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初投稿です。
注意⚠️流血表現あります 。
私の自己解釈が含まれます。
登場人物は007n7、スラッシャーです。
それでは、お楽しみください。
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ふと目が覚めた。
どうやら今はラウンド中らしい。
だが、そんなことを知る前から既に私は走っていた。
何故だろう。
周りの雰囲気からは、スラッシャーが近いことがわかる。そんなことを考えながらも、私は無我夢中に走っていた。
スラッシャーの音が遠ざかっていく。
いきなり、足がもつれ体勢が変わる。
幸い転ばなかった。
しかし身体は急に向きを変え、何者かに引っ張られるかのように走らされる。
ああ、どこへ引っ張られるのだろう。そっちはスラッシャーがいる方向なのに。
慌てて違う方向に走ろうとするも、身体の自由が効かない。
まるであやつり人形のようにスラッシャーの方へと連れられていく。
ふと目の端に、自分と同じ格好の人がいる。
おかしい。クローンは出していないは
ず……
そんなことを考えたって足は止まらない。
ついに、スラッシャーの元へ来た。
見つかってしまった。
逃げなければならないが、足が思うように動かない。
殴られる。
そう感じ身を固くするが、痛みは無い。
目を開けると、 自分の腹には深々と鉈が刺さっていた。
傷口はパックリと割れ、呼吸に合わせてドクドクと血が流れている。
痛みこそは感じないものの、グロデスクな現象に思わず顔を歪めた。
スラッシャーは次の攻撃をしようとまた鉈を振り上げる。
肩を斬られ、足を捕まれ、ゴキッと嫌な音がした。
でも、痛くない。
痛くないのに、死んだような感覚だ。
スラッシャーは私が再起不能になったと感じたのか、別のサバイバーがいる方へと走っていった。
私は寝転んだまま、動くことが出来なかった。
ああ、意識が遠のいていく。
痛みこそは感じないものの、ゲームオーバーにはなるのか。
朧気ながら、そんなことを考える。
足音が近づいてくる。誰か逃げてきたのだろうか?
最期の力を使い目を動かすと、そこには私と似たような人がいた。
ハンバーガーの帽子、青いシャツにおちゃらけた模様。
彼は私のそっくりさん、いや、私自身なのであった。
彼は近づき、私の前まで来た。
そして、私に向かってなにか呟いた。
「ご苦労さま、クローンくん。」
彼は、感情の読めない顔で私を見下ろしていた。
その顔を見て私は全てを悟った。
ああ、そうだったのか。私自身がクローンだったのか。
自分の使命を果たし、私は完全に死ぬのだ。
最期に自分の顔を見つめながら、ゆっくりと目を閉じた。
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