⚠晴明達学生設定⚠
一応結婚は卒業したらという事です。
学校にて……
晴明『……あ、あれ、雨と道満さん……?』
学園の中庭。
昼休みの陽射しの中で、二人が木陰に腰を下ろして話しているのが見えた。
その光景は、まるで恋人たちの穏やかな午後のように見えて――
晴明の足がふと止まる。
(……また一緒にいる)
近づくこともできず、ただ遠くから眺めてしまう。
聞こえてくるのは、途切れ途切れの笑い声。
雨の明るい笑い声と、それに小さく相づちを打つ道満の落ち着いた声。
晴明『……本当に、仲良いな……』
思わず呟いたその声は、自分でも驚くほど弱かった。
胸の奥が、ぎゅっと締めつけられる。
そのとき――
後ろから肩を叩かれた。
蘭丸「あれあれ〜、晴明君は覗き見?あっちゃんが見たらびっくりしそうだね〜」
晴明『ら、蘭丸さん……』
蘭丸『そんな顔しないでよ〜。冗談冗談』
蘭丸は相変わらず軽い笑みを浮かべて、晴明の横に並ぶ。
その視線の先、雨と道満を見て、ふっと目を細めた。
蘭丸『へー……楽しそうだね、あの二人』
晴明『はい……』
蘭丸「でも、なんで君はいつも泣きそうなの?」
晴明は答えられなかった。
喉がひりつくように痛くて、言葉が出てこない。
晴明『……僕、応援してるんです。二人のこと』
蘭丸「うん…?」
晴明『……雨が、幸せになってほしいから』
蘭丸「……ふーん」
蘭丸は口の端だけで笑うと、優しく背中を叩いた。
蘭丸「ま、でも、君にそういう顔は似合わないよ、晴明くん」
晴明『え?』
蘭丸「そんな顔をしてるより、笑ってる方が可愛い……だから笑っていて欲しいな」
晴明『……蘭丸さん……』
その言葉が、静かに胸に残る。
***
午後の授業が終わると、雨が駆け寄ってきた。
雨明「晴! 一緒に帰ろ〜」
晴明『うん……いいけど』
雨明「どうしたん、元気ないやん」
晴明『……別に。ちょっと眠いだけ』
雨明「ほら〜、絶対嘘や。顔見たら分かるもん」
雨は頬をふくらませて、ぐいっと晴明の手を掴む。
雨明「……なぁ、晴。俺、道満さんとちょっと話すこと多いけどな、別に変なことやってないで?」
晴明『……そっか』
雨明「うん。なんか、あの人話聞いてくれるし、晴のことよう分かってる人やな〜って思って」
晴明『……へぇ、そうなんだ』
無理に笑おうとしたけど、声が少し震えた。
雨は気づかずに笑っている。
雨明「なぁ、晴。俺さ、もっと強なりたいねん」
晴明『強く?』
雨明「うん。……晴が笑ってられるように、守れるぐらいにな」
その言葉が、心の奥まで突き刺さった。
――雨は、やっぱり優しい。
だからこそ、勘違いしてしまう。
本当は、僕が“誰かの支え”になりたかったのに。
晴明『……ありがと、雨』
雨明「なんや、急に真面目な顔して」
晴明『ううん、なんでもない』
晴明はいつものように微笑んでみせた。
でも、胸の奥ではもう分かっていた。
この優しさに甘えたら、きっともう戻れない――。
そう思いながら、手を握り返すこともできず、ただ歩く二人の影が夕陽に伸びていった。
コメント
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晴も雨も優しすぎるよぉぉぉぉ好きだぁぁぁ!!!!!!😭😭😭