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君の心

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君の心

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2025年03月04日

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有名な検索エンジンを開き、キーワードを打つ。検索ボタンを押すと上から順に沢山のサイトがでてきた。

ネット上にある情報が全て正解じゃないことくらいはよく分かっている。様々なサイトをクリックし、情報を見極めていく。

どれくらい経っただろうか、興味深い記事を見つけた。どうやら行方不明者の記事のようだ。

「田崎翔平…。」

馴染みのない名前を口ずさむ。サイト上に示されていた名前だが、それに反応した元貴が椅子ごと振り向く。

「そいつ知ってる!」

画面を覗き込む元貴と共に記事を読み進めているとひとつの情報が目に付いた。

「…涼ちゃんと同じタイミング。」

長々と綴られた文の中に見覚えのある日付があった。元貴もそれに気付いたのか、足早にモニターへと戻っていく。

またキーボードをタイピングしだす元貴を横目にサイトをスクロールすれば、その人物の素性が書かれていた。

どうやら28歳の男のようで、過去に犯罪の履歴があった。血縁の情報も薄くしか書かれていない。何かしらの犯罪を起こし、親からも見放されたという所か。あまり公にしたくないのだろう。

「見つけた…!!!」

元貴の嬉しそうな声が部屋に響く。

「田崎さん?」

「ばか、違うよ。もう田崎さん終わった。」

「田崎さん終わったってなんだよ。」

そんなやり取りを繰り返していれば、こっち来て、と手招きされる。それに従って元貴の座る椅子の隣へと向かうと、画面上にごちゃごちゃとした解読が出来ない文字の羅列が表示されていた。

「何これ、暗号?」

「ん?あー、違うこっち!」

3つあるモニターのうち、真ん中の画面を見ていたがどうやら違ったようだ。元貴が指をさす左のモニターを見ると誰かの情報が沢山示されていた。

「西山達哉?」

全く聞き覚えのない名前に、画面に映し出されている写真にも見覚えが無かった。

「こいつが黒幕みたいなもん。」

「犯人ってこと?」

「そう。」

あまりにもあっさりとした発見に間抜けな声が出る。

「え…?あ、分かった。あれでしょ?もう死んでるとかそういうのでしょ。」

「いや?全然生きてる。」

「はぁ?」

仲間を疑うのは良くないことだと分かっているが、こんなに簡単に見つかるなんて信じられない。そんな俺の思考を見透かしたのか、元貴が口を開く。

「これで終わったって思わないでよ。まだ始まりに過ぎないから。」

犯人の情報を見つけた時点で解決に近いと思っていた自分は確かに居る。元貴の言う通りまだまだ先は長い。1秒たりとも気を緩ませてはいけないのだ。

「分かってる。ここからだよね。」

真剣な瞳を向ける元貴を見つめ返す。大丈夫、俺達なら出来る。

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