角名「は一美味かった、
てか次古典じゃん、 めんどくさ」
主「それなぁ?
古典50分間リスニングしてるし(笑)」
角名「リスニング(笑)」
そんなことを話して廊下を 歩 いていると
お弁当を食べ終わり角名を待っている
様子の治がいた。
こちらに気付き、
パアっと表情を明るくした後、
少し顔が引きつって、またすぐに笑顔になる。
治「角名ぁ!」
え
治は俺から離すように
角名を引っ張って睨んできた。
俺に対して当たりが強いのは
今に始まったことじゃない。
主(俺嫌われてるよな、なんかしたかな)
自分でも何故嫌われているのかは
よくわからないが 1つ言えることは
角名いると毎回引き剥がそうとすることだ。
主(まあ治、部活同じだし、
角名とずっと一緒にいるくらい
仲良いもんな、 取られたくない
みたいなのは感じる、、、)
角名「ごめん主くん、
俺ちょっと行ってくるね」
主「あ!うん、またね角名」
楽しそうに話しながら歩いていく
2人を見ると胸が痛くなる。
次の授業の準備をして席につく。
もう間もなくチャイムが鳴るというのに
角名の姿が見えない。
角名「はぁっ…はぁ…あっぶな…」
ぎりぎりで角名が教室に入る。
主「随分遅かったね」
角名「いや、まじ遅刻するかと思った」
「何をしてたの?」と聞こうと思った時、
俺はあることに気づいてしまった。
よく見たら服は乱れて、髪もくしゃくしゃ
おまけに顔は火照っている。
主(え?まさか…いやいやいや、
まさかすぎるし、 考えすぎだよね…?)
勝手に想像してこっちまで恥ずかしくなる。
多分今の俺は、角名以上に顔が赤いだろう。
角名「ねぇ、さっき教科書
取り忘れちゃって、 見せてくれない?」
主「…」
角名「主くん?」
タラー
角名「ちょ!主くん!?鼻血鼻血!!」
主「え?」
鼻に手をやると確かに血が出ていた。
幸い角名がすぐティッシュをくれたお陰で、
制服や机にはつかなかった。
先生に許可をとり、トイレで処置をする。
トイレットペーパーをぐるぐるに巻いて
鼻に当てる。鏡に映る自分の姿は
なんだか無様だった。
主(角名と治ってそういう関係なのかな…?)
もしそうなら、角名は治に
どんな顔を見せていたの だろう。
考えれば考えるほど辛くなる。
だけど、角名が男の子と
付き合えるということは、
俺にも希望があるんじゃないか
なんて思ってしまって、
角名が何かしてくれたわけでもないのに
少しだけ自分が認められた気がして。
主「てか、そろそろ戻らないと…」
教室に戻って席に座ると
角名が心配そうに話しかけてくれた。
角名「大丈夫?顔も赤かったし
熱でもあるんじゃない?」
主「大丈夫だよ!」
顔が赤くなった原因が角名のせいだなんて
死んでも言えない。
主(あれ…?教科書がない)
角名「あー、そうそうさっき
教科書見せてもらおうと思って、
トイレ行ってる間勝手に借りてた」
主「なんだそういうことか」
そのまま何事もなく授業が進み、
次の休み時間に入る。
主「ねぇねぇ、さっき言おうと思ってたんだけどさ」