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じゃぱぱ(じゃっぴ)は、吸血鬼たちとの生活の中で、次第に自分の血が他の吸血鬼たちにとって特別であることを理解し始めていた。しかし、それがどれほど危険であるかはまだ実感していなかった。
ある夜、なおきり(なお兄)が静かに語りかけた。
「じゃっぴ、君の血は今夜からさらに強くなる」
「強くなる?」
「満月の夜が近づくと、君の血は活性化して、吸血鬼にとっては非常に魅力的になるんだ」
「…それって、どういうこと?」
「君の血は、普通の人間のものとは違う。それは吸血鬼たちにとって、まるで禁断の果実みたいなものなんだよ」
その言葉に、じゃぱぱは少し不安そうに眉をひそめた。
「でも、なんか体が熱くなってきた気がする」
「それが血の活性化が始まった証拠だ。君の体も、だんだんその影響を受けることになる」
その夜、じゃぱぱは体が異常に熱く、だるさを感じた。動こうとすると、ふらついてしまい、力が入らなくなった。
「これが、活性化ってやつか…」
「うん、少しずつ君の体がその変化を受け入れている。でも、今夜のように活性化が強くなると、症状がもっと重くなる」
「そうか…」
その時、吸血鬼たちの気配が近づいてきた。
「来たか…」
「君の血を狙って、吸血鬼たちが集まっている。でも、安心して。今度は僕が守るから」
満月の夜が近づき、じゃぱぱ(じゃっぴ)の血がさらに強く活性化し、体調に変化が現れ始めた。体が熱く、力が入らない感覚がますます強くなり、呼吸も少し苦しくなってきた。まるで、体の中で何かが暴れ出しているかのようだった。
「じゃっぴ、もうすぐ君の血が最高潮に達する。でも、その時は君の体調がかなり悪化するから、無理しないでね」
「うん、わかってる。でも、どうしても体が…」
「少し我慢して。僕が君を守るから」
その言葉を聞きながら、じゃぱぱは吸血鬼たちの気配を感じ取った。彼らの足音が近づいてくる。
「じゃっぴの血、いただきます!」
うりりんが最初に現れる。笑顔で言いながらも、その目は真剣そのものだった。
「俺が先や! じゃっぴ、血吸わせてもらうで!」
たっつんが冗談っぽく言うものの、その眼差しには決して冗談ではない決意が込められていた。
「みんな、少し落ち着け。今はじゃっぴを守るのが最優先だ」
ゆあんくんが静かに言いながらも、冷徹な表情で周囲を見渡した。
その時、吸血鬼たちが一斉に動き出し、じゃぱぱの血を奪おうとする。戦いが始まる。
「ここで止めるんだ!」
なおきり(なお兄)が叫び、吸血鬼たちに向かって前進する。吸血鬼たちが一斉に攻撃を仕掛けてきたが、なおきりはその動きを巧みにかわしながら、じゃぱぱを守る。
「じゃっぴ、君の血は俺のものや!」
たっつんが大きな声で叫びながら、吸血鬼の一体を吹き飛ばす。
「お前ら、あっち行け!」
うりりんも自分の音楽で吸血鬼たちを混乱させ、場を乱しながらも、じゃぱぱに近づこうとする。
「このままだと、じゃっぴを取られてしまう…」
なおきりは一歩踏み出し、圧倒的な力で吸血鬼たちを吹き飛ばす。
「じゃっぴは、僕が守る! もし血を吸いたいなら、僕と契約を結ぶんだ!」
その言葉に、吸血鬼たちは一瞬驚き、動きを止めた。だが、すぐにまた攻撃を始める。
「契約? お前が守れるわけないだろ!」
うりりんが挑戦的な口調で言うと、なおきりは冷静に言った。
「じゃっぴの血は僕のものだ。触れるな!」
その時、じゃぱぱは自分の血が最高潮に達し、体が焼けるように熱くなり、力が抜けてきた。
「だめだ…動けない…」
「じゃっぴ!」
なおきりは慌てて駆け寄り、じゃぱぱを支える。彼の体温は異常に高く、まるで火傷をしているかのようだった。
その瞬間、吸血鬼たちは一斉に駆け寄り、じゃぱぱの血を奪おうとするが、なおきりは全身で守ろうとする。
「お前ら、俺が許さん!」
たっつんが叫びながら再度戦いに加わり、吸血鬼たちを蹴散らす。
「うりりん、俺が守るから!」
ゆあんくんもその場に加わり、冷静に吸血鬼たちを退ける。
最高潮に達した血の力により、じゃぱぱの体は限界を迎えようとしていた。体が熱くなり、力が完全に抜け、意識が薄れかけてきた。
「もうだめだ、力が…」
「じゃっぴ、もう少しだけ我慢して! 僕が君を守るから、契約を結ぼう!」
なおきりは強く握った手を離さず、じゃぱぱを守りながら言う。
「君の血を守るために、僕と契約しよう!」
その瞬間、じゃぱぱはしっかりと頷き、契約を結ぶ決意を固めた。
「お願い、なおきり…」
「僕と契約を結んだら、君の血を奪わせない。これからずっと君を守るから」
その契約が結ばれると、じゃぱぱの血は再び安定し、周囲の吸血鬼たちは静かに後退した。なおきりが、じゃぱぱを守るという誓いを新たに固めた瞬間だった。
契約を結んだ後、吸血鬼たちはじゃぱぱをなおきりが守ることを認め、戦いは収束した。じゃぱぱはなおきりに守られながら、吸血鬼たちとの間にできた不安を乗り越え、平穏な日々が始まる。
「これからは、君と一緒に過ごすんだな」
じゃぱぱは穏やかに微笑みながら言った。
「うん、君を守るよ」
なおきりは微笑みながら答え、二人は新たな契約を結んだ。
エピローグ
じゃぱぱとなおきりは、生涯を共に過ごすことを誓い合い、吸血鬼たちとの争いも収束した。二人はお互いを支え合い、満月の夜がもたらした契約を大切にしながら、新たな日々を歩んでいった。
読み切り作品
あなたの血を吸わせてくださいッッ!
完