「た、探偵? 真実はいつもひとつってこと?」
あたしの頭の中をサッカーボールとパイプを持った巻きひげの紳士が駆け抜けた。いろいろ混じってる。
「志麻センパイ、言っとくけど現実の探偵は殺人の真相を暴くとかしねーから」
風間君はあたしを呆れた目で見た。
「親父は『依頼さえあれば一個人から大企業まで、どこにでも入り込んでどれだけ重要な機密でも必ず探り当てる』ってのがウリでさ。今まで一度も失敗したことねーの、失敗しない男ってやつ。事務所も持たないで完全フリーなんだけど、口コミだけで依頼がハンパねえんだわ」
「へえ、なんかカッコいいね! 伝説のスパイみたい」
「みたい、じゃなくてほぼそのものだろう。……では、君の器用さは御父上譲り、というわけか」
環の言葉に風間くんは肩をすくめた。
***********
******
******
*******
*************
******
*********************
***************
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!