テラーノベル
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お風呂から上がり、自室でゆったりする
9月になったとは言えど
まだ残暑が残っており
暑いので扇風機とエアコンをつけて涼しむ
お風呂はお湯で体を洗ったりしているので
体がほかほかで
ほぼサウナ状態みたいなもんだ
「あ〜涼しい…」
1人で牛乳を一口飲みながら呟く
1人で…1人…1人、
はやとは今日、帰り遅くなるって言ってたし
俺1人だけか
寂しくないし別に。
周りを少し見渡してみるとペアリングやペアルック
今持ってるこのコップもペアのもの
…お揃いばっか周りにある
それのせいで
1人なのがより強調されてるというか、
いや寂しくないけどね???
変に誰もいないのに強がって恥ずかしくなり
牛乳を一気飲みする
喉に冷えた牛乳が通り首がひんやりとする
からになったコップをリビングに置き
ダブルベットにごろんと転がる
さっきまで眠気があったのにいざきてみれば目が覚めるのはなんでだろう
視界に映るのは飽きるほど見慣れた壁
ふと手先に触れるくしゃくしゃになったふとん。
朝は確か俺が先に起きたのに
「んーやぁだぁいかないでぇ」
ってくずりだして宥めてたら遅刻しそうになったから
いつもは綺麗にベットメイキングするけど
今日は時間なかったからな。
…俺の日常の中にはいつもはやとばっかだ、
まぁ同棲してるから当たり前なんだけど…
はやとが左、俺が右で寝るのだが
はやとの寝る左に寄って寝ることがある
たとえ本人がそこにいなくても
いる時に寄ってみると
「おいで」とぎゅっと包み込むようなハグをしてくれる
同じ洗剤を使っていても感じるはやとの匂い
それが恋しくなってつい本能のままに嗅いでしまう
でも流石に今日は疲れてるだろうし
そんな中自分のベット取られてたら
余計疲れ溜めちゃうだろうし
でも……。
何か代わりになるものは、と
はやと専用のクローゼットを漁ると
シンプルな黒のパーカーを見つけた
俺がお揃いにしたいと言ったパーカーだ
「買いに行こうね」
と約束したけどあの後からずっと忙しいみたいで買いに行けていない
もしかして忘れてるのかな…
パーカーからまたほのかに感じるはやとの匂い
お揃い…に、したくないのかな。
でもすごく嬉しそうだったし、、
…これはその、お揃いにしようって言った約束を覚えてるか
確認取るために着るだけだから
別に寂しくて匂い嗅ぎたいとか
そういうのじゃないから。
と自分に言い訳をして腕を通す
瞬時に香るはやとの匂い
ぶわっとはやとの匂いが肺に溜まる
“幸せ”で頭も気持ちもホクホクする
はやとの匂いで安心したのか
うとうとと眠たくなってきた
クローゼットから離れ右側の自分のベット範囲に寝っ転がる
布団を足でとってかける
…前までは、はやとがかけてくれてたのに。
今じゃ…いいや
考えるのはやめよう
寝れなくなっちゃう
「じんと?」
「ん…」
優しい囁き声で目を覚ます
この声は
「はやと、?」
眠気まなこで名前を呼ぶと
ふふっと嬉しそうに笑う声が聞こえた
まだ少し重たい瞼を開いてみると
ぼやけてはいるがはやとだってことはわかる。
帰ってきたんだ…
その事実を実感した瞬間
なんだか恥ずかしくなる。
まるで俺が寂しいみたいなそんな…そんな
いや認めた方が楽なのかな。
そうやってぐるぐると考え事をする俺を
はやとが急にぎゅっと抱きしめてくる
その時にまた鼻先を通る
はやとの匂い
…安心する。
寝起きで若干ふわふわしているせいか
また少し眠くなってきた
いやここで寝るわけにはいかん、
はやとと話したいし。
と頑張って寝ないように眠気と格闘していると
「ただいま」
落ち着く声が俺の耳元で聞こえる
…おせーんだよばか、
なんて心の中で思ってるくせに
口じゃ言えない
それよりも今はこの体温を声を逃さないようにするのが優先…したいし
認めたくないな、なんか負けた気分。
俺だけ寂しかったみたいなさ、
まぁそうか
はやと言ってたもんな
「寂しいとか言う感情ない!」
ってさ
あれ本当だったらどうしよう
はやとがいるのに不安になって変なことを考えてしまう
もう嫌になる…
とは思っても流石に返事を返さないと心配されるので
「おかえり…」
と掠れた声で返事した
するとぎゅっと抱きしめる力が強くなる
突然のことに慌てていると
「そのパーカー俺のだよね…?」
え?パーカー?
何を言ってるんだ?と思ったのも束の間
自分の服を確認すると
ちゃっかりはやとのパーカーを着ていた
そうだ俺寝る前にはやとのパーカー着たんだった
うぅっわやったわ完全にどうしよこれ終わった
恥ずかしい無理まじ無理本当に嫌だ
恥ずかしくてはやとの胸に顔を埋めていると
「寂しかったの?」
優しく恐る恐る聞いてくるはやと
…今日だけ特別サービス、
はやとが!疲れてるから!
少しその…、サービスしてあげるだけだから。
サービスだけど緊張する…
頑張れ俺!やるんだ!疲れてるはやとのために!
「…うん、寂しかった、はやとがいつも隣にいるのが当たり前だから寂しかった!」
最後らへんはキレ気味に伝えてしまったが
これは全て本音であり俺の今まで隠していた気持ちでもある
はやとが遅くなるのはたまにあること
何回も経験してるのに
今日は特別寂しかった
なんでかはわかんないけど
帰りが遅い日がここ最近ずっと続いていたからかもしれない
伝えたのはいいものの恥ずかしすぎてはやとの顔を見ることができない
「…なんか言えよ」
静かな部屋の中
ペアルックに溢れたダブルベッドの上で
うるさいほど聞こえてくる心臓の音
どちらの音かもわからないほどに
静かな空間だけどそれでいい、それがいい
お互いの体温をこうして感じているだけで十分幸せだ、
「今日はくっついて寝ようか」
「…うん。」
「ずっとこうやって仁人のこと抱きしめられたらな」
俺も。
そうぼそっと小さな声で呟いた
最近コメントくださる方増えて感謝感激です。
ほんのに励みになります。
ありがとうございます。
それではまた。
コメント
5件
可愛い、、。とてつもなく可愛いです。桃さん絶対嬉しいだろうな、、。桃黄さんの可愛らしいところを描いてくれてありがとう御座います😊
読了しました。「寂しくない」って自分に言い聞かせるほど寂しくなるの、分かりすぎて胸がぎゅっとなりました。ペアのコップや普段はやと君がかけてくれる布団の記憶、パーカーの匂いに肺が幸せで満たされる感覚…「サービスしてあげるだけ」って強がって本音を吐き出すラスト、めちゃくちゃ良かったです。お互いの心臓の音がどっちのものか分からなくなる距離感、たまらないですね。 続き、気になります!