テラーノベル
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ーーーセイトside
キンコンカンコーン
授業の終わりを告げるチャイムを皮切りに
ざわつきだす教室
少し開いた窓から吹き込む
春の穏やかな風があいつの横髪を揺らす
セイト「おーい、ナオちゃん」
そう名前を呼びながら肩を揺すると
ゆっくりと眠そうな目を擦りながら頭をあげる
ナオヤ「んん…ナオ寝ちゃってた」
セイト「おん、ガッツリ寝てたで。ホンマ初日からよく寝れんな」
俺の顔を見上げまだ状況を把握出来ていない
ナオヤにそう呟く
俺達は今日、晴れて高校生となった。
ーーー今朝
ナオヤ「あーーっ!セイちゃんっ、同じクラスだよ♡」
セイト「あ、ホンマに?また今年もナオちゃんのお世話係継続か〜〜?」
校舎の壁に張り出されたクラス表を見ながら
嬉しそうにピョンピョンと飛び跳ねるナオ
それを横目に
セイト「担任は川縁先生…どないな人やろなー」
内心浮かれまくっているのを悟られないよう
平然を装って話す
俺はナオが好きだ
俺たちは幼なじみで、小さい頃から家族ぐるみで
仲が良かった
いつ、どんなタイミングでナオに恋愛感情を
抱いたのかは今でも分からない
気づけばナオは俺にとって特別な存在になっていて
同じ高校に行けるよう、必死に勉強もした
そんなナオと同じクラス。嬉しくないはずがない
ナオヤ「も〜セイちゃんっ!ナオと一緒で嬉しくないのっ!?」
ほっぺたをぷっくりと膨らませて
プリプリと俺を睨むナオの顔に
セイト「あ、ナオちゃんそろそろ時間やから行くで」
ナオヤ「ほんまや!行こ行こーっ」
たまらず本音を言ってしまいそうに
なるのをグッとこらえて
俺たちは教室へ向かう
ーーー1-A
ザワザワ…
教室へ入ると心做しか緊張した面持ちで
ホームルームの時間を待っているクラスメイトたち
中学からの知り合いなのか、ちらほらと
グループのような物も出来上がっている
ナオヤ「セイちゃん、どこ座る〜?」
教室をキョロキョロと見回しながら
空席を探すナオヤ
セイト「んー、 あの窓際とかいいんちゃう?」
窓際を指さしてそう言うと
ナオヤ「じゃあ、あそこにしよーっと」
そう言い残し俺を置いてスタスタと歩きだす
セイト「ナオちゃん、俺が見つけた席なんやから俺が1番後ろやで〜」
ナオヤ「はあ〜?こういうのは早い者勝ちやーん♡」
ニコニコと特等席に座るナオ
文句を言おうとした時
川縁先生「おーい、席に着いてーホームルーム始めるよー」
そう声が聞こえて振り向くと
20代半ばぐらいの男が教卓に立って
こちらを見ていた
川縁先生「そこ、空いてる席にさっさと座ってー」
ナオに小声で文句を言いつつ1つ前の
席に腰を下ろす
川縁先生「はい、全員座ったね。じゃあホームルーム初めまーす」
気だるげな感じで話すその男は
川縁拓途 先生、俺たちの担任らしい
川縁先生「じゃあまず自己紹介、順番に名前と趣味、言ってこっかー」
げ。俺こういうの苦手なんだよな
人見知りって訳ではないけど
やっぱり緊張はするものだし。
内心ドキドキしながらクラスメイトたちの
自己紹介を聞いていると、早々に俺の番が来た
セイト「あー、セイトです。趣味はー…ブレイクダンスを踊ること…ですかね」
クラスメイトA「ブレイクダンス?」
クラスメイトB「なんかかっこよ…」
少しザワついたのを気にしつつ
自己紹介が無事に終わったことに安堵し
ホッと一息ついて再び腰を下ろすと
ナオヤ「はいっ、ナオちゃんで〜〜す♡趣味は〜、お料理教室に通うことっ!で〜すっ♡」
キャピキャピとした声でそう話すナオヤ
セイト「おい、嘘つくなや!料理教室1回しか通ってへんやんけ!」
ナオヤ「も〜セイちゃんうるさいっ!みんな〜よろしくね〜っ♡」
ついいつもの癖でツッコミを入れてしまい
クラスに中に笑いが起こる中
ふと廊下側の1番後ろに座る男が
ナオヤを見つめていることに気づいた
あれは…確かエイ..キ?だったよな
自己紹介で、趣味は野球で野球部に入る予定
とか言ってたっけな
川縁先生「はい、じゃあみんな1年間よろしくね〜 1時間目は国語なので教科書の準備忘れないように」
そんなことを思っているとホームルームが終わり
再びクラスが騒がしくなった
クラスメイトA「ねえ、2人は中学からの友達なの?」
クラスメイトB「思った〜!なんか仲良さげな感じだよねっ!」
クラスの女子が数人俺たちの元へやってきて
そう問いかける
ナオヤ「そうやでっ!でも正確にはもっとちっちゃい頃から一緒やねん!幼なじみってやつ♡」
ナオはかなり愛想がいい方だ
初対面でも気楽に話すことができるし
なんて言ったってこのルックス。
スっと通った鼻筋に、クリっとした目
華奢な体にスタイルもいい。
クラスメイトA「へ〜幼なじみなんだ!私もナオちゃんって呼んでいい?」
ナオヤ「ええで!みーーんなナオちゃんって呼んでや〜♡」
そう言いながら女子たちとキャッキャと
楽しそうに話すナオ
クラスメイトA「えっと、セイトくん..?は、ダンスやってるんだよね?」
そう1人の女子が俺に話しかけてきた
セイト「せや…」
そう頷こうとすると
ナオヤ「そうやでっ!セイちゃんはダンスで大会優勝したこともあんねんから〜!すごいやろ〜っ!」
何故か得意げに話すナオ
セイト「なんでお前が自慢げやねん!笑」
ツッコミを入れつつクラスを見回すと
廊下側の席から視線を感じた。
またや。またあいつナオのこと見てる。
ホームルームの時間にも、エイキはナオを
見つめていた。あの時は気のせいだと
思っていたけどやっぱりナオを見ている
キーンコーンカーンコーン
先生A「はーい、1時間目始めますよ〜」
モヤモヤした気持ちでいるところに
授業が始まる合図がなり
俺は一旦気持ちを切り替えることにした
ーーー授業終わり
授業が終わり、ほっと一息。後ろを見ると
すやすやと寝息を立ててナオが寝ていた。
肩を揺すって起こすと眠そうに目を擦りながら
顔をあげる
″ホンマよう初日から寝れんな。″そう揶揄うと
ナオヤ「だってぇ〜…昨日も遅くまで電話してたじゃんっ」
セイト「お前が寝れへんから電話しろ言ったんやろ!」
寝てしまった言い訳を連ねるナオ。
俺のせいにするなと文句を言っていると、
誰かが近づいてくる気配がした
エイキ「えっと、ナオちゃん..?だっけ?俺、エイキ。よろしくなー」
顔を上げてみるとそこには、先程からナオを
見つめていたエイキが立っていた
ナオヤ「エイキくん?イケメンさんやねーっ!♡野球部なんやっけ?カッコええなぁ〜っ♡」
そう褒めるナオについ、
セイト「ナオはホンマ、誰にでもカッコええって言うよな〜っ笑」
お前だけじゃあらへんで、という牽制も込めていたと思う。
咄嗟にそんなことを呟いた。
ナオヤ「なによセイちゃん!ナオは思ったことを言ってるだけですーっ ねっエイキくん」
エイキ「ナオちゃんにかっこいいなんて言ってもらえて、俺光栄だなー 俺もさっきからナオちゃん綺麗だなーって思ってたんよ」
ナオヤ「きゃーっ♡聞いた!?セイちゃんっ!ナオ綺麗やってー♡」
嬉しそうに照れながら笑うナオを見ていると
無性に腹が立って
セイト「ナオちゃん、最近太ったからな〜」
そう揶揄う
ナオヤ「もうっ!セイちゃんの意地悪っ。」
わざとらしく顔を手で覆い、落ち込んだフリをするナオ
エイキ「え〜そうかな。俺は全然太ってるように見えないけど。」
そう言いながらナオの肩に手を伸ばして
ベタベタと触るエイキ
エイキ「ほら、肩周りだってこんなに華奢だし。むしろもっとお肉つけないとね」
ナオヤ「エイキくん、ナオのこと庇ってくれるなんて王子様みたーい♡野球部やし、筋トレとかしてるんよねっ?今度ナオも鍛えてやーっ♡」
俺の牽制なんてこれっぽっちも
喰らってないような余裕そうな顔で
ナオと話すエイキに無償にムカついて
セイト「ふーん、あ、俺トイレ行ってくるわ」
堪らずその場を離れた
コメント
1件
第1話読了〜!🎀✨ セイトのナオちゃんへの秘めた恋心、初日からもうじれったくて尊いよ〜😭💕 窓際の席取り合いとか、自己紹介で嘘バラすところとか、幼なじみの距離感がほんわかしてて大好き! でもエイキくん現れてからセイトのモヤモヤがリアルで…「太った」って揶揄うあたり、拗らせてるの可爱い反面切ない🥺 続きが気になりすぎる〜!!