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ぷうなさん
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体育祭当日。
朝から学校中が騒がしい。
普段は静かなC組も、今日は妙に浮ついている。
「体育祭……嫌。」
私は小さく呟いた。
別に運動が嫌いなわけじゃない。
ただ、人が多い場所は疲れる。
そして何より。
今日はあの子の走りを見ることになる。
雷魔法使い。
前回の訓練から、少しずつ変わってきている。
最初は0か100。
でも今は違う。
ほんの少しだけ。
自分の力を調整できるようになっている。
本人は「17%くらいなら安定して使える」と言っていた。
……17%。
数字だけ聞けば大したことがない。
でも、あの子にとっては大きな進歩だ。
「白峰!」
後ろから声をかけられる。
振り返ると、彼がいた。
「今日の100m、絶対勝つから!」
「……そう。」
「応援してて!」
「……気が向いたら。」
「そこは応援するって言ってよ!」
……朝からうるさい。
でも。
少しだけ楽しそうだった。
-–
そして100m走。
各クラスの代表がスタートラインに並ぶ。
今年は粒ぞろい。
影を使って移動する御影。
風を刃のように操る神谷。
身体を鉄のように硬くできる九条。
そして。
加速の異能を持つ桐生。
普通の100m走なら、彼らが圧倒的に有利。
雷魔法使いは小柄。
身長142cm。
脚の長さだって不利。
だけど。
本人は笑っていた。
「……位置について。」
静かになる。
「よーい……」
パンッ!!
一斉に飛び出す。
速い。
想像以上に速い。
御影が影に潜る。
神谷が風を蹴って加速する。
桐生は純粋な加速能力で一気に前へ。
そして。
雷魔法使いの足元が光った。
バチッ!!
「17%……!」
一瞬。
身体が消えたように見えた。
「……速い。」
私の口から、思わず声が漏れる。
彼は桐生との差を一気に縮める。
でも。
「まだ……!」
さらに魔力を上げる。
18%。
19%。
そして。
「20%……!」
雷が全身を駆け抜ける。
速度が一段階上がった。
観客席から歓声が上がる。
ゴールまであと少し。
桐生とほぼ並ぶ。
「いけ……!」
気付けば私は立ち上がっていた。
そして。
ほぼ同時にゴール。
判定の結果。
「1位、桐生!」
「2位、雷魔法使い!」
惜しい。
でも。
彼は悔しそうにしながらも笑っていた。
「……負けた!」
そして拳を握る。
「でも、20%まで壊れずに使えた!」
私は少し驚いた。
前なら。
20%なんて使えば身体が耐えられなかった。
でも今日は違う。
失敗しなかった。
制御できた。
確実に成長している。
「白峰!」
「……何。」
「見てた?」
「見てた。」
「どうだった?」
私は少し考える。
「……前より速かった。」
「それだけ?」
「……うん。」
「えー!」
彼が騒ぐ。
私は小さく笑った。
でも心の中では。
(かなり成長した。)
そう思っていた。
体育祭はまだ始まったばかり。
そして。
彼の成長も。
まだ始まったばかりだ。
――白峰観察日記。
本日の記録。
「使用可能出力、20%。」
「身体への負担、以前より大幅に減少。」
「速度、大幅上昇。」
そして最後に。
「……少しだけ、楽しそうだった。」
それが今日、一番印象に残った。
コメント
1件
**美月ゆめか🌸** うわああ体育祭回キター!!🔥🔥 小柄なのに20%まで安定して雷使えて、桐生とほぼ同着ってマジでかっこよすぎる…!😭💕 白峰が立ち上がって応援しちゃうとこ、良すぎて胸キュンしたわ〜「少しだけ楽しそうだった」って観察日記の締めもエモすぎるんだが!!?? 次も待ってるよみたらし団子さん!!✨