⚠️注意⚠️
戦争表現あり
びみょーにグロいかも💦
結構内容重ため
史実通りではない
政治的意図無し
ご了承いただける方だけスクロールおなしゃす。
それは暑い夏の日だった。
太陽の光がさんさんと照りつけ、蝉の声が町中に響き渡る。そんな日だった。
「はぁッ……はぁッ……はぁッ……」
一人の男が汗を流し、肩で息を整えながら、手に持った日本刀の刃先を目の前の男に向けている。
大日本帝国である。
日帝の着るカーキ色の見るからに暑そう
な軍服は、所々破れそこから血が滲みだしている。
頭からは血が流れ、頬をつたい、地面にポタポタと赤い染みを作りだしていた。
「ふーん。ここまでやられてもまだ折れないんだ。」
「お前が早くに俺を仕留める事が出来なかった時点で、負けは確定してたっていうのに。」
日帝の持つ震える刀身の刃先にいる男が挑発的な態度で言った。
アメリカ合衆国だ。
日帝と比べ、遥かに身長が高くガタイのいいアメリカ。
戦争開始直後なら日帝でもアメリカと張り合えたが、長期戦に入ればやはりその差は歴然だった。
「ははッ……」
「何を言う……」
「私は誇り高き大日本帝国の軍人だ……」
「命にかえてもこの国を護ると決めたんだ。」
「最期の最後まで私は戦うッ……!!」
「はぁーッ……」
「そのー……ヤマトダマシイって奴、だっけ?
本当にめんどくさいね。」
「ドイツもイタリアも降伏したってのに……」
「まだ現実を見れてないの?」
「ほんっとうに脳がない奴だな。」
そういうや否やアメリカはぐっと距離を詰めると、日帝の腹を目掛けて拳を振るった。
「くッ……!」
すんでのところでアメリカの攻撃を交わした日帝は、すかさず刀を振り下ろす。
が、その刃先はアメリカの皮膚を少し切った程度で、大した攻撃にはない。
体制を低くして攻撃を避けたと同時に、アメリカは足首に隠し持って括りつけていた銃を取り出し、銃を構える。
アメリカのサングラスに映る日帝は動揺の色を表していた。
そして、引き金にあてる指に力を込める。
───パァンッ!!!
1発の銃声が空高く響いた。
鈍く黒光りする銃から放たれた1つの銃弾は空を斬り裂き、日帝へと吸い寄せられていく。
ドスッという衝撃を感じた瞬間、日 帝の右肩から銃弾と一緒に血が飛び散った。
打たれた衝撃で日帝はバランスを崩し後方へと仰け反る。
アメリカは見事に狙った位置に銃弾をめり込ませた。そう。狙った位置───右肩に。
アメリカは何故急所の心臓やみぞおちを狙わず、右肩を狙ったのか。理由はただ1つ。
戦争が終わったらこのまま日帝を利用するつもりだからだ。
「くぅッ……うぅッ……!!」
利き腕である方の肩を打たれた日帝は握っていた刀を落としてしまった。
カランカランと音を立てて転がって行った先には一人の姿がある。
地面に座り込み、ボロボロの姿で日帝とアメリカを見つめる朱色の瞳。
「祖国……様ッ……!」
その 瞳から瞬く間に大粒の涙がこぼれ落ちた。
「沖……縄………」
沖縄は日帝に近づこうとするも、自身の傷が酷く、動けそうにない。
何とか動こうともがいていた沖縄だが、背後に歩み寄る影に気づくことは出来ない。
「沖縄ッ……!後ろッ……!!!」
刹那、日帝の叫びは沖縄の耳に届くことは無く。
アメリカは沖縄の腹に向かって拳を打ち込んだ。
「うぐッ……!?」
涙に濡れる大きな瞳を一際大きくした沖縄は、直後、地面に倒れ込む。
「はぁーーッ。どいつもこいつも……」
「面倒な奴だぜ全く……」
そういうとアメリカは咳をしてうずくまる沖縄の胸ぐら掴んで持ち上げた。
「うッ……あがッ……」
息が出来ない沖縄はアメリカに必死で抵抗する。
が、その努力も虚しくアメリカはびくともしない。
「ぅがッ……ア゛……ぁ゛……」
沖縄の手足が痙攣を始めた頃、アメリカは日帝に向かって呼びかけた。
「さーあ、日帝ちゃん。」
「降伏する気になったかな?」
「もし降伏しないんなら、こいつだけじゃなく他の都道府県も───」
アメリカがいい終わらぬうちに日帝が動きだした。
その右手には短刀が握られていた。
そして、その刃先がアメリカの右目を目掛けて突き進む。
「───おっと。」
日帝の刀をすんでの所で避けたアメリカだが、衝撃でかけていたサングラスが吹き飛び、スカイブルーの瞳が露になる。
「……その手を離せ。」
「米国。」
「Wow…!」
「さすが日帝ちゃん!早いね!」
「……でも、今の行動は降伏黙殺と捉えさせてもらうよ。」
アメリカは沖縄を持つ手を離すと、そのまま日帝へとナイフを振り下ろした。
すかさず日帝は刀でその一撃を受け止める。
あまりの衝撃に刃と刃の間で火花が散り、日帝も思わず顔を顰める。
そして、日帝はアメリカの一撃を上手く後方へ受け流すと、刀を真一文字に振った。
「よっと……」
しかし、その刀はアメリカの服を切り裂いただけで、意味をなさなかった。
「しかしまぁすごいね、日帝ちゃん」
「折角お前の利き腕である右肩を狙って撃ったのに……」
「それに構わず、刀を振るうなんて!」
「さすがは皇国!!」
「黙れッ!!!」
「がはッ……!!ゲホッゲホッゲホッ……!」
「はぁッ!はぁッ!……ゲホッゲホッ!!」
アメリカの手から解放された沖縄は、地面にうずくまり、必死に呼吸を整えていた。
酸欠のためか、はたまた失血のためか。
黒くなりつつある視界には、アメリカと自身の祖国の姿があった。
あんなにも大きい体を持つアメリカに、ほぼ丸腰で挑んでいく、小さな日帝。
アメリカの重い拳を受ける度に、嫌な音が鳴り響き、思わず沖縄は目を瞑る。
あんなに小さくて、あんなに傷を負って、あんなに血を流して。
それでも祖国様は、大きな大きな米国へ突っ込んで行く。
どうして……?
どうして……祖国様はこんなにも諦めずに戦うの?
どうして自分の事を大事にしないの?
どうしていつもいつも……僕たち都道府県の事を守ろうとするの?
祖国様が降伏しないのは、降伏したら僕たちがアメリカに統治されて、何されるか分からないからでしょ?
それをさせないが為にそんなに頑張っているんだよね?
「お前たち都道府県を守るのは俺の役目だから」
よくそうやって言って笑顔を創っていたよね。
日帝とアメリカの姿が、涙が今にも溢れそうな沖縄の朱色の瞳に反射する。
お願いです祖国様……。
どうか……どうか祖国様のお身体が崩れてしまう前に降伏をしてください。
僕たちのことは大丈夫ですから。
もう充分ですから……。
どうか……どうか……。
嗚呼、神様。
もし貴方がこの國に存在するのであれば
どうか、どうか、この国、
日本国をお助けください。
日帝の腹に深々と突き刺さる太い針。
その針はアメリカの手に握られ、まるで注射器のような見た目をしていた。
「ぁッ……あ……?」
自分が何をされているの分からない日帝は困惑していた。
ついさっきまで切り付けあっていたのに。
一瞬の隙を突かれて左腕を掴まれ、アメリカに引き寄せられたかと思えばこの状況。
鈍い痛みが腹を襲ったのでナイフで突かれたと思ったが、実際見てみればそれはナイフではなく注射器。
───一体どういうことだ……?
何をさせられている……?
注射器の中を見れば、どす黒い液体が並々と入っていた。
───まさか。
そう思ったのもつかの間、アメリカは手に力を込めてその液体を勢いよく日帝の体内に注入していた。
「早く降伏しない日帝ちゃんが悪いんだよ?」
一瞬困惑した日帝だが、すぐに気を立て直し攻撃に転じた。
短刀の刃先をアメリカに向け、そのままアメリカの喉をかき切ろうとしたその時。
───ドクン。
「ッ……!?」
日帝の心臓が大きく脈打った。
日帝の握る短刀が、アメリカの首に触れるすんでのところで停止する。
大きく見開かれた その真っ赤な目をしっかりと捉えたアメリカは口角を釣り上げた。
「さぁ……どんな反応を見せてくれるのかな?」
アメリカの不気味な笑顔を捉えた次の瞬間。
日帝の体にまるで稲妻のように衝撃が走り、その反動で背中を逸らし、うえを向いた日帝はそのまま吐血する。
「……ぅあ゛あ゛あ゛があ゛あ゛!?!?!」
ドクンドクンドクン。
一層大きく、速い鳴り止まぬ鼓動。
刺されたところを中心に広がる燃えるような熱さ。
力の入らぬ全身。
日帝は手から短刀を取りこぼし、耐えきれなくなったのか、ついに地面に膝をついてしまった。
「ゲホッ!!ガハッガハッグフッ!!」
日帝の口から血が吐き出され、地面が赤黒く染まっていく。
手足の先は痙攣を起こし、所々まるで皮膚が溶けているようにただれていく。
「おーー!思ったよりも強力だね〜!」
「良い実験結果だ!!」
「こりゃあすげぇ兵器作っちまったなぁ〜!!」
アメリカはしゃがみこみ、日帝の顔を見つめる。
いつもならギラリと睨みつけてくるはずだが、今回はそれがない。
それだけ余裕がないんだろう。
なんて考えながら、アメリカは気を失っている沖縄に近づく。
「よーし。もう多分これでさすがの日帝ちゃんも降伏するだろうし……」
「後は都道府県らをどうするかだなぁ……」
「とりあえずこいつは直後統治するとして……」
「問題は───」
「待て…ッ……」
シュッッッッ!!!!
「…ッ……は……?」
自分の真横を通り過ぎていく宙に浮く短刀。
その短刀にはどこか既視感がある。
なんだ……?
何が起きた……?
その宙に浮いた短刀は重力に逆らいきれず、地面へと落ち、回転しながら滑走して行く。
投げられた……。
誰かに短刀を投げつけられた……!!
アメリカは驚き、短刀が飛んで来た方向を振り返る。
そこには、短刀ではない、日本刀を握った日帝の姿があった。
「は……ッ……?」
なぜ……?なぜ日帝が立っている……?
どう見てももう立てる状態じゃなかっただろう……?
なんであいつはあの状態で立っているんだよ正気かッ……!?
やっぱり……やっぱりあいつは……
大日本帝国は狂ってるッ……!!
アメリカが動揺して固まっていると、その隙を逃すまいと刀を構えた日帝が迫ってくる。
「…ッ!……まずッ───」
ズシャッッ!!!
日本刀の鋭い刃がアメリカの皮膚を切り裂く。
顔を顰めるアメリカの腹から血が飛び散った。
「チッ……この野郎゛ッ……!!!!!」
「どんだけしつこいんだよ!!!
お前はッッ!?!?」
「先程も言っただろうがッ!!!!!」
「私はッ……!俺はッッ……!!!!」
「最期の最後まで戦うとッ……!!!!」
「その大和魂だって今日で終わりだッ!!!!」
「お前だってわかるだろッ!!」
「もう今のお前には勝ち目が無いッ!!!!」
「俺に勝ったところでお前は一人で立てない!」
「相討ちだ!!!」
「……もっとも!」
「俺を敵に回した時点でお前の敗北は決定されたようなものだがなぁ゛!?!?!!」
怒りに任せたアメリカは隠し持っていた最終兵器──液体の入った注射針を取り出した。
これはさっきあいつに打ったやつよりも強いものだ……!。
これを首に打ち込みさえすれば日帝は必ず倒れる。
必ず白旗をあげるッ……!!
もうこれしかない……これしか狂犬を止める方法はないッ!!!!
お前が悪いんだからなッ……
日帝ッ……!!!!!!
その液体を首に打ち込んだ直後。
あいつは声をあげる間もなく、大量の血を吐き、まるで電池が切れたおもちゃかのように地面へと倒れた。
確認して見ればこいつは全身を小刻みに震わせながら、完全に意識を飛ばしていた。
その間にも口からごぼごぼと真っ黒な血を吐いていた。
脈はある。
生きている。
しばらくそこに立ち尽くし、様子を見ていたが、こいつが起き上がる事はなかった。
ようやく白旗が挙がったのだ。
勝った──。
終わったんだ──。
イタリア、ナイスが降伏し、日本だけが残っていた今。
たった今。この瞬間。
人類史上最悪の世界大戦に幕が閉ざされた。
あれから数年後。
国際連合の本拠地。
アメリカ─ニューヨークにある国際連合本部ビルのとある一角。
殺風景で薄暗い部屋に1つのベッドが置かれ、そこに1人、何本かの点滴に繋がれた男が横たわっていた。
日本国である。
日本はあの出来事以来目を覚ます事無く、ずっとこの部屋に寝かされ全世界─特にアメリカから監視されていた。
彼の姿は以前のような爛々と旭が輝くような姿ではなく、地面を明るく照らす朝日のようであった。
彼が寝ている間、軍部の縮小は粛々と進んでいたようだった。
そんな中夕日が沈み、あたりが完全に真夜中となった深夜1時頃。
彼の部屋に2人の男の姿があった。
中華人民共和国と大韓民国。
つまり、中国と韓国だ。
中国が日本の上に乗りあげたかと思うと、彼は日本の細い首に手の平をあて、思いっきり締め付けた。
ぎゅうぎゅうと音をたて締め付けるのに比例して日本の顔は歪み、くぐもった声をあげるが、意識が戻る気配はない。
「お前のせいで……お前のせいで……ッ!」
「お前は俺の国民を何千人と殺した……ッ!」
「許さない……許さない……許さない……ッ!!!」
「絶対に許さないッッッ……!!!!!!」
「殺してやる……殺してやる……ッッ!!!!!」
「こんなクソみたいな国なんか消えてしまえ!!!!!!!!」
震える声で叫びながら首を締め付ける中国の横で、韓国はひたすら無言で日本の歪む顔に軽蔑の眼差しを向けていた。
「……」
韓国は懐からカッターを取り出すと、そのまま日本に繋がれていた点滴に刃を当てた。
あたりにぷつんっと切れた音が鳴り響く。
外では満月が光り輝き、真っ白な雪がしんしんと積もっていく。
辺りに風は一切吹いておらず、林立する木々の葉や地面に咲くクローバーは全身に雪を浴び微動だにしない。
冬の日でもいっそう冷え込んだ夜の出来事だった。
まっじで政治的意図ありませんからね!!??
ちょっとこれ大丈夫なんかなって感じなんですけど、ほんとにないですからね!?!💦
ちょっと長めだったのにここまで読んでくれてべりーべりーさんくすです🙏✨
コメント
2件
コメント失礼します!! わ、わぁ...!!神作すぎて言葉が出てきません...!! リアルでは「おぉぉぉ...!!!!」と声が出ました笑 ちょっぴり史実が混じってるのもめちゃすきです!!