テラーノベル
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………
良かった。ゼロもレベルが上がってるし、召喚できるモンスターも増えたみたいだ。
すぐにゼロのダメフィルターでふるいをかける。
・クレイパペット
・ワイルドキャット
・ブラッドバット
・毒きのこ
・ギガントフラワー
・ラフレシア
・ドラゴンベビー
・リザードマン
・巨大ピラニア
・痺れクラゲ
・ウィル・オ・ウィプス
・ケットシー
・ハイピクシー
・ウォーキングツリー
・ドライアード
・マーメイド
え~…と、1・2…おお!16種!意外と残った!
ゼロはマーメイドが召喚できると知って、有頂天だ。
「やった~~~!!!マーメイドきた~~~!!」
テンションが異常でむしろ怖い。
しかし、なんだって人間は、マーメイドがこんなに好きなんだろうな。
理解に苦しむ…。
ゼロの喜びっぷりにルリもガッツポーズだし、この様子じゃ新しいダンジョンに海が盛り込まれるのは確実だ。
だが、今のテンションだと、造ってるうちに楽しくなってやり過ぎる可能性、大すぎる。
この前の駆け出し用ダンジョンみたいに、レベルとのバランスが合わない、なんて事にならないようにしっかり監督しないとな…。
俺はこっそりため息をつく。
バカンス気分のこいつらに、レベルとのバランスとかいう現実的な判断は、もはや望む気もしない。
真剣に、海と組み合わせで入れるべきフィールドを悩み始めた。
やっぱり雪山や砂漠よりは、断崖絶壁とかの方が、高低差を利用した戦い方や、狭い場所での動き方が身につくだろうか。
それとも、ジャングルみたいに見通しが悪くて足場も悪い、さらに武器も振り回し辛いシチュエーションの方が、参考になるか?
もしかしたら、火山や毒の沼地系の方が、地形ダメージがどれだけ厄介なものかを体感できるかも知れない…
「確かにね。今聞いた感じだと、断崖絶壁が良さそうかな。モニターでも見通し良さそうだし」
いきなりゼロが言う。
え!?
もしかして俺、声に出てたか!?
一人で焦る俺をよそに、話題は一気に新たなダンジョンのフィールドをどうするかに移った。断崖絶壁には皆異論がないらしい。早くもどう海と絡めるかに、議論が集中している。
議論の末、ダンジョンの序盤は断崖絶壁の足場が悪い地形が続き、最後の方に南国テイストの砂浜や海、小島が出てくるフィールドにする事に決まった。
意外だったのは、ダンジョンの8割は、断崖絶壁の地形にすると決まった事だ。
こいつらの海への憧れの瞳からは、ちょっと想像できなかった。不思議がる俺を見て、ルリはばかねぇ、と笑っている。
「苦労して、苦労して、すっごい疲れたところに、崖の上から、真っ青な海が見えたら素敵じゃない?」
なんと…!あくまで海のロケーションを満喫するための演出か…!
この様子じゃ冒険者達は、ウンザリするほど断崖絶壁部分で苦しめられるに違いない。
「でさ、海は入らなくてもクリアできるようにしようかと思うんだ。あえて海に入って、小島まで辿りついた頑張り屋さんには、マーメイドから素敵なプレゼント有り、…ってどう?」
ゼロは相変わらず楽しそうだが、やっぱりマーメイドは戦闘要員じゃないんだな。まぁ、ダンジョンに来る冒険者はほぼ人間だろうから、妥当な配置だろうけど。
俺は苦笑しつつ、いいんじゃねぇか?と頷く。
ゼロはいそいそとダンジョンコアに向かった。
そして今、目の前のモニターには、白い砂浜と美しい青い海。そしてその中で戯れる、美しい数人のマーメイド達が映し出されている。
ゼロやルリじゃないが、癒される。
いつまでも見ていたくなる絶景だ。
一方の断崖絶壁部分は罠もモンスターも大サービスされている。俺でも入りたくない。まあ、その分宝箱もまあまあ多いが。
海を渡った小島では、プレゼントではなく、店を置く事になった。
体力回復系の薬と、ここでしか買えない武器、防具。マーメイドの店員さん。
人間にとってはなかなか魅力的な島になったんじゃないか?
このダンジョンは無限ループになってしまう部分はないが、断崖絶壁部に宝箱がこれ見よがしに置いてある。
頭を使わないとゲット出来ないし、時間をかけ過ぎるとタイムアウトする。しかも宝箱周辺には罠が多い。
対応レベルの上限を30まで、と高く設定しているので、一回クリアしても、何度でもチャレンジできる仕様だ。
唯一の不安は、俺のレベルが上限の30よりも低い事だろう。
1対1のタイマン勝負なら、それでも人間ごときに負ける気はしないが、ぶっちゃけ、束になってかかって来られたらヤバい。
俺にとってはこれが当面の課題だ。
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