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page⒈ 些細なこと
声:「」 心の声:『』
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キーンコーンカーンコーン
授業が終わって皆が教科書を片したり、
次の授業の準備をしたりしている中
1人だけ机からすぐに本を取りだし
次の時間の準備もせず読み続けている人がいる
オレンジ色の髪をして
眼鏡をかけた大人しい男の子
アニメや漫画ではオレンジや
黄色の髪をした子は明るい子が多い
でもその子達とは違う貴方に
私は惚れている
𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄
「ねぇ、次の時間の準備しなくて大丈夫?」
私がそう声をかけたら
「…大丈夫……」
こっちを向かずに静かに答える
そういう貴方が私は好き
𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄
学級委員の私はよく先生に雑用を頼まれる
その荷物持ってってーとか
これやっといてーとか
あの時もそうだった
私が先生に頼まれた、薬品の入った段ボールを
第1理科室まで運んでいる時
貴方はさりげなく、
私が運んでいた段ボールを持ってくれた
「それ俺が運ぶよ」
って言って
最初は、
『そういえばこの人も学級委員だったな』
くらいしか思ってなかった
ほとんどのことは私がやっていたから
そう感じたんだと思う
学級委員を決めている時も
皆やりたくなさそうにしてた中
私が手を挙げて、
その後に貴方が挙げてくれた
𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄
陰が薄いと周りで噂になっていること
無愛想だと周りから嫌われていたこと
そのことを私は知っていた
でも、あの時は
『ちゃんと、男の子なんだな』
って思った
その時から、
学級委員の仕事も手伝ってくれるようになったし
少しだけ会話もするようになった
会話と言っても私が話しかけて
貴方が少し話す
ただそれだけ
でもその、それだけのことが
私は嬉しかった
貴方は私に笑ったり話しかけたりはしないけど
あの時だけは貴方から話しかけてくれた
そんな些細なことだけど
私は貴方が初めてだったから
私にこうやって優しくしてくれたのが
貴方が初めてだったから
こんなに好きになってしまったんだよ
{最終更新:2024/12/21}
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