テラーノベル
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桃の襲撃を何とか抑え込み、呼吸を整える鬼サイド。
仲間の無事を喜ぶ一方で、下っ端の割にはタフだった相手の強さに驚きと疑問を感じているメンバーもいた。
鳴海もまた敵の状況も踏まえた上で部下と今後の話をしていた
「お疲れ様です鳴海隊長。お怪我は?」
「かすり傷ぐらい。すぐ治るからほっといていいよ」
「せんぱーい、あの戦いだと紫苑ちゃんやりづらいでーす」
「それは謝るけどいい加減服着てくんない?」
そう言って朽森に服を投げ渡した鳴海。
だが当の本人はそれを受け取らず、何故か彼に背を向けて歩き出した。
「じゃあそこの部屋行こっか」
「は?」
「外で着替えるの恥ずかしいじゃ「裸ジャケットが何言ってんの 」
「紫苑ーー!!?」
「うっわ…頭が壁にめり込んでる…」
「手馴れてたな…」
例の如く鳴海によって壁に埋められた朽森と引っ張りだそうとする隊員達。
鳴海はと言うと反省どころか気にもしておらず倒した桃太郎から何か情報は無いかと私物を漁っていた。
「財布に…メモ帳…ガムに…ロクなもん持ってないな」
「隊長、彼等は一般隊員と見受けました。あまりいい情報は期待出来ないかと」
「だよねー…身元確認出来るものだけ返そっか。あとはこっちで燃やしちゃお」
「御意」
一応敵とはいえ相手にも帰りを待つ相手はいるはず。人として最低限の事はするつもりで鳴海は息の無い桃太郎を運ぶよう指示した
抜き取った免許証その他諸々を1つにまとめながらその場で部下に収集をかけた。
「じゃあ戦闘部隊は俺と同行ね。柚はそのまま待機して、獄卒の真逆は柚のサポート、舞蝶は俺らのサポート。何かあれば無線でその都度ちょうだいね。」
「「了解」」
「相変わらず無駄の無い統率力だな」
無陀野達が関心してる最中、学生組(主に男子)は目をキラキラさせていた。
「なんだアレ!チョーかっこいい!!」
「高円寺の戦闘部隊なのか?」
「何言ってんだ?アレは鬼機関の中でもエリート集団の部隊だ。授業聞いてなかったのかよ」
わちゃわちゃしている一ノ瀬と矢颪を横目に皇后崎がパッと説明した。
「要するにめっちゃ強いやつ集団ってことか!」
「要約すればな。本当に授業受けてたのかお前ら」
「俺らでも入れんのか?」
「基本的にはスカウトか推薦だな。八咫烏に入れたら名誉どころか異動する際もあちこちから引っ張りだこになる」
八咫烏について追加でパパっと説明した無陀野は青年達の目が輝いているのには気が付かない事にした。
「うーん。現役のうち言うのもあれだけどやめといた方がええわぁ」
「!」
「たしかに。まだうら若き青年たちは厳しいかと」
「下手すりゃ訓練で死ぬしな…」
現役八咫烏隊員が口々に “やめておけ” と勧めてきた。理由を聞けば全員渋い顔をしていた。
「入隊前の審査の1つに実技試験があってなそれがえらい厳しいんやんな」
「実技試験?」
「俺が指定した指令をやってもらうだけだよ。」
「へぇ」
「いやいや、その指令が厳しいんですよ」
曰く、実技試験内容はその都度変わり花山院の時は桃太郎機関アジトの陥落だったそうな。
新人はまずその指令から生きて帰ることが前提条件なのだ。
「八咫烏に入ればハイリスクハイリターンだから志すやつは多いんだよね」
「例えば?」
「例えば隊服のカスタムが許されてる」
八咫烏は正装のカスタムが許されており(鳴海権限)で真逆はロングコート、舞蝶はゴスロリと言ったように各々が好きなようにカスタムしている(鳴海は女性隊員が着ているタイプをカスタムしている)
「侵入者はあらかたやったな」
「なんでここまでこれたのぉ?やっぱ内通者いるクサくない?」
「わからねぇが、まずは拠点を奥に移すぞ」
「花山院が途中で治療してたとはいえ、隊員も多数負傷してる。ここが手薄になるな」
「確かにもう少しここには人員が欲しいな…」
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「あの!僕、残りますよ!僕の能力なら常に警戒できますし」
「確かに索敵できる人がいるといいね」
「俺も残る」
「じゃあ四季君、皇后崎君、遊摺部君は俺と一緒に動くか」
「こっちからは逆と柚を残そうかな。」
「大丈夫なの?」
「お気遣い感謝致します。ですが心配無用吾輩ら鳴海隊長自らの手ほどきを受けております故、並の一般隊員相手には負けません」
「心配無いみたいだね。」
「じゃ、よろしく頼んだよ2人とも」
「「了解/御意」」
その後鳴海は部下を引連れ空き部屋に移動し今後の方針を決める会議を始めた。
空き部屋に移動した鳴海は改めて今後の方針について話し始めた。
「まずは行方不明だった愛執と縫依の件だけど、無事に見つかって今は治療中」
「このまま復帰予定ですか?」
「本人達次第。次にこれからの予定だけど」
「やはり二手に分かれて行動するんか?」
「その方がいいかもと思って。って言っても俺は単独で紅亜達がまとまって動いて。」
「了解!」
「舞蝶はサポートを」
「分かりましたわ!」
「さっきも言ったけど何かあればその都度連絡し……」
不意に俯き黙ってしまった鳴海を見て紅亜が声をかけようとするとため息をついてガシガシと頭を掻きむしった。
顔を上げた鳴海を見てその場にいた全員の背筋が凍った。
「全部面倒だな…全員殺すか」
普段ならそんな事言わない鳴海がそう言うという事はかなりストレスが溜まっている証拠だと、以前誰かから聞いたことがあった
「…隊長おひとりの力があってもそれは不可能かと申し上げます。」
「地方の桃関ならいざ知らず。ここは指折りの隊長副隊長が在籍してるからいくら隊長とはいえ無理が過ぎる」
「俺が暴走状態に入ればこの状況も変わるかもね」
「! それだけはやめとぉくれやすね鳴海はん。ここら一帯焼け野原になりますえ」
「わかってる、わかってるけど…」
「もし仮にそうなった場合、救えるはずだった鬼の人たちを救えなくなり貴方の大切な人達の命をも脅かすことになります」
その時、扉をノックする音が響いた。
扉を開けた先にいたのは先程保護した八咫烏隊の2人
「隊長、僕らも参加する許可をください」
「…もう怪我はいいの?」
「そこまで酷くはなかったのであとは鬼の血の治癒能力に任せます。」
「…入って。これからの行動を説明するから」
中途参加の2人も交えて作戦会議を再開する。
「…てな感じでよろしくね」
「「了解」」
「じゃ、解散する前に獄卒の2人呼んでもらっていい?」
「お呼びですか?お兄様」
「うん。中に残る2人に監視して欲しいひとがいるんだけどさ」
「…それは、場合によっては筺行きになりますか?隊長」
「もし、意図的な裏切りが発覚した場合、俺が直接手を下す」
「「御意/了解しましたわ」」
さぁ、いよいよチームに分かれての行動開始だ。
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