる
誰だろうか?
肝試しに来た若者か?
、、違った。
テレビの取材班だった。
見つかったら面倒だと思った俺は隠れようとしたけどすぐに見つかった。
「すいません取材良いですか?」
別にヒスイ様からは誰かと喋っちゃダメとは言われてないから取材を承諾した。
「素敵な着物ですね。ここまで来るのに大変じゃなかったですか?」
“別に大変じゃない。慣れた”
俺はそう答えた。
「いつも来ているのですか?」
“まぁ気が向いた時に来てる”
「そうなんですね」
“ねぇもう帰っていい?”
「あ、はい。ありがとうございました。」
鈴の音がなったと同時に俺はテレビ取材班の前から消えた。
ただいま。
家に帰るとヒスイ様はなんか怒っていた。
「ねぇなんで彼奴らと喋ったの?」
条件に喋っちゃダメって言ってないから。
「それはそうだけど!!」
ヒスイ様はわかりやすいほどに嫉妬していた。
俺が他の人と話すのが見ていて腹が立ったらしい。
案外可愛いところもあるんだなこの神様。
結婚して1ヶ月。
旦那様の新たな顔が見られました。
どうでしたか?
初めてのノベルなので変なところがあるかもしれません。
しかも長くてすいません。
ここでこの話を終わらせたかったんでこんなに長くなってしまいました。
次回は他の話になります。
そちらも見ていただくと嬉しいです。
次回も楽しみに待っていだだけたら幸いです。
さよなら👋
By主くん