テラーノベル
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あなたの香りに染まるまで
1日目
💛💙
※センシティブなし
※❤️登場なし
※💛女体化
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wki side
今日も1人で調香をしている。俺はこの仕事が大好きだ。
その人に合った香水を作って、それがお客様に喜ばれる。
自分の好きなことをして、誰かに喜ばれる。それほど嬉しいことはない。だけど、この仕事はそんなに儲かるほどではない。
なぜなら、あまり人が来ないからだ。
どのくらい来ないかと言うと…直近の数えられるくらいの人の顔や名前、調香した香りぐらいならばはっきりと覚えているくらいだ。
あー…今日も暇っちゃ暇だな。
そんな時、俺の工房に1人の女性が訪れた。
しっとりと湿り気を帯びた長い髪、白い首筋からは仄かに甘い「百合の香り」が漂っていた。
「私のために、世界でひとつだけの香りを作ってほしいの」
彼女は初めにそう言った。
俺の中の彼女の第一印象は、とても綺麗な人だった。
どこかで嗅いだことのある香りが……
いや、気のせいか。
俺は彼女を作業台の前へと誘った。
調香とは、その人の肌の温もりや体質、さらにはうちに秘めた情動までを紐解く作業だ。
俺は彼女の手首をそっと取り、脈打つ肌に自身の指先を重ねた。
じんわりと伝わる熱と微かな震え。
俺が彼女からそんなことを感じ取っていた時、彼女から質問をされた。
r「お名前は?」
w「滉斗です。あなたのお名前は?」
r「滉斗さんって言うんですね、私の名前は涼架です。」
w「どの様な字をお書きになるんですか?」
r「涼しいの涼に、架け橋の架です。」
w「わ、素敵なお名前ですね。」
r「ありがとうございます笑、ところで滉斗さん、彼女はいらっしゃるんですか?」
涼架さんからそう聞かれたとき、思わずドキッとしてしまった。
俺には今、偶然彼女がいない。そして、目の前にいる涼架さんはとても綺麗な人だ。
もしかしたら、と期待を寄せてしまうが、俺は今仕事中だ。しっかりしろ、俺。
w「今はいないです、こないだ別れたばっかりなんですよね笑」
r「まぁ、そんな。滉斗さんかっこいいのに。」
w「…いえいえ、そんな。涼架さんこそ、お綺麗ですよ。」
俺は内心、期待に満ち溢れて堪らなかったが、ここは冷静に。
だけど、もう少し涼架さんのことを知りたいと思ってしまった。まぁ、相手のことを知ることも仕事の内の1つだ。そう言い聞かせた。
w「涼架さん、趣味はあるんですか?」
r「…最近は…香水集めが趣味なんです。」
w「もしかして、それでうちに来てくれたんですか?」
r「はい!ここに入ったときから、すごくいい香りがして。…この香りも好きだなぁ。欲しくなっちゃう。」
w「え!そうだったんですね。すごく嬉しいです。」
そんな会話をしながらも、彼女に合う香りは何かと考え込んでいた。
w「あなたの肌は、光を吸い込む様に温かい。
…重厚で、少し甘いノートが合いそうですね。」
俺がそう言うと、彼女は息をのんで瞳を伏せた。
吐息が交差するほどの距離で、彼女の首筋や鎖骨のあたりに、試作の香水を一滴ずつ垂らしていく。
香料が体温で温められ、肌の上で花開くたび、2人の間に艶やかな熱が充満していった。
w「…うん、いい香りだ。涼架さん、香水の完成にはまだ時間がかかります。あと約2日程で完成いたしますが、明日と明後日、両方来ていただくことは可能でしょうか?」
r「えぇ、可能です。」
w「ありがとうございます。ではまた明日、よろしくお願い致します。」
r「今日はありがとうございました!また よろしくお願いいたします。」
…ふぅ。涼架さんも帰ったことだし、ひと段落したな。
涼架さん、香水でも付けてたのかな?
やけに百合の甘い香りがしていた。そのせいで、涼架さんをイメージした香りを思い浮かべるのに少し時間がかかってしまった。
あ、もうこんな時間だ。店閉めなきゃ。
明日は涼架さんが来るから店開けとかなきゃな。
今思えば、俺はあの時、涼架さんのことが気になっていたのだと思う。
コメント
1件
わあっ…!1話からもう世界観に引き込まれちゃった…!😳✨ 調香師の滉斗くんと、お客さんの涼架さんの距離感がエモすぎる…! 手首に触れるところとか、体温で香りが変わるとか、そういう細かい描写にめっちゃグッときた…💘 それに涼架さんから漂う「百合の香り」って伏線っぽくて気になる〜!! 続きが待ち遠しすぎるよ…!さみしさん、素敵な作品ありがとうございます🌸💕
若菜
21
#独り言
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