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side のん
いやー今日は暑いね〜。もう夏じゃん
まぁ暦の上では夏が始まったばかりだけど、今年は特に暑い。
あのトラブルから一日経った。まさか、使者が奇襲してくるとは思わなかった。そして、あの総統影武者だったらしい。
∴§国は未だ黙秘。ロゥは今対応に追われている。外交のトラブルは自分の仕事だけど今回はロゥも関わっているからロゥが対応している。
だから自分はひさしぶりに暇なのだ。 道場の縁側に座って庭を眺める。
ここは自分が我儘言って作ってもらった和風の建物and庭だ。まぁ建物って言っても座敷の敷いてある道場だけどね。家とかではない。 この場所は城の庭の奥にある竹林の中にひっそりとある。だから幹部と一部の警備班の人しか知らない。
いつもなら誰かしらここで稽古してるんだけど、今日は誰もここにいなかったので四方にある襖を全て全開にして風通しを良くしている。 そのまま畳に寝っ転がった。雀の声や小さな池に水が流れる音、時折鳴る鹿威しに耳を傾ける。
ふわ〜しあわせ〜
上を向くと竹の間からチラチラと太陽の光が見える。
「・・・・・・」
誰かの顔が浮かんで消えた。
あれ、おかしいなぁ、、、ここ数年は思い出してなかったのに。やっぱり疲れてるのかな。
体を起こして、少し頭を左右に振った。 縁側から庭に降りる。
久しぶりに街に行ってみるか。
特に何も考えずぶらぶらと大通りを歩く。すれ違う人は大抵笑顔で挨拶してくれるし、小さな子供たちは元気に手を振ってくれる。
そういえば、優海がなんか言ってたな。他の国だと普通軍事国家幹部は一人で街中をうろつかないんだよって。
なんでなんだろーね。
今日はいつにも増して熱い。体が頭から溶け出してしまいそうだ。
大通りから抜けて街を一望できる丘まで行く。大きな楓の木の下に座って景色を眺めた。 みんなの楽しそうな笑い声、風で葉っぱが揺れる音が聞こえてくる。 体から力が抜けて木の幹に背中を預け目を閉じた。
風が通り過ぎる音がする。その風に運ばれて懐かしい匂いがして目を開く。でも、そこには何もいない。頭ではわかってるのに
・・・いや何考えてるんだ自分。充分今の生活も幸せなのに。こんなに大勢の笑顔が見れて、かわいい後輩がいて、頼れる人もいて、そう幸せなんだよ。
失ったものより今あるものに目を向ける。
聡明になった両目でもう一度街を眺めた。言いようのない繊細で不安で、でも幸福な感情で心がいっぱいになる。今日が平和で何よりだ。
「よっこいしょっと」
その場に立ち上がり大きく伸びをする。葉っぱが舞った。風が背中を押すように流れていく。
[〜ーー、〜!]
[ーーー〜。]
[ー〜ー?]
無線が騒がしく鳴った。
みんながめっちゃ同時に話すから聞き取れなかったけど、シズサンとハル、それとルイかな?
自然と頬が緩まる。
もー。みんな騒がしいんだから
城に戻ることにし、踵を返す。
まだ早い、夏に咲くひまわりのような笑顔が顔に浮かんだ。
コメント
1件
のんさんの束の間の休息、すごく良いですね。竹林の和風道場で、襖を全開にして風通しを良くして寝転がる…あの「しあわせ〜」の解放感が伝わってきて、思わず一緒にほっとしました。でも、ふと浮かんだ「誰かの顔」が切ない。失ったものと今の幸せの間で揺れる、繊細な心情描写が美しいです。最後の無線で仲間の声が聞こえて頬が緩むところも、今の彼女にとっての日常の温かさが感じられて好きです。
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