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テスト3日前。
今日はいつもより随分早く登校した。課題は終わったから、そろそろ本気で勉強しないといけない。
「わっ」
教室には誰もいないと思っていたが、普通に誰かが座っていた。
「人見て驚かないでよ」
宇治だ。私の席の斜め後ろ。
「いや、ごめん」
「勉強?」
「うん、もう来週からだし」
「早いよね」
宇治はずっとペンを動かしている。
「、、あ、宇治」
そういえば聞いてなかった。
「宇治、妹いる?」
「、、居るけど、なんで?」
「紗月ちゃん?」
「え、なんで知ってんの」
やっぱり、妃奈乃が話してた子宇治の妹なんだ。
「私の妹が同じ中学、◼︎◼︎中でしかも同じ美術部」
「偶然、珍しいんじゃないこういうの」
「でも宇治違う中学だよね」
私の妹と宇治の妹が◼︎◼︎中なら、普通は私と宇治も同じ中学のはずだが宇治は◼︎◼︎中には居なかった。
「俺高校入学と同時にここに引っ越してきたから、中学は引っ越す前のところ」
「あ、そうなんだ」
だから宇治だけ違う中学なんだ。
「幡中、数学得意?」
「え?まあ、好きではあるけど」
「放課後教えてくれない?」
「うん、わかるとこなら」
「ありがと」
宇治、頭いいイメージだけど。
「幡中いつも数学トップじゃん」
「、、数学好きだから」
「おはよー紫乃」
ぱっと横を見ると玲花が教室に来ていた。
「おはよ玲花」
「じゃあ放課後、美術室」
宇治はそれだけ言ってまたペンを動かし始めた。