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太宰→「」

他→名前書


谷崎:ホントにこっちで合ってるの、!?

暑い外で只一人の男を追う

敦:はい、虎の鼻は良いので合ってる筈です

唯一の頼み綱

国木田:そもそも彼奴が匂いの元に居るかも判らんがな

そう云っておきながら脚は止めず走り続けている


谷崎:はァ、やっと着きましたね、

匂いのする場所が見えはしないもののかなり近い場所まで来た

国木田:休んでいる場合じゃない、早く行くぞ

敦:少しの間だけですが僕が背負って行きましょうか?

谷崎:嫌、気持ちだけ受け取っておくよ

話を終え何歩か先へ進むと―――


敦:何です、此れは⁉

其処には奇麗な火柱が立っていた

谷崎:大規模、

国木田:太宰‼

其処で立ち尽くしている男に声を掛けた


だが返事は無い

遠くから良く其の男をよく見ると普段の男から想像できないような顔をしていた

誰しもが驚いただろう

だが其れより其の男が火柱の近くにいることが大問題だった

何度離れろと云っても全く動かない

絶望したまま其の男、太宰治は火柱を見つめているのだった



身体が動かない

皆の声が聞こえたが私の身体は聞かなかった

――貴様のせいで火柱に燃えた私を忘れるな

もう消し去ろうとしていた記憶が流れ込んでくる

――同じ状況になっても貴様は何も変わらない

過去は振り返らないと誓った筈だったが

今は過去の事に対しての後悔で気は精一杯だ

――君は如何かしてる

――貴様の事を理解出来る人間など居ない

そう囁かれた気がした


今にも走り出したい、扶けに行きたい何て思ったが

皆のせいで其れは叶わない

何度も落ち着けと云われたが其れは不可能だった

敦:だって!太宰さんの近くまで!足元迄!

敦:火が迫ってるじゃないですかッ、!!

こんなの現実じゃない

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