【桃side】
理解できない。すちがこの世に存在しない?だって俺にはすちが見えるもん。
翠「難しい言い方をしちゃったね。俺が言いたくないだけなんだけど。」
翠「簡単に言えば俺はもう生きてない。霊なんだよ。」
桃「霊…なのッ??」
翠「うん。俺はこの大きな木から離れられないんだ。」
桃「でも、なんで俺に『来ないで』って言ったの、?別に会いに来てもいいよね、?」
翠「俺はいつか消えるの。いつまでも過去に縋ってる場合じゃないしね。笑」
桃「でも…俺はすちが消えるまで会いに来たいよ…!」
翠「そっか。じゃあいいよ。」
桃「本当?!じゃあまた明日ね!」
翠「ふぅ〜。頑張るか。」
あれから一年が経った。でもまだすちは消えてない!!
すちの冗談だったのかな?
桃「すち〜!今日も来たよっ!」
あれ、すちが居ない。
いっつもここに座って待ってるはずなのに。
桃「あっちの方行ってみるか!」
桃「こんな崖の所にいるわけないよね〜」
桃「あれ?誰かいる?」
よく目を細めてみると。
緑色の髪にメッシュの黒。そして綺麗な紅色の瞳。
桃「すちだ、!」
桃「すっち〜!なんでそんな所にいるの〜?」
翠「近づかないで。」
桃「なんでっ?遊びに来たんだけど…」
翠「もう今日は帰った方がいいよ。」
気のせいかすちの声が少し震えている気がする。
そして少しずつすちが透明になっていってるような…
桃「帰らないよ、?なんで震えてるの…?」
翠「…本当に聞きたいの?」
俺はこの時『まさか』と思った。
一応可能性を信じて、覚悟を決めてから聞くことにした。
桃「…俺はすちから聞きたいんだ。」
翠「わかった。じゃあ話すね。」
翠「俺もう少しで…」
翠「消えちゃうかもしれない笑」
桃「えッ?!」
俺はすちが幽霊だと聞いた日からいつかわこうなると覚悟を決めたつもりだった。
だけど…
桃「俺まだすちが必要なんだ…ウルッ」
翠「泣かないで。らんらん。」
翠にそう言われると涙が込み上げてくる。
桃「俺やっぱ無理だよぉポロポロ」
桃「すちが居ないとやだ!」
翠「ごめんね。でも後5分もしたら消えちゃうんだ…」
桃「やだ!これからもすちと一緒にいたいの…ポロポロ」
翠「じゃあらんらん。約束しよっか。」
桃「約束っ?ポロポロ」
翠「俺が今消えても絶対に生まれ変わってらんらんに会いに行く。」
翠「これで許して?笑」
すちの表情を見ると、曇った顔をしていた。
でも俺を不安にさせない為に笑って話しかけてくれている。
今思えばすちの優しさに救われてたんだ…。
最初に『もう来ないで』って言ったのは俺を悲しくさせない為だったんだよね..?
なのに俺は…
桃「絶対生まれ変わって来てよ!!!ポロポロ」
翠「当たり前だよ。ほらね?」
すちは俺の手を優しく握ってくれた。
桃「うんッ!!」
翠「じゃあね..!きっとまた会えるよ。」
桃「ギュッ」
俺が少し抱きしめると、すちは居なくなっていた。
あれから5年。 俺は大学生になった。
勉強や仕事の毎日で疲れていた。
桃「今日もめんどくさいなぁ〜!」
?「めんどくさいなんて言わないでよ。」
桃「ん?クルッ」
振り返ると緑の髪に黒メッシュがかかった少年がいた。
翠「らんらん。ただいま!」
桃「すち!おかえりなさい〜!」
君は約束をちゃんと守ったんだね。
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神かな…