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コメント
3件
第3話、めっちゃ良かったです…!🌙💘 翡翠くんが「今日は俺が攻め!」って息巻いてるのに、絢人さんに華麗に返り討ちにされちゃう展開、最高でした…。あの「優しくしてね?泣いちゃうかも」って甘えモードから一瞬で肉食獣に豹変するギャップ、反則すぎます…(笑) 真っ赤になってワタワタする翡翠くん、可愛すぎて何度も読み返しちゃいました。2人の関係性がじわじわ深まってる感じ、すごく好きです。次話も楽しみにしてます!🖤
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絢人…「」 翡翠…『』
絢人のマンションは、彼の性格そのもののように洗練され、無駄なものが一切なかった。
その広いリビングのソファで、千石翡翠は腕を組んでフンスと鼻息を荒くしている。
『いいですか、絢人さん。今日は俺が攻めですからね!』
宣言しながら、翡翠は絢人をソファに押し倒す……つもりで、肩を両手でグッと押した。
絢人は逆らう様子もなく、されるがままに背もたれへ体を預ける。仕立ての良いシャツのボタンを少し外し、知的なメガネを外した絢人は、どこか毒気を抜かれたような顔で翡翠を見上げていた。
「へえ……〝攻め〟、ねぇ」
『な、なんですかその〝できるわけない〟みたいな目は! 俺だって17歳の男です。絢人さんをドギマギさせるくらい、余裕でできます!』
翡翠は自信満々に絢人の上に覆いかぶさる。
鮮やかな緑色の瞳をギラつかせ、意気揚々と絢人の手首を掴んで頭の上に固定した。
(よし、ここまでは完璧だ……! いつも余裕ぶってるこの人を、今日こそ真っ赤にさせてやる)
翡翠はゴクリと唾を飲み込み、絢人の耳元へ顔を近づけた。
低めの声を意識して、少し意地悪く囁いてみる。
「……絢人さん、覚悟してくださいね?」
完璧な「攻め」のセリフ。これで絢人は動揺するはず――そう思った翡翠だったが、耳元から聞こえてきたのは、小さく忍び笑うような吐息だった。
「ふふっ……可愛いな」
『っ、かわ……ッ!? どこがですか! 俺はいまカッコよく攻めてる最中で――』
「うん、すごくかっこいいよ、翡翠くん」
絢人は拘束されたはずの手の力をふっと抜き、指先を翡翠の手の隙間に滑り込ませて、逆にぎゅっと恋人繋ぎに変えてしまった。
そのまま、少し切なそうな、守ってあげたくなるような絶妙な表情で翡翠を見つめ返す。
「ねえ、優しくしてね? 俺、君に酷いことされたら泣いちゃうかもしれない」
『~~~~~っっ!?』
完全に想定外のリアクションだった。
まさかあの絶対強者のハイスペ大人・鷹司絢人が、こんなしなやかに〝受け〟の顔をして甘えてくるなんて。
赤面したのは、攻めているはずの翡翠の方だった。耳まで真っ赤になり、心臓が爆発しそうなほどドックンドックンと脈打つ。
(や、やばい……ッ! なんだこの人、可愛すぎるだろ……!? いや、待て、騙されるな、これは罠だ!!)
パニックになった翡翠は、この「甘えモードの絢人」にどう対処していいか分からず、繋がれた手をギュッと握り返しながら狼狽した。
『あ、あの、えっと……! 泣かせたりはしないですけど! その、優しく、ちゃんと優しくしますから……っ』
あまりの純粋さと可愛さに、絢人の腹の底でドロリとした熱いものが渦を巻いた。
〝攻め〟としてかっこつけようと必死なのに、結局こちらの一言で真っ赤になってワタワタしている17歳。
(……ダメだ。もう耐えられない)
あえて弱ってみせる「ネコ」の演技は、ここまでだった。
「……ねえ、翡翠くん」
『はっ、 ひゃい!?……な、なんですか…?』
「〝攻め〟ってね……もっと意地悪で、強引じゃなきゃ務まらないんだよ?」
赤面したのは、攻めているはずの翡翠の方だった。耳まで真っ赤になり、心臓が爆発しそうなほどドックンドックンと脈打つ。
次の瞬間、世界が反転した。
『うわっ!?』
気づいたときには、翡翠の背中が柔らかいソファに押し付けられていた。
あっという間に上下が入れ替わり、上から見下ろす絢人の瞳からは、先ほどまでの儚げな気配など微塵も消え失せている。そこにいたのは、獲物を完全に追い詰めた肉食獣そのものの絢人だった。
『あ……あれ? 俺が攻めで……』
「降参したフリをしてあげたら、まんまと油断するんだから。……本当に、君はスキだらけだ」
絢人の長い指が翡翠の顎をすくい上げ、親指で熱を持った下唇をなぞる。
知的なメガネを外した素顔の絢人は、色気がダダ漏れで、とてもじゃないが17歳の翡翠が勝てる相手ではなかった。
『あ、あの……絢人さん、最初のお約束と違いま――』
「君が俺を可愛がってくれるのは嬉しかったけど……ごめんね、俺の独占欲が限界みたいだ」
低く掠れた声で囁かれ、そのまま逃げ場を塞ぐような濃厚なキスが降り注ぐ。
『んっ…ぐ、…っ』
翡翠の反論はすべて甘い吐息に溶かされていく。
〝攻めてやる〟と息巻いていたはずの男子高校生は、結局いつものように、大人な攻めの甘い執着の中にドロドロに甘やかされて溶かされていくのだった。