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『意見』
「ねぇ、夏海って意見が変わりやすいよね」
小学校から帰る途中だった
友達の千代ちゃんからそう言われたことが始まりだった
「そうかな?」
「だって、この前はサバの味噌焼きが嫌いだったのに今日は好きっていうじゃん」
確かに、給食で出されたサバ味噌が今日は美味しかったから好きって言ったけど…
「そっかぁ」
「ほら、夏海!早く帰ってランドセル置いたら裏山の倉庫前に集合ね!」
「わかった!」
「今日は蜜柑も綾乃も来るから!」
「はーい!」
そう返事して、私はランドセルを家に置きに行った
私は意見が変わりやすい
昨日までは太郎くんが好きだったけど、今日は翔太くんが好きだし
すぐに好きな色は変わっちゃうし
でも特に気にしたことはない
「あれ?まだ誰もいない」
裏山の倉庫前には誰もいなかった
人が少なくて、待ってる間に寂しくなってきた
「千代ちゃんたち、まだかな〜…」
そんなことを言ってたら、視界が暗くなった!
「わぁ!暗いよ…!千代ちゃん?!誰?」
そして急に私の体は引きずられ始めた!
「痛い!痛いよ!」
ボコボコした地面に肘があったて皮が剥けて痛い!
誰か助けて!
「ね〜、本当に夏海を倉庫に置いってって大丈夫?」
「大丈夫だって蜜柑。すぐ出てこれるでしょ」
「マジでスッキリした〜、うざかったもんね夏海」
「だよね、ちょっとお仕置きだよ」
「さっすが千代!頭いいね!」
そのまま私たちは裏山から下山した
だけどその後夏海がかえってくることはなかった