テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
部屋に流れるのは扇風機の微かな音と、さっきまでのキスの余韻。
「……なあ、コンちゃん」
天城悠馬が少ししゃがれた声で呼ぶ。ぐっと那央の顎を持ち上げて、うわずった瞳を覗き込んだ。
「俺……たぶん、優しくできないかも」
は、と熱を帯びた吐息が那央の頬に落ちる。
那央は、ぎゅっとシーツを握ったまま、ぽやっとした目で先輩を見た。汗ばんだ髪が額にはりついていて、瞳の奥はどこか、蕩けている。
「……だいじょうぶです。欲しい、から」
声が震えてる。けど、確かに言った。
欲しいって。
天城の口角が、ほんのり持ち上がる。
「そっか。じゃあ、泣かないでね」
一瞬の間をおいて、那央の脚の内側に冷たい指がすべりこむ。触れたところから熱が広がって、腰がびくっと跳ねた。
「んっ、あっ……」
甘く漏れる声。薬が効いてる。
那央の指先も、無意識に先輩のシャツの裾をつかんでいる。
「こわい…」
那央が呟くように言ったのを、先輩は聞き逃さなかった。
「大丈夫。ちゃんと気持ちいいことするから」「あと、俺がもう我慢できない」
そのままぐっと那央の足を開いて、腰を押し当てる。服越しでも熱くて硬いそれが、いやでもわかる。
「な、あ……っ、ちょっ……!」
「コンちゃん、俺ばっかりしてたら不公平じゃん。ほら、さっきのお返し」
そう言って、首筋に唇を這わせながら、軽く甘噛み。那央は細い声で、
「や……ぁ、そんなとこ……っ、くすぐった、……ふ、ぅんっ」
「くすぐったいだけじゃないでしょ?感じてる」
悠馬の目は獣じみていた。媚薬が入っているはずなのに、どこか冷静で、余裕すらある。
「コンちゃん、俺にもっとぐちゃぐちゃにしてほしい?」
耳元で囁かれて、ぞくっと背筋が震える。
「……いわせないで」
そう答えた瞬間、腰を押し込まれた。まだ服の上からだけど、擦れるだけでも涙がにじむほどの熱量。
「こんなの……変、なのに……」
「でも、気持ちいいんでしょ?」
「……いっちゃやぁ…っ」
そこから先は、何度もキスを重ねながら、服を脱がされるたびに、心も身体も剥がれていくようだった。
那央の息遣いも、悠馬の吐息も、どんどん乱れて。
「コンちゃん、やめてって言われてももうやめれないから」
「うん、……止めないで」
その夜、何度も熱が交わされた。